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開かずの扉
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「もう、しょうがない……」
「だってさ…ライオ……死んじゃ…………」
ここには、おとながすくない。
はるせんせいと、あきせんせいと、いつもここにいないふゆせんせいと、おねんねしてるなつせんせいだけ。
あとは3さいから、5さいのこどもが50にん。
ぼくは4さい。
『ここ最近には珍しく、多くの個体が残ったらしい』ってあきせんせいがいってたけど、どういうことかはわからない。
「個体を管理しないと、母船に戻るまで食料がもたない…………」
ぼくははるせんせいがすきだから、ほかのことあそびながら、いつもせんせいのことをみたりきいたりしているの。
いちどついてあるいていたら、
「この子は協調性がないのかしら? マイナスポイントね」と、つめたいめでみられてからは、みんなとあそぶようにしてたの。
そしたら「協調性の問題はないみたい」とあんしんしていたので、あんまりそばにいってないの。
はるせんせいに、きらわれたくない。
あるひ、はるせんせいがいったの。
「この部屋にあるドアは、危ないから絶対開けちゃだめよ」って。
「「「はーい」」」ってみんな、おおきなこえでおへんじ。
ぼくはちゃんと、いうことをきくよ。
でも、ぼくよりからだのおおきなおとこのこと、おんなのこと、おとこのこが、そのへやへいこうとしていたの。
だからぼくは、はるせんせいにつたえたの。
そしたら、
「◯◯は偉いね、良い子」となでてくれたの。
ぼくはうれしくてうれしくて、ニコニコになった。
それから「先生と絵本を読みましょう」って。
「はーい」
ぼくはせんせいとえほんをよんで、ねむってしまった。
つぎのひ、あのへやにはいったこが、しょくどうにいなかった。
ぼくは、せんせいにおこられているのかなとおもった。
なんにちかたって、またあのへやにはいったこたちがいた。
せんせいにおこられたら、かわいそうだとおもったので、こんどはせんせいにいわなかった。
あきせんせいが、みんなこっちでおやつをたべようと、ちがうへやにみんなをよんだ。
あのこたちは、よばなくていいのかなとおもった。
まよったけど、よばなかった。
ぼくはあのへやがこわいから、いきたくない。
さいごに、あきせんせいのよんだへやにはいったら、かちっとおとがした。
そのへやだけ、みみをふさいだみたいに、きゅうにしずかになった。
そのあとは、ギューインギュインと大きなおとのする、そうじろぼっとのおとが、きゅうにきこえなくなった。
しずかになったへやで、みんなでけーきをたべたの。
あのこたちのぶんはのこってたから、はやくくればいいのにとおもった。
なんとなくおそとをみてたら、さっきあのへやにはいったこたちがいた。
のどをおさえて、くるしそうにしていて、そのあとだいのじになって、おねんねしたみたい。
あきせんせいは、
「いけっねえ、カーテン忘れてた」とあたまをかいていた。
ぼくにないしょねって、しーってくちにゆびをあてて、わらっていた。
ぼくは「うん」って、くびをうごかした。
あれからも、いなくなったこがいた。
あるとき、はるせんせいが、
「やっと半分に減ったね。これなら十分食料間に合うよ。取り合えず、出口施錠しちゃうからね」っていっていた。
「ちょっと減りすぎだ。だいたいが子供は1人で冒険しないから、減る時はまとめて減る。これから病気で個体が減らないようにしないと」
あきせんせいは、なんだかしんぱいそうだった。
「いつも母星に着く前に、宇宙病(環境に耐えられず)で急死する子が数人いる。大気圏の突入に弱い個体は耐えられないぞ」
さらにこたいはへるだろうと、あたまをかかえていた。
あまりすくなくなると、かんりふてきせつとなるらしい?
なんとなく、たいへんなことがおきそうだとおもったけど、ぼくにはなんにもできない。
あれから20年が経った。
僕は母星の国で、秘書官をしている。
最近、ずっと眠っていた夏先生が眠りから覚め、春先生と秋先生を殺人容疑で訴える裁判が行われている。
意識不明だった夏先生は、秋先生に殴られたせいで死の境をさ迷っていたらしい。
母星に着いた時、直ぐに病院に引き渡されたことで、夏先生は生き延びたのだ。
冬先生は狂気染みた2人に、他言したら家族に危害を加えると言われ、今まで沈黙を貫いていたらしい。
乗船していた子供だった僕達も、事情聴取で警察に呼ばれた。そして裁判の傍聴席にも座らされた。
あの時の僕は、滅亡する惑星から避難船に乗せられ、母船を目指していた。
冬先生はパイロット。
春せんせいと秋先生は乗務員。
夏先生は副パイロット。
元々母船には子供が50人と連絡があり、3ヶ月間無菌シェルターで隔離していた避難民を迎えに、避難船が来た。
シェルターに入れるのは子供50人だけで、6才以上の人間は激しい自然災害で死滅していた。
その50人はその星の最期の希望だった。
それなのに春先生と秋先生は、絶滅危惧種になるからとある生物を乗り込ませた。
『ライオン』だった。
裏ルートで売り捌いて、大金を得ようとしたのだ。
長い移動期間で食料は限られている。
避難民用の食料をライオンに与え、不足になった分を子供を減らすことで賄おうとした。
完全に施錠している筈のエアロックを解錠し、子供達を宇宙に放ったのだ(子供達が扉を開けたかもしれないが、判断のつかない年齢の子が誘導されたのだから同義だ)。
本来なら、緊急じゃなければ開かない扉が、人間の悪意で開いてしまった。
※エアロック:気圧の異なる場所を人や物が移動するときに、隣り合う室内の圧力差を調節する機能を持った出入り口として使用する通路あるいは小部屋。宇宙空間に出る時、この扉から出ることになる個室。
子供は好奇心旺盛だ。
駄目と言われたら、行ってしまうだろう。
裁判での先生達の言い分は、自分本意なものだった。
「駄目と言ったのに行ったのだから、子供も悪い。協調性のない子だから、何れこうなった」
そう裁判で証言し、非難轟々である。
それにしても、何故成功すると思ったのだろう?
私利私欲の為に子供を殺した殺人鬼。
春先生と秋先生は恋人同士で、もう避難船に乗りたくなくて犯行に及んだそう。
先生達も、他の星から避難した記憶を持っていた。
避難船から母船に移動し、救援が終わってから幾つかある、人が住める母星に帰還する。
母船には大怪我をした人や、家族と死に別れて悲しい思いをした人がたくさんいて、体以外何もない喪失感が忘れられないと言う。
もう避難船に乗りたくなかった。
思い出したくなかったと。
「でも元から母星にいる人とは待遇が違う。
選べる仕事も限られている。母星にいる人は避難船になんて乗ることはないだろう」と、春先生は泣き叫んでいた。
秋先生は、完全に巻き込まれたと言う。
それでも、止めるチャンスはあっただろうに。
ねんねばかりしているなつせんせいこと、夏先生は2人を止めて殴られて意識不明になり、医療用のコールドスリープで眠っていた。
冬先生がそうしなければ操縦しないと2人に言って、2人は渋々入れたそうだ。
本当は証人になる彼女を、宇宙に捨てたかったそうだ。
2人がどんな判決になるかは分からない。
もう知りたくない。
僕はあの時、エアロックに行く子を止めれば良かったのだろうか?
何度も失敗すれば、先生も辞めたかもしれない。
それとも止めなかったから、今生きているんだろうか?
答えは出ない。
でももし避難船で死んでも、きちんとした棺に入れられて流されるらしい(時間と共に宇宙空間に溶ける素材らしいから、(棺が宇宙に)溢れることはないと言う)。
あの子達は、生きたまま宇宙で死んでしまった…………
宇宙船の窓に映った死体は、僕だったかもしれないのだ。
僕はもう宇宙に出たくない。
だから死ぬ気で勉強して、母星に残る仕事を得たのだ。
あの暗い空間を、僕は恐れているのだ。
いや、恐れているなんて言葉で言い表せない。
“あそこに行くなら、
死んだ方がいくらかましだ”
大人になってから、先生達のあの行動の真意が分かり、酷く恐ろしかった。
人の悪意と宇宙の暗闇に舞う友人達……。
きっと僕が何か言っても、子供の言うことは夢や空想だと片付けられたことだろう。
そして僕は女を見る目がない。
人間は狭い空間の中で、一番優れている異性を探すと言う。
同じくらいの年齢で、春先生を好んだ者は居なかった。
なんか、あの先生怖いと言われていたし…………。
だから僕は、結婚するならお見合いか、生涯独身でいる方が良いだろう。
春先生のような悪女と、出会わないように。
―――――――秋先生は出会ってしまった。
優しかった秋先生は、美しい悪女に捕まってしまった。
ねえ先生?
貴方は幸せだったの?
孤独は辛い………………
いつか幸せと思える日が、来るのだろうか?
「だってさ…ライオ……死んじゃ…………」
ここには、おとながすくない。
はるせんせいと、あきせんせいと、いつもここにいないふゆせんせいと、おねんねしてるなつせんせいだけ。
あとは3さいから、5さいのこどもが50にん。
ぼくは4さい。
『ここ最近には珍しく、多くの個体が残ったらしい』ってあきせんせいがいってたけど、どういうことかはわからない。
「個体を管理しないと、母船に戻るまで食料がもたない…………」
ぼくははるせんせいがすきだから、ほかのことあそびながら、いつもせんせいのことをみたりきいたりしているの。
いちどついてあるいていたら、
「この子は協調性がないのかしら? マイナスポイントね」と、つめたいめでみられてからは、みんなとあそぶようにしてたの。
そしたら「協調性の問題はないみたい」とあんしんしていたので、あんまりそばにいってないの。
はるせんせいに、きらわれたくない。
あるひ、はるせんせいがいったの。
「この部屋にあるドアは、危ないから絶対開けちゃだめよ」って。
「「「はーい」」」ってみんな、おおきなこえでおへんじ。
ぼくはちゃんと、いうことをきくよ。
でも、ぼくよりからだのおおきなおとこのこと、おんなのこと、おとこのこが、そのへやへいこうとしていたの。
だからぼくは、はるせんせいにつたえたの。
そしたら、
「◯◯は偉いね、良い子」となでてくれたの。
ぼくはうれしくてうれしくて、ニコニコになった。
それから「先生と絵本を読みましょう」って。
「はーい」
ぼくはせんせいとえほんをよんで、ねむってしまった。
つぎのひ、あのへやにはいったこが、しょくどうにいなかった。
ぼくは、せんせいにおこられているのかなとおもった。
なんにちかたって、またあのへやにはいったこたちがいた。
せんせいにおこられたら、かわいそうだとおもったので、こんどはせんせいにいわなかった。
あきせんせいが、みんなこっちでおやつをたべようと、ちがうへやにみんなをよんだ。
あのこたちは、よばなくていいのかなとおもった。
まよったけど、よばなかった。
ぼくはあのへやがこわいから、いきたくない。
さいごに、あきせんせいのよんだへやにはいったら、かちっとおとがした。
そのへやだけ、みみをふさいだみたいに、きゅうにしずかになった。
そのあとは、ギューインギュインと大きなおとのする、そうじろぼっとのおとが、きゅうにきこえなくなった。
しずかになったへやで、みんなでけーきをたべたの。
あのこたちのぶんはのこってたから、はやくくればいいのにとおもった。
なんとなくおそとをみてたら、さっきあのへやにはいったこたちがいた。
のどをおさえて、くるしそうにしていて、そのあとだいのじになって、おねんねしたみたい。
あきせんせいは、
「いけっねえ、カーテン忘れてた」とあたまをかいていた。
ぼくにないしょねって、しーってくちにゆびをあてて、わらっていた。
ぼくは「うん」って、くびをうごかした。
あれからも、いなくなったこがいた。
あるとき、はるせんせいが、
「やっと半分に減ったね。これなら十分食料間に合うよ。取り合えず、出口施錠しちゃうからね」っていっていた。
「ちょっと減りすぎだ。だいたいが子供は1人で冒険しないから、減る時はまとめて減る。これから病気で個体が減らないようにしないと」
あきせんせいは、なんだかしんぱいそうだった。
「いつも母星に着く前に、宇宙病(環境に耐えられず)で急死する子が数人いる。大気圏の突入に弱い個体は耐えられないぞ」
さらにこたいはへるだろうと、あたまをかかえていた。
あまりすくなくなると、かんりふてきせつとなるらしい?
なんとなく、たいへんなことがおきそうだとおもったけど、ぼくにはなんにもできない。
あれから20年が経った。
僕は母星の国で、秘書官をしている。
最近、ずっと眠っていた夏先生が眠りから覚め、春先生と秋先生を殺人容疑で訴える裁判が行われている。
意識不明だった夏先生は、秋先生に殴られたせいで死の境をさ迷っていたらしい。
母星に着いた時、直ぐに病院に引き渡されたことで、夏先生は生き延びたのだ。
冬先生は狂気染みた2人に、他言したら家族に危害を加えると言われ、今まで沈黙を貫いていたらしい。
乗船していた子供だった僕達も、事情聴取で警察に呼ばれた。そして裁判の傍聴席にも座らされた。
あの時の僕は、滅亡する惑星から避難船に乗せられ、母船を目指していた。
冬先生はパイロット。
春せんせいと秋先生は乗務員。
夏先生は副パイロット。
元々母船には子供が50人と連絡があり、3ヶ月間無菌シェルターで隔離していた避難民を迎えに、避難船が来た。
シェルターに入れるのは子供50人だけで、6才以上の人間は激しい自然災害で死滅していた。
その50人はその星の最期の希望だった。
それなのに春先生と秋先生は、絶滅危惧種になるからとある生物を乗り込ませた。
『ライオン』だった。
裏ルートで売り捌いて、大金を得ようとしたのだ。
長い移動期間で食料は限られている。
避難民用の食料をライオンに与え、不足になった分を子供を減らすことで賄おうとした。
完全に施錠している筈のエアロックを解錠し、子供達を宇宙に放ったのだ(子供達が扉を開けたかもしれないが、判断のつかない年齢の子が誘導されたのだから同義だ)。
本来なら、緊急じゃなければ開かない扉が、人間の悪意で開いてしまった。
※エアロック:気圧の異なる場所を人や物が移動するときに、隣り合う室内の圧力差を調節する機能を持った出入り口として使用する通路あるいは小部屋。宇宙空間に出る時、この扉から出ることになる個室。
子供は好奇心旺盛だ。
駄目と言われたら、行ってしまうだろう。
裁判での先生達の言い分は、自分本意なものだった。
「駄目と言ったのに行ったのだから、子供も悪い。協調性のない子だから、何れこうなった」
そう裁判で証言し、非難轟々である。
それにしても、何故成功すると思ったのだろう?
私利私欲の為に子供を殺した殺人鬼。
春先生と秋先生は恋人同士で、もう避難船に乗りたくなくて犯行に及んだそう。
先生達も、他の星から避難した記憶を持っていた。
避難船から母船に移動し、救援が終わってから幾つかある、人が住める母星に帰還する。
母船には大怪我をした人や、家族と死に別れて悲しい思いをした人がたくさんいて、体以外何もない喪失感が忘れられないと言う。
もう避難船に乗りたくなかった。
思い出したくなかったと。
「でも元から母星にいる人とは待遇が違う。
選べる仕事も限られている。母星にいる人は避難船になんて乗ることはないだろう」と、春先生は泣き叫んでいた。
秋先生は、完全に巻き込まれたと言う。
それでも、止めるチャンスはあっただろうに。
ねんねばかりしているなつせんせいこと、夏先生は2人を止めて殴られて意識不明になり、医療用のコールドスリープで眠っていた。
冬先生がそうしなければ操縦しないと2人に言って、2人は渋々入れたそうだ。
本当は証人になる彼女を、宇宙に捨てたかったそうだ。
2人がどんな判決になるかは分からない。
もう知りたくない。
僕はあの時、エアロックに行く子を止めれば良かったのだろうか?
何度も失敗すれば、先生も辞めたかもしれない。
それとも止めなかったから、今生きているんだろうか?
答えは出ない。
でももし避難船で死んでも、きちんとした棺に入れられて流されるらしい(時間と共に宇宙空間に溶ける素材らしいから、(棺が宇宙に)溢れることはないと言う)。
あの子達は、生きたまま宇宙で死んでしまった…………
宇宙船の窓に映った死体は、僕だったかもしれないのだ。
僕はもう宇宙に出たくない。
だから死ぬ気で勉強して、母星に残る仕事を得たのだ。
あの暗い空間を、僕は恐れているのだ。
いや、恐れているなんて言葉で言い表せない。
“あそこに行くなら、
死んだ方がいくらかましだ”
大人になってから、先生達のあの行動の真意が分かり、酷く恐ろしかった。
人の悪意と宇宙の暗闇に舞う友人達……。
きっと僕が何か言っても、子供の言うことは夢や空想だと片付けられたことだろう。
そして僕は女を見る目がない。
人間は狭い空間の中で、一番優れている異性を探すと言う。
同じくらいの年齢で、春先生を好んだ者は居なかった。
なんか、あの先生怖いと言われていたし…………。
だから僕は、結婚するならお見合いか、生涯独身でいる方が良いだろう。
春先生のような悪女と、出会わないように。
―――――――秋先生は出会ってしまった。
優しかった秋先生は、美しい悪女に捕まってしまった。
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