9 / 11
一人静か
しおりを挟む
ここは地の底、牢の中。
独房なのか分からないが、周りに物音は聞こえない。
電気は常についているが、日の光は届かないようだ。
今が朝だか、夕だか、それとも夜中なのかもわからない。
そして自分の名前もわからない。
どうしてここにいるのかさえ。
……何故ここが牢なのかは、あの人が教えてくれた。
僕とちょっとだけ形の違う人だった。
昔、ある星で人同士が争い、数十人だけが生き残った。
その数十人で子を増やし、村ができて町ができて。
でもまた争いが起きて、今度は全員亡くなったんだって。
僕と形の違う人は、まだ形のある亡くなった人を、冷凍保存して持ってきたそうなんだ。
一度クローン技術? で、人を増やしたけれど、また争いが起こって死んでしまったんだって。
………………僕以外は。
僕はみんなが争っている時、一人で本を読んでいたらしい。
形の違う人は、本当はもう人は再生しないつもりでいたらしいんだ。
今ある冷凍サンプル? で十分だと思ったそうだ。
全員死亡かと思ったら、僕が生きていたらしい。
何かしらの研究ができるかと、念の為連れてきてくれたそうだ。
そのままならば、餓死するからと。
どうやら、人というのは寂しいと死んでしまうらしい。
形の違う人も、誰かから聞きかじっただけで、はっきりはわからないみたい。
ああ、僕は寂しいと死んでしまうのかな?
でも寂しいって、なんだろう?
よくわからないや。
形の違う人もいるし、別に一人ということでもないからだろう。
きっと、形の違う人がいないと、寂しくなる? のかもしれない。
どうやら僕は、異種族に偏見を持たない人らしい。
異種族との交配もいけるかもしれないと、形の違う人と働いている偉い人が言っていたそうだ。
どうやら形の違う人以外にも、人はいるみたいだ。
僕と同種族は僕だけで、さらにクローン? だから、増えるかは実験しないとわからないらしい。
僕がいた星では、人は生体電気で動いていたらしい。
星からの電気をデータ化して、集団で同じように体を動かしていたらしいのだ。
星からのデータを直接受け取っていた時は、生命は今の形ではなく、透明でフニャフニャだったそうなのだ。
星ができて何万年か経つと、個々の脳のネットワークが発達したせいで、電気信号がばらついて自我(心)が発達(ある意味誤作動)したそうだ。
ある程度の集落ができると、その集落ごとにさらにデータが変化していき、元々の星からのデータとは違うものになった。
もう星ができた時と、今の僕とはかなり違ったものになったのだろう。
星からの電気データは受け取れないし、体も昔のように戻れない。
僕の星は、僕達を生んだ時、嬉しかったのだろうか?
そして最後の人がいなくなって、寂しいのだろうか?
もしかしたら、形の変わっていく生命が怖かったかもしれないね。
きっと、星が生まれた時と同じ生命が、今も星にたくさんいるから寂しくないね。
人と同じように、金属? でできた人もいたけれど、人が争った時にメンテナンス? できる人がいなくなって、動かせなくなったんだって。
ああ、今の僕にはわからないことばかりだ。
どうやら、僕の種族? は野蛮らしくて、他の種族? と一緒にできないらしい。
他の星からも、星に住めなくなった種族? がこの船に乗っているらしい。
だから僕は、船底の柵がついている場所に1人でいるみたい。
僕は本さえあれば、何もいらない。
ただ本には、人が星を壊したように書かれている。
本当のことなのだろうか?
そうだとしたら辛いことだね。
でも、もう人がいないなら、治っていくのだろうか?
今度は違う電気信号を送って、争わない人? ができるのだろうか?
もう嫌になって、人なんて作らないのだろうか?
どちらにしろ、もう僕はあの星へは戻れない。
『さよなら星
元気でいてね』
そう心で、星に呟いた。
そして優しい色で描かれた、幸せの絵本を読むのだ。
独房なのか分からないが、周りに物音は聞こえない。
電気は常についているが、日の光は届かないようだ。
今が朝だか、夕だか、それとも夜中なのかもわからない。
そして自分の名前もわからない。
どうしてここにいるのかさえ。
……何故ここが牢なのかは、あの人が教えてくれた。
僕とちょっとだけ形の違う人だった。
昔、ある星で人同士が争い、数十人だけが生き残った。
その数十人で子を増やし、村ができて町ができて。
でもまた争いが起きて、今度は全員亡くなったんだって。
僕と形の違う人は、まだ形のある亡くなった人を、冷凍保存して持ってきたそうなんだ。
一度クローン技術? で、人を増やしたけれど、また争いが起こって死んでしまったんだって。
………………僕以外は。
僕はみんなが争っている時、一人で本を読んでいたらしい。
形の違う人は、本当はもう人は再生しないつもりでいたらしいんだ。
今ある冷凍サンプル? で十分だと思ったそうだ。
全員死亡かと思ったら、僕が生きていたらしい。
何かしらの研究ができるかと、念の為連れてきてくれたそうだ。
そのままならば、餓死するからと。
どうやら、人というのは寂しいと死んでしまうらしい。
形の違う人も、誰かから聞きかじっただけで、はっきりはわからないみたい。
ああ、僕は寂しいと死んでしまうのかな?
でも寂しいって、なんだろう?
よくわからないや。
形の違う人もいるし、別に一人ということでもないからだろう。
きっと、形の違う人がいないと、寂しくなる? のかもしれない。
どうやら僕は、異種族に偏見を持たない人らしい。
異種族との交配もいけるかもしれないと、形の違う人と働いている偉い人が言っていたそうだ。
どうやら形の違う人以外にも、人はいるみたいだ。
僕と同種族は僕だけで、さらにクローン? だから、増えるかは実験しないとわからないらしい。
僕がいた星では、人は生体電気で動いていたらしい。
星からの電気をデータ化して、集団で同じように体を動かしていたらしいのだ。
星からのデータを直接受け取っていた時は、生命は今の形ではなく、透明でフニャフニャだったそうなのだ。
星ができて何万年か経つと、個々の脳のネットワークが発達したせいで、電気信号がばらついて自我(心)が発達(ある意味誤作動)したそうだ。
ある程度の集落ができると、その集落ごとにさらにデータが変化していき、元々の星からのデータとは違うものになった。
もう星ができた時と、今の僕とはかなり違ったものになったのだろう。
星からの電気データは受け取れないし、体も昔のように戻れない。
僕の星は、僕達を生んだ時、嬉しかったのだろうか?
そして最後の人がいなくなって、寂しいのだろうか?
もしかしたら、形の変わっていく生命が怖かったかもしれないね。
きっと、星が生まれた時と同じ生命が、今も星にたくさんいるから寂しくないね。
人と同じように、金属? でできた人もいたけれど、人が争った時にメンテナンス? できる人がいなくなって、動かせなくなったんだって。
ああ、今の僕にはわからないことばかりだ。
どうやら、僕の種族? は野蛮らしくて、他の種族? と一緒にできないらしい。
他の星からも、星に住めなくなった種族? がこの船に乗っているらしい。
だから僕は、船底の柵がついている場所に1人でいるみたい。
僕は本さえあれば、何もいらない。
ただ本には、人が星を壊したように書かれている。
本当のことなのだろうか?
そうだとしたら辛いことだね。
でも、もう人がいないなら、治っていくのだろうか?
今度は違う電気信号を送って、争わない人? ができるのだろうか?
もう嫌になって、人なんて作らないのだろうか?
どちらにしろ、もう僕はあの星へは戻れない。
『さよなら星
元気でいてね』
そう心で、星に呟いた。
そして優しい色で描かれた、幸せの絵本を読むのだ。
1
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる