俺達の行方【続編】

穂津見 乱

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一途な剛の想い

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剛のまったりとした甘いキス。先程までの激しさとは違い、ゆったりと味わうように、優しく愛おしむように、俺の口唇を包み込んでくる。半ばうっとりしながらも、疼き始めた股間が気になる。

「なぁ…、剛…?」

「……ん?何、弘人?」

「もう…そろそろか…?」

剛の興奮も高まっている。俺の股間も熱くなってきている。目的は挿入にあるのだ。それを考えない訳にはいかない。剛の受け入れ態勢が気になる。

「まだ、もうちょっと。…お前が感じてくれるのがすげぇ嬉しい。興奮してるけど、さすがに…4回目だな。」

剛が軽く笑って言う。病み上がりの身体で殆ど飲み食いしていないのだ。精力は強くても回復には時間がかかるらしい。

「剛、無理はするなよ…。」

その身体を優しく抱きしめてやる。

「弘人、ありがとな。お前も無理してないか?」

「してないよ。」

「なぁ、どこが感じる?やるなら弘人には出来るだけ感じて欲しいからな。お前が感じるようにしてやるから言ってくれ。」

俺の身体に寄り添うように横たわり、ソフトな口調で語りかけてくる。その指先は愛おしそうに俺の乳首を撫で続けている。

「……乳首って…こんなに感じるんだな…。ちょっとビックリした。前の時よりも…なんか違う感じがした。」

「あれから1年以上も触ってない。それに、あの時は指しか使ってないし、お前に触るのも初めてだったからな。だから、今日はたっぷりな。……フフッ。今も感じるか?」

「……お前、エロい。それに意地悪。」

「……フフッ。じゃあ、今度じっくり俺のを試してみるか?」

「分かった。お前のやり方を参考にする。」

「フフッ…。俺もお前に触られるの嬉しいからな。楽しみにしてるぜ。」

「何か…すげぇ話してるよな。」

「でも、俺は大事だと思うぜ。弘人と一緒に感じたいし、一緒に気持ち良くなりたい。俺がイク時は、お前もイカせたい。自分だけってのは嫌だからな。」

「……うん、そうだな。」

「俺が独りで抜くのは…お前に手ぇ出さない為だ。」

「……それは、まぁ…、俺もだけど。」

「……フフッ。白状するとな…、どうやったら弘人が気持ちいいか?とか考えながらやってる。我ながら変態的…?」

剛がクスクス笑いながら話してくれる。そこまで俺の事を考えて想いを寄せてくれている。それを素直に伝えてくれる。変なイヤらしさや自分の欲望だけではなく、常に俺在っての事なのだと知る。

普段はあっけらかんとして見えるが、その内に秘めた情熱、その一途な想いが全て俺に向けられている。俺の知る限りで、ここまで一途な男は居ないだろう。

《やっぱり、どうあっても剛には敵わねぇな…》

思わず顔がニヤけて嬉しい笑いが込み上げる。

「………フフフッ。」

「何だよ…?笑うなよ。これでも俺は真面目に考えてんだぜ。ただのエロじゃねえよ。」

「………ありがとな。」

自分の欲望を抑えながら受容的に包み込んでくれる。そして、さり気なくリードしてくれる。経験が無い割に攻め方が上手いのは陰ながらの努力もあるらしい。そして、男の本能的に備わったものがあるのかもしれない。

《剛ってすげぇな…!これで経験無しって…?俺よりも男としてはエロいよな?》

剛がその気になれば女の一人や二人抱いていてもおかしくはない。やろうと思えば充分可能だろう。同級生の中には夏休みに経験した奴等も居るのだ。女を抱かないからといって男に興味がある訳でもない。

日々、俺の為に研究しているという事なのだろう。男として好きな相手を抱きたいという素直な愛情表現。男同士のセックスに当てはめると「攻め」であり、決して「受け」ではない事も分かる。それでも俺を受け入れようとしてくれているのだ。

《無理はさせたくない。出来る限り剛の想いを大切にしたい。その想いに応えたい。俺も負けてらんねぇ!》

「剛…?」

剛と寄り添ってイチャイチャしている恋人同士のまったり感。このままずっとこうしていたい気持ちもあるが、そういう訳にもいかないのだ。ずっと剛の指先が軽く手遊びするように乳首に戯れついているのだ。中途半端に興奮している身体がウズウズする。

「弘人、お前はどうすれば興奮する?」

「俺か?俺は…、剛が興奮する姿だな。お前が興奮しないと俺も興奮しない。それに、お前の色気に弱いの知ってるだろ…?」

「弘人のエッチ~!」

「お前ほどじゃねぇ!」

素直に答えた俺にふざける剛。思わずムキになる。

《しまった!ムキになってる場合じゃねぇ!》

「弘人、お前に対してだけだぜ。他には目が行かねぇ。ずっと…お前だけを見てたからな。」

ふざけた後の真面目な表情、熱っぽい瞳が俺を見つめる。その目が俺を誘っている。

「……分かってるよ。だから、俺もそれに応えたい。」

「じゃあ、もっと俺を興奮させてくれよ。なぁ…、弘人。どこがいい?どんな風にして欲しい?」

剛が低い声で迫ってくる。

「あっ…!」

クイッと乳首を摘まれてビクッとなる。

「ここ?まだやる?それとも他にする?」

弄られ続けて勃っている左乳首を指先で軽く弾いてくる。少し意地悪そうにニヤリと笑い、わざと挑発している。俺の言葉を待っているのだ。

《よし!俺がリードしてやる!》

「もっと触ってくれ。お前が左ばっかり触るから、こっちが疼いて仕方ねぇ…。」

剛の手首を掴んで右の乳首に誘導する。俺も挑発するようにニヤリと笑い返す。

「いいぜ、弘人。思いっ切り感じてくれよ。」

剛が俺の身体の上に跨がり覆い被さってくる。エロモード全開だ。
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