俺達の行方【続編】

穂津見 乱

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いざ、リトライ!

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俺の身体に跨がり真上から覆いかぶさってくる剛が大胆に荒々しく攻めてくる。

両方の乳首を同時に刺激されて感度が増す。左だけ弄られ続けてウズウズしていたせいか、右の乳首の反応は早かった。それでも執拗に攻めてくる指先と口唇と舌に背中までゾクゾクして感じてしまう。

「ああっ!剛…、さっきよりも感じる…。んっ……、ぁあ…っ…、すげぇ気持ちいい……。」

「弘人…、俺もすげぇ興奮する。……もっと感じてくれ。すげぇいいよ。」

興奮した剛は、まるで、捕らえた獲物を身体の下に引き込んでむしゃぶりつく黒豹の如し。普段の優しい剛とは違い、野生的な雄を感じさせる。そして、より強く激しく求めてくる。

「あぁ…っ…、剛…、感じる…、あっ…あ……、もっと…、剛…、もっと……。」

剛の興奮に飲み込まれるように、俺も目を閉じて身体に感じる剛の口唇や舌の感触、手や指先の動き、それが与えてくれる快感に素直に応える。
そして、手を伸ばして触れられるその腕や肩、肩甲骨や脇腹、髪の毛、感じ取れる全てに愛おしく指を這わせ抱き寄せる。口唇が届く場所には手当たり次第に口づける。

「弘人、すげぇいいよ。お前の身体、全部舐めたい。」

「ぁあ…、バカ…やめろ…っ…、んぅ…。」

「弘人、好きだ。……好きだ…。」

「俺も……、んんっ……、はぁ…ぁ……」

剛の攻めは激しくもあり優しくもあり。時折、グッと強く抱きしめてくれる。それだけで全身がジーンと熱く痺れる。剛の腕に抱かれて波に乗っているように気持ちが良くて幸せになる。

《剛…、俺、すげぇ幸せ……》

激しい攻めの荒波が去り、少し落ち着いた雰囲気の剛が戯れついてくる。身体の所々にチュッチュッと吸い付いてはキツく吸われてキリリと痛む。その後に何度も舌でレロレロと舐めてくる。デカイ犬が戯れついて噛みついて舐めてくるみたいに可愛らしい。

「剛、お前、犬みたい。すげぇ可愛い。」

「何だよ?いいだろ。俺のキスマークいっぱいつけつけたい。」

「えぇ?!バカ…やめろ…っ……んぅ…」

「少しだけ……我慢しろ……」

左乳首の少し下、心臓の辺り…キツくキツく吸い上げられる。鋭い痛み、痛すぎて身を捩る。

《痛い~!痛い!やりすぎだろ~!》

「ぅう…っ、痛…っ……痛ぃ……剛…」

「………れる……な…、………て……ろ…」

痛みに抗う俺の耳に聞こえた剛の小さな声。ハッキリとは聞こえなかった。更に何度もキツく吸い上げてくる口唇、その頭を掴んで引き離す。

「剛、痛いって!もういいだろ?!…何だよ…?どう……っ、ああっ!…んっ…ぅ…」

再び乳首を攻められて身悶えた俺。「どうした?」と聞き返そうとした言葉が途切れて、再び快感の波に飲み込まれる。

ビンビンに勃った乳首を淫らに舐めてくる舌、ねっとりと絡みつくような動き、尖った舌先で突付かれる。唾液でヌルヌルと滑る指先、摘んで軽く擦り上げられクイクイと刺激される。

《気持ちいい…。ヤバイ…乳首がすげぇ感じる…。もう…訳分かんねぇ…!》

「あぁ……、もっと…強く……、それイイ……。剛……、もっとやって……。」

「いいぜ…弘人、もっともっと俺を感じてくれよ。」

グイッと身体を抱き起こされて更に激しく吸い付いてくる、背中からお尻や太腿にまで手が這いまわり全身がゾクゾクする。背後からも抱きしめられて、うなじや背中にも吸い付いて舌を這わせてくる。後ろからまわった手が乳首をグイグイ刺激してきてビリビリ感じてしまう。
剛の巧みな攻めに翻弄されてしまう俺。

「剛…、あぁ…っ…、やめ…っ…、んっ、ぅぅ……、はあぁ…っ、剛……」

震える肌、身を捩る、ビクビク痙攣する筋肉、身体の奥まで熱くなる。大きく息をする、喉が詰まる、声が漏れる、興奮する、胸が高鳴る。

俺を抱きしめてくる身体、熱くなる肌、力強い腕、その熱い昂ぶり。その激しい情熱に包み込まれる。

《俺の愛おしい恋人…大好きだ!》

「剛、俺もお前を抱きしめたい。こっちに来て…ギュッとして…。」

「弘人…。」

剛の身体が俺を包み込んで強く抱きしめてくる。重なり合う胸、密着する肌、身体中がジーンと熱くなる。お互いの胸の鼓動が重なり合い響き合う。全身に感じる幸せ…。


俺の股間に感じる剛の昂ぶり。触れ合う局部の熱が上がる。

「弘人…。」

低くて甘い剛の囁き。その腰がゆっくりと動く。押し付けるように擦りつけてくる熱い昂ぶり。

《うわっ!ヤバイ…気持ちいい!》

「ああっ!……んんっ…、剛…、それヤバイ……。」

剛の身体の下で小さく身悶える。

「弘人…。お前のを完全に勃たせるからな。手でやるよりこっちの方がいいだろ?俺も…すげぇ感じるから…。」

その熱い身体にしっかりと抱きしめられて密着する下腹部、寄り添ってくる剛の興奮と俺の興奮が混ざり合う。

「弘人…好きだ。好きだよ…弘人…。俺を感じてくれ…。」

その声が低くかすれて震える。切なげに甘く漏らす熱い吐息。緩やかに動く腰が吸い付いてくる。

「すげぇ…気持ちいい…。あぁ…っ…、ん…ぅう……っ……」

気持ち良くて身体が震える。剛によってジワジワと刺激される我が身が更に熱を帯びてゆく。剛もそれを感じながら受け入れる準備をしているのだろう。自分が突っ込むわけではないのだから、衝動のままに動けないのだ。タイミングを図っているのだろう。


「ハァ…ハァ…ハァ……、弘人…、少し動くから……ヤバくなりそうなら言え。」

ベッドに腕をついて少し上体を起こした剛はいよいよ本番に向かう覚悟を決めたらしい。その呼吸は少し乱れている。剛にとっても初めての経験なのだ。その身体から僅かな緊張が伝わってくる。

「剛…、ちょっと待て。このまま続けられたら俺がもたなくなる。」

「ああ、分かってる。その前に一気に挿れる。」

剛の腰が吸い付くように動きを速めてゆく。強引にやるつもりらしい。剛の性格上、今度は待った無しなのだろう。剛の興奮度は上がっているが、身体の受け入れは別の話だろう。自ら挿れるとはいえ、このままではかなり無理をするはずだ。

《クソッ!俺が上手く出来なかったからだ。あんな状態で一気に挿れるなんて無理だろ!?》

ここまで来て剛がやめるはずはない。気持ち良くとはいかないが、少しでも痛みは少ない方が良い。剛の興奮を高めたまま秘部の状態を探って解してやるのが俺の役目だ。

《剛を挑発しながらやるしかないだろ!》
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