俺達の行方【続編】

穂津見 乱

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昨夜のリベンジ

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「………。……分かった。ちょっと待ってろ。」

少し躊躇った後、剛は部屋のカーテンを閉めに行った。そして、羽織っていた上着を脱ぎながら戻って来る。膝でベッドに乗り上がると勢い良くTシャツを脱ぎ捨てた。

その上半身が露わになる。首元に光るネックレスがユラユラと揺れてキラキラ輝く。相変わらず引き締まったしなやかな肉体。その広い胸に抱き寄せられて、直に触れ合う肌が熱くなる。俺の胸がキューンとしてドキドキが増してゆく。

「弘人。」

名を呼ばれて見上げる俺の口唇に剛のキスが舞い降りる。軽く吸い付かれて柔らかな舌が口唇を割って入ってくる。先程よりも性急で熱いキスだ。徐々に食いつかれるように激しくなる。両手で俺の頬を包み込み、何度も味わうように深く侵入してくる舌に翻弄されて息が苦しくなる。

「んん…っ…、ん…んっ…、はぁ…、剛…、ぁ……ん…っ…、剛……」

剛の身体にしがみついて俺も夢中でその口唇と舌を求める。
腹部に感じる剛の昂りが興奮度を上げてゆく。俺の口唇を奪いながら、剛が片手でズボンと下着を引き下げる。そして、解放された男根が勢い良く飛び出した。

「弘人、少しだけ舐めてくれ。」

興奮した荒い息、やや上ずった声、野生の雄が顔を出す。

ベッドの上で膝立ちになった剛のその身を口に咥える。左腕で上半身を支えながら、右手と口で目一杯に愛撫する。

「ぅ………、はぁ……ぁ……、弘人……」

興奮した息づかいと小さく漏れる声。昨夜は抜いていないのだろう、キスだけでかなり興奮していたそれは一気に勢いを増す。目一杯に口に含んで吸い付くようにしながら頭を前後に動かしてみる。やはり難しいが、剛の興奮に煽られた俺は夢中になる。

「ぁぁ…っ…、弘人…、もういい。無理するな…。」

剛が少し腰を引いたが、俺は更に顔を寄せてこれでもかと食らいつく。

「んぅ……、はぁあ……、弘人……」

「剛、動かせよ。」

俺の中の雄が顔を出す。それが興奮した雄の剛を刺激したのだろう。その両手が俺の頭を包み込み、抑えられない衝動がその腰を突き動かす。荒い息を吐きながら緩やかながらも速度を上げてゆく。苦しくないように奥までは挿れて来ないが、その動きは快感を追いかけ始めている。

「ぁあ……弘人…、弘人…っ」

既に、雄同士のぶつかり合いだ。俺も手と口を使って懸命に愛撫する。先端を口いっぱいに咥えて受け止め、指を絡めて根元を扱き上げる。剛の興奮度がますます上昇してゆくのが分かる。その息づかいが荒く速くなる。

「ん、ん、ん…っ…、ん…、んっ…」

剛の動きに合わせて喉の奥で小さく呻く。大きく口を開け続けている顎が辛くなる。飲み込めない唾液と我慢汁が口から溢れてダラダラと顎を伝い流れる。

「ハァ…ハァ…、弘…人…っ」

雄の本能を剥き出しにしながらも、俺が苦しくならないように手加減してくれている。そんな剛をもっと気持ち良くしてやりたいと思う。

不意に動きを止めた剛の手が俺の腕をやんわりと掴んで静止する。そして、ゆっくりと口内から退いた。

「弘人。」

剛が俺の身体を抱き寄せ、しっかりと抱きしめてくれる。そして、ベトベトに濡れた口唇や顎や喉を優しく舐めとってくれる。チュッ、チュッと甘く吸い付く口唇の音が心地良く響く。激しさの後の優しい行為が俺の脳をますます痺れさせる。

「はあぁ…、あぁ…っ…、ん…っ…、剛…」

吸い付かれる度に身体が震えて甘い声と吐息が漏れる。俺は剛にとろけきってしまう。

《ああ…、もうダメ……溶けそう……》

剛の肩に縋りつき、擦り寄せる腰が勝手に動いてしまう。これが自分だとは到底思えないほどだが、そんな事さえどうでも良くなる。俺は完全にのめり込んでしまっている。

「あぁ…、剛…、剛……」

「弘人、マジで最高。すげぇいいよ。」

ギュッと抱きしめてくれる剛が耳元で低く囁く。その手が俺の股間に伸びてくる。

「弘人もすげぇ興奮してるな。もうイク?それとも…まだやれる?俺が舐めてもいい?」

色気に満ちた声が興奮にかすれて…更に、強烈に誘惑してくる。俺の脳がショートしそうになる。

「あぁ…!剛、もう待てない…ダメ…!」

俺はもう抑え切れない。剛をイカせてやるつもりが、剛に甘えたくて仕方がない。

「分かった。じゃあ、膝立ち出来るか?」

俺を促すと同時に、素早くズボンと下着を脱ぎ捨てた剛が向かい合うように身体を寄せてくる。腰の位置を合わせながら俺を引き寄せるとバスタオルを取り払った。

「弘人、俺の肩に掴まれ。一緒に扱いてやるから気持ち良くなれよ。俺も一緒にイクからな。好きだぜ、弘人。」

「剛…、俺も…好き。」

剛が軽くキスをくれる。俺は剛に縋りつく。2人の昂りが熱く交わり激しくぶつかる。剛の両手がそれを包み込むように一気に加速してゆく。剛と共に昇り詰めてゆく興奮に全身が熱く痺れる。

「あ…、あっ…、あ…あぁ…、剛…!ああっ、剛…、もう…っ……!」

剛の手に全てを委ねて快感だけを追いかける。感極まった俺は夢中で縋りついて声を上げる。

「いいぜ、弘人!俺もだ…!」

息を乱した剛の声、俺に呼応するように同時に頂点まで駆け昇る。

そして、俺達は共に熱く弾けた。


剛の汗ばんだ肌、その熱い肉体、荒い呼吸、そして満足そうな声。

「弘人、もう最高!」

「剛、俺もだ。やっぱりお前は最高の男だな。」

「フフッ。もう…、このままやるか?」

「ダ~メ!せっかくの味噌汁が冷めるだろ?」

「もう冷めてる。温め直すな。」

「ああ、頼む。」

「その前にシャワーだ。弘人、狭いけど一緒に行くか?」

「立ったままなら入れない事もないかな?」

「お前がノボセないように見ててやる。」

「バーカ、シャワーでノボセるかよ?」

「今は、俺にノボセてるだろ?」

「すげぇ自信だな?でも、確かにノボセてるぞ!すげぇ好きだ。お前、最高!」

「俺も、お前にゾッコンだ。好きだぜ、弘人。」

「俺も、ゾッコン!ベタ惚れ!この上なしだ。」

「弘人…。マジ、最高に嬉しいぜ~!も~う、好き、好き、好き、好き~。」

剛が「好き」を連発しながら何度も頬に吸い付いてくる。軽く尖らせた口唇で可愛らしく音を鳴らす。ふざけるように戯れて甘えてくるのは嬉しくてたまらないという剛の愛情表現だ。

《も~う!最高に可愛い奴~!》

そして、俺はますますメロメロになる。やはり、剛には敵わないらしい。剛の最高の幸せが、俺に最高の幸せをくれる。
   
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