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グランシェヴィア帝国
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「久しぶりですわ、帝国へ来るのも」
「この間は来れなかったものね」
「お父様やお兄様も来れたら良かったですのに」
「あらあら、一家で移住でもするのかと思われるわよ?」
お母様が鈴を転がすように笑ってます。
「確かに、ふふっ」
「お話し中失礼致します。皇帝陛下がお見えになられました」
「ティナ!! 会いたかったよっ!」
伯父様が駆け寄って来て抱きしめて下さいますが……
「アル兄様っ! それではフォスティナが挨拶出来ませんわっ」
「伯父様…くるしい…」
離してくれる様、背中をトントンと叩きます。
「あぁ! ごめんよ…大きくなったね、ティナ」
「お久しぶりですわ、伯父様。 お元気そうで何よりです」
「ティナも元気そうで安心したよ…卒業おめでとう」
「ありがとうございます」
「まったく……アル兄様ったらいくら3年以上会ってないからって…」
お母様が呆れてますわ……ふふっ
「シルヴィ…良く来てくれたね、また会えて嬉しいよ」
「今頃ですの? はぁ…わたくしも嬉しいですわ」
「それで――どうなったんだい?」
わたくしは事の顛末をすべて話しました。
「なら、サイラス君は無事にその強制力から抜け出せた訳だね?」
「ええ、わたくしとの会話中も暫く観察していましたけど、大丈夫の様でしたわ」
「そうか…では婚約は継続、で良いのかな?」
「帝国の上位貴族を掻きまわす危険を考えれば、その方がいいと思いますわ…サイラス様の問題も片付きましたし」
「わかった。ならば変更せずその方向で進めよう。……もうじきティナと暮らせるんだね」
「フォスティナが生まれる前からの約束ですものねぇ」
「シルヴィの第2子を私が引き取る……」
そう……わたくしが生まれる前に交わされた約束。
伯父様は子供ができない。
結婚して数年経っても子を授からないことで、魔道具を開発し原因を調べた結果、伯父様の身体に問題があったらしい。
でも、その時には既に前皇帝は亡くなられており、血を継ぐ者は妹であるお母様しかいなかった。
そこで、お父様が猛烈に抵抗したのだけれど、なんとか成人するまでは自分達で育てる事で認めたらしい。
「そういえば、ジャハル様の婚約者はお元気ですの?」
「ああ、今日も王妃教育で来ているはずだよ」
「そうですか、ジャハル様も今までお寂しかったでしょう、もうすぐ自由に会える様になりますわね」
「そうだね。彼女は王妃教育で忙しかったし、ジャハル殿は第一王子だから、ここまで来るのは難しいからねぇ」
「ロベルトとわたくしの所為ですわね…せめて成人までフォスティナと居たいなんて我が儘を通したから」
「何を言うシルヴィ! 親として当たり前の事だよっ。私の方こそ……」
「はいっ! そこまでですわっ。お2人はもうすぐ会えるのですから…ね?」
第一王子の側近で、マティアス・サージェント様の従妹がジャハル様の婚約者なのです。
この帝国の公爵令嬢で、マティアス様の所に遊びに行かれた時、ジャハル様と出会ったらしいですわ。
なのでわたくしが王国で、その御方が帝国で王妃教育を受けるという異例の事態になりましたのよ。
はぁ……本当にややこしいですわ。
「この間は来れなかったものね」
「お父様やお兄様も来れたら良かったですのに」
「あらあら、一家で移住でもするのかと思われるわよ?」
お母様が鈴を転がすように笑ってます。
「確かに、ふふっ」
「お話し中失礼致します。皇帝陛下がお見えになられました」
「ティナ!! 会いたかったよっ!」
伯父様が駆け寄って来て抱きしめて下さいますが……
「アル兄様っ! それではフォスティナが挨拶出来ませんわっ」
「伯父様…くるしい…」
離してくれる様、背中をトントンと叩きます。
「あぁ! ごめんよ…大きくなったね、ティナ」
「お久しぶりですわ、伯父様。 お元気そうで何よりです」
「ティナも元気そうで安心したよ…卒業おめでとう」
「ありがとうございます」
「まったく……アル兄様ったらいくら3年以上会ってないからって…」
お母様が呆れてますわ……ふふっ
「シルヴィ…良く来てくれたね、また会えて嬉しいよ」
「今頃ですの? はぁ…わたくしも嬉しいですわ」
「それで――どうなったんだい?」
わたくしは事の顛末をすべて話しました。
「なら、サイラス君は無事にその強制力から抜け出せた訳だね?」
「ええ、わたくしとの会話中も暫く観察していましたけど、大丈夫の様でしたわ」
「そうか…では婚約は継続、で良いのかな?」
「帝国の上位貴族を掻きまわす危険を考えれば、その方がいいと思いますわ…サイラス様の問題も片付きましたし」
「わかった。ならば変更せずその方向で進めよう。……もうじきティナと暮らせるんだね」
「フォスティナが生まれる前からの約束ですものねぇ」
「シルヴィの第2子を私が引き取る……」
そう……わたくしが生まれる前に交わされた約束。
伯父様は子供ができない。
結婚して数年経っても子を授からないことで、魔道具を開発し原因を調べた結果、伯父様の身体に問題があったらしい。
でも、その時には既に前皇帝は亡くなられており、血を継ぐ者は妹であるお母様しかいなかった。
そこで、お父様が猛烈に抵抗したのだけれど、なんとか成人するまでは自分達で育てる事で認めたらしい。
「そういえば、ジャハル様の婚約者はお元気ですの?」
「ああ、今日も王妃教育で来ているはずだよ」
「そうですか、ジャハル様も今までお寂しかったでしょう、もうすぐ自由に会える様になりますわね」
「そうだね。彼女は王妃教育で忙しかったし、ジャハル殿は第一王子だから、ここまで来るのは難しいからねぇ」
「ロベルトとわたくしの所為ですわね…せめて成人までフォスティナと居たいなんて我が儘を通したから」
「何を言うシルヴィ! 親として当たり前の事だよっ。私の方こそ……」
「はいっ! そこまでですわっ。お2人はもうすぐ会えるのですから…ね?」
第一王子の側近で、マティアス・サージェント様の従妹がジャハル様の婚約者なのです。
この帝国の公爵令嬢で、マティアス様の所に遊びに行かれた時、ジャハル様と出会ったらしいですわ。
なのでわたくしが王国で、その御方が帝国で王妃教育を受けるという異例の事態になりましたのよ。
はぁ……本当にややこしいですわ。
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