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新たな関係と過去の人達
私は、さっき紹介されたカイと仲良くなる為に、リリィに教えて貰った事をしようと思ってます。
そう。 お茶会です。 2人きりだから ”プチお茶会” かな?
「カイ、一緒にお茶しましょう?」
「申し訳ありません。私は侍従ですので」
「あら。今日初めて会ったから親睦を深める為だよ?」
「ですが…」
「為人を知るために必要な事なの。よく知らない人に相談したり頼ったり出来ないでしょ?」
「………………わかりました」
よしっ!勝った。
「今迄なにをしてたの? 誰かの侍従?」
「いいえ。 個人にではなくこの公爵家に仕えてました」
「そうなんだ。 カイは強いの? 護衛って言ってたでしょ」
「はい。 それなりに強いと思っております」
ん~~~。 喋り方が固いなぁ…
「ね、もうちょっと砕けた話し方できる? 慣れてなくて私が話し難いから」
「………………わかった。 けど誰も居ない時だけだ……それでいいか?」
「そうだね、体面もあるからね。 それでいいよ♪」
「お嬢様は記憶を失くしたと聞いたけど、不都合は無いのか?」
「そうだなぁ、有ると言えば有るけど無いと言えば無いなぁ」
「くっくっ……何だそれ」
「貴族らしさが分かんないのが困るトコで、誰も覚えてない事が悲しくない…かな?」
「? 覚えてないのが悲しいんじゃないのか?普通」
「そう? だってそれはこれから覚えれば良いだけでしょ? まぁ、前のセレンディアを知ってる人は、仲が良い人ほど楽しかった思い出を忘れられて悲しいかもしれないね…」
悲しくないのはそれだけじゃないけどね……この家の人達からは暖かい愛情を感じるもん…
「あ…でも、だとしたらセレンディアの家族が一番悲しい思いをしたんだね……セレンディアの記憶、どこ行っちゃったんだろう……」
「っ! そんな辛そうな顔するな。 これからどんどん思い出を作れば良い…」
「うん…」
コンコンコン―――
「お嬢様、リリィです。お客様がお見えになっておりますが…」
「お客様? 私に?」
「はい、ご友人だそうです。此方にお通しして宜しいでしょうか」
「いいわよ?「なら俺は侍従の仕事に戻るぞ」わかった、よろしくね」
友人って私の? 今日はお父様が家に居るから変な人じゃないって事よね…カイも居るし、けど…どんな人だろう。
「やぁ、セレンディア嬢。 俺はグレン・ファリアスタ。 学院での君の友達だよ」
うわぁ…凄い美形な人来たぁ。 何々こんな人と友達なの私。 ってか友達なのに自己紹介するって…
「こんにちは…あの、もしかして父から私の事聞いてるんでしょうか?」
「うん、さっき下で御父上と話してきたよ…大変だったね…」
「あっ! どうぞ、座って下さい。 カイっ!お茶淹れてくれる?」
「畏まりました」
「…ほんとに、以前とは雰囲気が変わったね」
「そんなに違うの?」
「うん、話し方もそうだけど…前より明るくなった感じかな」
「そ、そうなんだ…」
前は雰囲気暗かったのかな……? ん? うわっ!めっちゃ笑ってます。ニッコニコです。うううっ…美形が笑うとこんなキラキラするんだぁ…
「きょ、今日はどうしてここに?」
「流石にひと月も休学じゃあ心配もするさ。 意識の無い君を医療室へ運んだのは俺だしね」
「本当ですかっ、その節はありがとうございました!」
「うん。 それからもし君が学院に戻るなら、微力ながら俺も力になるからと伝えに来たんだよ」
「学院……正直、貴族の子供…子息令嬢と言うのかな、ちょっと不安だったけど…お父様が護衛にってカイを付けてくれたの。 それに、国王陛下からあらゆる不敬罪を無効にするって言質を取ったみたい」
「それは…凄いな…」
「うん。 私もそう思う。 ほら、叩いた王太子が記憶失くした原因でしょ? だから陛下に婚約を白紙撤回して来たって、とぉぉっても良い笑顔で言ってたよ」
「ぶはっ! はははっ!」
あらまぁ、無邪気な笑顔だわぁ…可愛いかも、ふふっ。
「くくっ、くっ、そっ…そうか、婚約を…くくっ、白紙撤回か……」
まだ笑ってる……意外と笑い上戸なのかも、この人。
「はぁぁ…あの王太子にはいい気味だな。 ま、以前の君も政略的な婚約で仕方なくって感じだったし」
「そうなんだ。良かったぁ! 暴力男なんて願い下げだから、前の自分が王太子の事好きじゃなくてホント良かったよ」
あ、またニコニコしてる…よっぽどその王太子の事気に入らなかったんだなぁ。
「ね、あなたの事は普段なんて呼んでたの?」
「ん? グレンでいいよ」
「じゃあ、私の事も呼び捨てで良いよ? セレンディア嬢ってなんかムズムズするし」
「わかった♪ それじゃそろそろ失礼するよ。 またね、セレンディア」
「うん。 またね、グレン」
グレンは上機嫌で帰って行った。
私、あんな友達が居たんだぁ…学院、行きたくなっちゃった……
―――フリードside―――
「は?」
学院から帰るなり、父上から呼び出されて突然告げられた言葉に、間の抜けた返事を返してしまった。
「父上、今何と仰いましたか…」
「聞こえなかったか。 ではもう一度言う…セレンディア・ウィンガザル公爵令嬢との婚約を白紙撤回とする」
セレンディアとの婚約を白紙!? このひと月学院に来ていなかったが、何故突然白紙撤回などと…
「何故ですかっ。 彼女との婚約は幼い頃からの「黙れっ!!」っですが!」
「お前は自分が一体何をしたのか分かっているのかっ!!」
「……っ! 彼女を叩いてしまったのは反省しております…」
「それだけでは無いわっ! セレンディア嬢はお前が叩いた事で倒れて頭を打ち、今迄の記憶を全て失くしたそうだ!」
「…………は?」
父上は今、何と言った…? 記憶が無い…? 私の事を覚えていない…?
「お前やセレンディア嬢の学院での様子は暗部から報告を受けておった」
「…………」
「私は何度も言った筈だな。 態度を改めろと」
「…………」
「婚約者であったセレンディア嬢を虐げてまで、あの様な下位貴族の娘を侍らせて、お前は一体何がしたかったのだ」
「私は……私はっ…」
「お前を暫く謹慎処分に致す。 衛兵! 自室に閉じ込めておけっ!!」
「「はっ!!」」
―――――――――くそっ! 私は、ただ………
そう。 お茶会です。 2人きりだから ”プチお茶会” かな?
「カイ、一緒にお茶しましょう?」
「申し訳ありません。私は侍従ですので」
「あら。今日初めて会ったから親睦を深める為だよ?」
「ですが…」
「為人を知るために必要な事なの。よく知らない人に相談したり頼ったり出来ないでしょ?」
「………………わかりました」
よしっ!勝った。
「今迄なにをしてたの? 誰かの侍従?」
「いいえ。 個人にではなくこの公爵家に仕えてました」
「そうなんだ。 カイは強いの? 護衛って言ってたでしょ」
「はい。 それなりに強いと思っております」
ん~~~。 喋り方が固いなぁ…
「ね、もうちょっと砕けた話し方できる? 慣れてなくて私が話し難いから」
「………………わかった。 けど誰も居ない時だけだ……それでいいか?」
「そうだね、体面もあるからね。 それでいいよ♪」
「お嬢様は記憶を失くしたと聞いたけど、不都合は無いのか?」
「そうだなぁ、有ると言えば有るけど無いと言えば無いなぁ」
「くっくっ……何だそれ」
「貴族らしさが分かんないのが困るトコで、誰も覚えてない事が悲しくない…かな?」
「? 覚えてないのが悲しいんじゃないのか?普通」
「そう? だってそれはこれから覚えれば良いだけでしょ? まぁ、前のセレンディアを知ってる人は、仲が良い人ほど楽しかった思い出を忘れられて悲しいかもしれないね…」
悲しくないのはそれだけじゃないけどね……この家の人達からは暖かい愛情を感じるもん…
「あ…でも、だとしたらセレンディアの家族が一番悲しい思いをしたんだね……セレンディアの記憶、どこ行っちゃったんだろう……」
「っ! そんな辛そうな顔するな。 これからどんどん思い出を作れば良い…」
「うん…」
コンコンコン―――
「お嬢様、リリィです。お客様がお見えになっておりますが…」
「お客様? 私に?」
「はい、ご友人だそうです。此方にお通しして宜しいでしょうか」
「いいわよ?「なら俺は侍従の仕事に戻るぞ」わかった、よろしくね」
友人って私の? 今日はお父様が家に居るから変な人じゃないって事よね…カイも居るし、けど…どんな人だろう。
「やぁ、セレンディア嬢。 俺はグレン・ファリアスタ。 学院での君の友達だよ」
うわぁ…凄い美形な人来たぁ。 何々こんな人と友達なの私。 ってか友達なのに自己紹介するって…
「こんにちは…あの、もしかして父から私の事聞いてるんでしょうか?」
「うん、さっき下で御父上と話してきたよ…大変だったね…」
「あっ! どうぞ、座って下さい。 カイっ!お茶淹れてくれる?」
「畏まりました」
「…ほんとに、以前とは雰囲気が変わったね」
「そんなに違うの?」
「うん、話し方もそうだけど…前より明るくなった感じかな」
「そ、そうなんだ…」
前は雰囲気暗かったのかな……? ん? うわっ!めっちゃ笑ってます。ニッコニコです。うううっ…美形が笑うとこんなキラキラするんだぁ…
「きょ、今日はどうしてここに?」
「流石にひと月も休学じゃあ心配もするさ。 意識の無い君を医療室へ運んだのは俺だしね」
「本当ですかっ、その節はありがとうございました!」
「うん。 それからもし君が学院に戻るなら、微力ながら俺も力になるからと伝えに来たんだよ」
「学院……正直、貴族の子供…子息令嬢と言うのかな、ちょっと不安だったけど…お父様が護衛にってカイを付けてくれたの。 それに、国王陛下からあらゆる不敬罪を無効にするって言質を取ったみたい」
「それは…凄いな…」
「うん。 私もそう思う。 ほら、叩いた王太子が記憶失くした原因でしょ? だから陛下に婚約を白紙撤回して来たって、とぉぉっても良い笑顔で言ってたよ」
「ぶはっ! はははっ!」
あらまぁ、無邪気な笑顔だわぁ…可愛いかも、ふふっ。
「くくっ、くっ、そっ…そうか、婚約を…くくっ、白紙撤回か……」
まだ笑ってる……意外と笑い上戸なのかも、この人。
「はぁぁ…あの王太子にはいい気味だな。 ま、以前の君も政略的な婚約で仕方なくって感じだったし」
「そうなんだ。良かったぁ! 暴力男なんて願い下げだから、前の自分が王太子の事好きじゃなくてホント良かったよ」
あ、またニコニコしてる…よっぽどその王太子の事気に入らなかったんだなぁ。
「ね、あなたの事は普段なんて呼んでたの?」
「ん? グレンでいいよ」
「じゃあ、私の事も呼び捨てで良いよ? セレンディア嬢ってなんかムズムズするし」
「わかった♪ それじゃそろそろ失礼するよ。 またね、セレンディア」
「うん。 またね、グレン」
グレンは上機嫌で帰って行った。
私、あんな友達が居たんだぁ…学院、行きたくなっちゃった……
―――フリードside―――
「は?」
学院から帰るなり、父上から呼び出されて突然告げられた言葉に、間の抜けた返事を返してしまった。
「父上、今何と仰いましたか…」
「聞こえなかったか。 ではもう一度言う…セレンディア・ウィンガザル公爵令嬢との婚約を白紙撤回とする」
セレンディアとの婚約を白紙!? このひと月学院に来ていなかったが、何故突然白紙撤回などと…
「何故ですかっ。 彼女との婚約は幼い頃からの「黙れっ!!」っですが!」
「お前は自分が一体何をしたのか分かっているのかっ!!」
「……っ! 彼女を叩いてしまったのは反省しております…」
「それだけでは無いわっ! セレンディア嬢はお前が叩いた事で倒れて頭を打ち、今迄の記憶を全て失くしたそうだ!」
「…………は?」
父上は今、何と言った…? 記憶が無い…? 私の事を覚えていない…?
「お前やセレンディア嬢の学院での様子は暗部から報告を受けておった」
「…………」
「私は何度も言った筈だな。 態度を改めろと」
「…………」
「婚約者であったセレンディア嬢を虐げてまで、あの様な下位貴族の娘を侍らせて、お前は一体何がしたかったのだ」
「私は……私はっ…」
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「「はっ!!」」
―――――――――くそっ! 私は、ただ………
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