35 / 40
指令2 未知のウイルスから人間を護りきれ!
33:そういうのはいいから放っておいてくれ。
しおりを挟む
麻里菜の顔はたちまち青くなった。
この投稿につけられた動画。かなり見覚えのある人が映っていた。顔も隠されておらず、そもそも着ている制服で特定は容易い。
「…………美晴」
しかも彼女は変化している状態で、妖力を封印するその瞬間までばっちり押さえられている。
「昨日の遅延、美晴が人助けをしてたからなんだ……」
あの後一限の途中に美晴が遅れて学校に来たが、電車の遅延ということで麻里菜も詳しく尋ねようとはしなかった。まさか妖怪に変化して線路に飛び降りて、転落した人を助けていたなんて考えもしない。
変化が銀髪までならまだ『髪を染めている女子高生』で済んだが、耳とヘビつきではそうはいかない。『化け物』である。
あっ、だから帰りの電車で何か視線を感じたのか。
L|NEで美晴に何かを送ろうとしたその時、向こうからちょうどメッセージが来た。
『麻里菜…ごめん。人前で妖力使っちゃった…。しかも顔までバレちゃった…』
『しょうがないよ。バレたからって私も分身も、美晴を責めないよ』
とっさに思いついた言葉で美晴を励ましてみる。
『ただバレるだけなら、この間妖魔界に行って覚悟してきたばっかだからいいんだけど…』
『うん』
しかし、既読がついて一分経っても『…』のあとのメッセージが来ない。美晴はフリック入力が速いはずだ。
『どうした? 大丈夫?』
『ごめん、やっぱり通話しよ?』
そんなにダメージが大きいのかと、麻里菜の胃までキリキリと痛んできた。
すぐに電話がかかってくると、麻里菜はつばを飲みこんでから応答ボタンを押す。
「はいはーい」
「ま……麻里菜……」
美晴は鼻をすすり、涙声だった。
「……たぶんうちの学校の人だと思うんだけど、たまたま見ちゃったの。うっ、うぅぅ……私がレズビアンだってこと、キモいとか人生終わってるとか書かれて……」
は、はぁ? マジかよ。
「どういう書かれ方したのかはその投稿見ないと分かんないけど、それはないよ。それで泣いてるの?」
「うん……。あの時に言われたことを思い出しちゃって」
「そうだよね」
麻里菜が患っている睡眠障害・ナルコレプシーも、なかなか他人に理解されにくいもので、特に頭の硬い顧問には最後まで理解してもらえなかった。『居眠り=やる気がない、我慢が足りない』で通ってきたからだろう。
「前に話したことあると思うけど、私は中学の時に睡眠障害でいじめられて二回不登校になった。今も時々思い出してつらいって感じる時もある。でもさ、言われた言葉を受け流すことも必要なんじゃないかなって。もう分かってるかもしれないけど」
「それが受け流せないの。どうしたらいい?」
うう、困った。私は病気だからって開き直れるんだけどなぁ。
「そっか……じゃあ」
麻里菜は思い切って言ってみることにした。
「いくらレズビアンのことを悪く言われても、私はそんなこと思ったことないし、私を好きならそれでいいじゃん。誰に何言われようと関係ないし、他人にあれこれ言われる筋合いはないよ」
それっぽく言ってみたけど、ちょっとくさすぎたか。
しかし美晴に「うぅぅ……やっぱり麻里菜好きだよぉぉぉぉ!」と大泣きされてしまった。
「だってそうでしょ? それこそ放っておいてくれっていう話。ね?」
「うん」
麻里菜もあれこれと言ってくる同級生に「そんな私の粗探ししてる暇あるなら、自分の楽器の練習すれば?」と突き返したことがある。私が寝てても放っておいてくれ。私が何回寝たか数えてる暇あったら、少しでも授業聞いてテストで点取れよ。と。
ちなみに美晴が見た例の投稿は、『これ、うちの学校にいるレズじゃん! 立てこもり事件の犯人捕まえたからって、調子に乗って同じクラスの人とベタベタしてるのマジ無理! キモいし、男を好きになれないとか人生終わってるww』だった。
その週のうちに、これを投稿した生徒は親とともに呼び出しを喰らい、一週間スマホを学校に没収されたのであった。
それだけではなかった。美晴が人前で変化したことにより、ネット上で話題になっていた『妖魔界とやりとりしている人』が美晴ではないのかとうわさされるようになったのである。
麻『うわぁ、美晴が妖魔界からウイルス持ってきたんじゃないかって言われちゃってる』
蓮『そうなんだよ。俺が書いた記事から抜き取って、「妖魔界とやりとりしている人がウイルスを運んできた」って前々から考えられてたらしいから』
美『違うのにー! 何でー?』
麻『やっぱり異世界と関われるのは普通の人じゃないって考えるからね。そうなるかぁ』
確かに普通ではない。正解である麻里菜は、人間界と妖魔界を自由に行き来でき、魔法も妖力も使え、妖魔界の女王と同一人物である。
むしろこんな人など他にいたら会ってみたいほどだ。
蓮『それは勝手に言わせるとして、麻里菜からもらった資料をもとに考えてたんだけど、妖魔界より人間界の方が技術って進んでるんだよな?』
麻『そうだよ』
蓮『それなら人間界にあって妖魔界にないものなら、ウイルスを死滅できるかもしれない』
美『マ?』
麻『マジで!?』
どうしたらそんな発想になるんだよ……。
蓮『女王に相談してくれないか? ポラマセトウイルスが苦手なものというか、弱点というか』
麻『なるほど……言ってみる』
ここ二週間ほど蓮斗から目立った情報は入ってきていなかった。そのことを考えていたのかもしれない。
麻里菜は雪の結晶型ペンダント・サフィーに、声を吹きこんだ。
「蓮斗が『人間界にはあって妖魔界にないものなら、ウイルスを死滅できるかも』って言ってたの! ポラマセトがこういうのに弱いとかあったら教えて!」
そしてマイから返ってきたのは意外なものだった。
「あるにはあるといえるかもだけど、重要な情報が手に入ったからこっち来てくれる?」
わざわざ呼び寄せるということは、かなり重要なことなのだと確信する。
ぜひ人間界にも広めてほしいという情報だという。そんなに重要な情報なのに広めて大丈夫なのか?
麻里菜はいつものように王城の医務室に赴き、白衣姿のマイと対面する。
「まずは麻里菜からの質問に答えようか。あるにはあるって答えたけど、ポラマセトはどうやら電波に弱いらしいの。電波っていっても特定の周波数に限るんだけど」
「電波に弱いなら、人間界じゃすぐにポラマセトなんて殺せちゃいそうだけど?」
「それが違うの。弱かったはずなんだけど、遺伝子操作で耐性がつけられたらしい。それで電波には強くなっちゃって」
マイは「遺伝子操作の話が出たから言っちゃうけど」と前置きをして続いた。
「人間界から戻ってきた、元『ルイナ』の組員からついに吐かせられた。やっぱりポラマセト、バイオテロのために妖魔界から持ち出したんだって!」
「やっぱりかぁ……!」
ついに口実ができあがった。麻里菜の中でもやもやしていたものが一気に吹っ切れる。
どうして高齢者をターゲットにしたのかは、まだ分かっていないらしいが。
この後、マイは妖魔界で行った新型のポラマセトウイルスへの実験結果を話してくれた。
まず、遺伝子操作されたウイルスの耐性をなくすには、遺伝子そのものを壊せばいいと考えたらしい。もともと弱点である電波に、ノイズを加えることで遺伝子を破壊し耐性をなくせることを発見したという。
周波数が高いほどノイズが出やすいので、より強いノイズを求めた結果、妖力で練り上げた『音』が一番高いものだと分かった。
「さっき私も一瞬だけやってみたけど、普通にできたから麻里菜もできると思うよ」
「いやいや、妖力で音を出すってやったことないんだけど」
麻里菜は左手を裏ピースさせ、立っている二本指の間に電流を走らせた。
この投稿につけられた動画。かなり見覚えのある人が映っていた。顔も隠されておらず、そもそも着ている制服で特定は容易い。
「…………美晴」
しかも彼女は変化している状態で、妖力を封印するその瞬間までばっちり押さえられている。
「昨日の遅延、美晴が人助けをしてたからなんだ……」
あの後一限の途中に美晴が遅れて学校に来たが、電車の遅延ということで麻里菜も詳しく尋ねようとはしなかった。まさか妖怪に変化して線路に飛び降りて、転落した人を助けていたなんて考えもしない。
変化が銀髪までならまだ『髪を染めている女子高生』で済んだが、耳とヘビつきではそうはいかない。『化け物』である。
あっ、だから帰りの電車で何か視線を感じたのか。
L|NEで美晴に何かを送ろうとしたその時、向こうからちょうどメッセージが来た。
『麻里菜…ごめん。人前で妖力使っちゃった…。しかも顔までバレちゃった…』
『しょうがないよ。バレたからって私も分身も、美晴を責めないよ』
とっさに思いついた言葉で美晴を励ましてみる。
『ただバレるだけなら、この間妖魔界に行って覚悟してきたばっかだからいいんだけど…』
『うん』
しかし、既読がついて一分経っても『…』のあとのメッセージが来ない。美晴はフリック入力が速いはずだ。
『どうした? 大丈夫?』
『ごめん、やっぱり通話しよ?』
そんなにダメージが大きいのかと、麻里菜の胃までキリキリと痛んできた。
すぐに電話がかかってくると、麻里菜はつばを飲みこんでから応答ボタンを押す。
「はいはーい」
「ま……麻里菜……」
美晴は鼻をすすり、涙声だった。
「……たぶんうちの学校の人だと思うんだけど、たまたま見ちゃったの。うっ、うぅぅ……私がレズビアンだってこと、キモいとか人生終わってるとか書かれて……」
は、はぁ? マジかよ。
「どういう書かれ方したのかはその投稿見ないと分かんないけど、それはないよ。それで泣いてるの?」
「うん……。あの時に言われたことを思い出しちゃって」
「そうだよね」
麻里菜が患っている睡眠障害・ナルコレプシーも、なかなか他人に理解されにくいもので、特に頭の硬い顧問には最後まで理解してもらえなかった。『居眠り=やる気がない、我慢が足りない』で通ってきたからだろう。
「前に話したことあると思うけど、私は中学の時に睡眠障害でいじめられて二回不登校になった。今も時々思い出してつらいって感じる時もある。でもさ、言われた言葉を受け流すことも必要なんじゃないかなって。もう分かってるかもしれないけど」
「それが受け流せないの。どうしたらいい?」
うう、困った。私は病気だからって開き直れるんだけどなぁ。
「そっか……じゃあ」
麻里菜は思い切って言ってみることにした。
「いくらレズビアンのことを悪く言われても、私はそんなこと思ったことないし、私を好きならそれでいいじゃん。誰に何言われようと関係ないし、他人にあれこれ言われる筋合いはないよ」
それっぽく言ってみたけど、ちょっとくさすぎたか。
しかし美晴に「うぅぅ……やっぱり麻里菜好きだよぉぉぉぉ!」と大泣きされてしまった。
「だってそうでしょ? それこそ放っておいてくれっていう話。ね?」
「うん」
麻里菜もあれこれと言ってくる同級生に「そんな私の粗探ししてる暇あるなら、自分の楽器の練習すれば?」と突き返したことがある。私が寝てても放っておいてくれ。私が何回寝たか数えてる暇あったら、少しでも授業聞いてテストで点取れよ。と。
ちなみに美晴が見た例の投稿は、『これ、うちの学校にいるレズじゃん! 立てこもり事件の犯人捕まえたからって、調子に乗って同じクラスの人とベタベタしてるのマジ無理! キモいし、男を好きになれないとか人生終わってるww』だった。
その週のうちに、これを投稿した生徒は親とともに呼び出しを喰らい、一週間スマホを学校に没収されたのであった。
それだけではなかった。美晴が人前で変化したことにより、ネット上で話題になっていた『妖魔界とやりとりしている人』が美晴ではないのかとうわさされるようになったのである。
麻『うわぁ、美晴が妖魔界からウイルス持ってきたんじゃないかって言われちゃってる』
蓮『そうなんだよ。俺が書いた記事から抜き取って、「妖魔界とやりとりしている人がウイルスを運んできた」って前々から考えられてたらしいから』
美『違うのにー! 何でー?』
麻『やっぱり異世界と関われるのは普通の人じゃないって考えるからね。そうなるかぁ』
確かに普通ではない。正解である麻里菜は、人間界と妖魔界を自由に行き来でき、魔法も妖力も使え、妖魔界の女王と同一人物である。
むしろこんな人など他にいたら会ってみたいほどだ。
蓮『それは勝手に言わせるとして、麻里菜からもらった資料をもとに考えてたんだけど、妖魔界より人間界の方が技術って進んでるんだよな?』
麻『そうだよ』
蓮『それなら人間界にあって妖魔界にないものなら、ウイルスを死滅できるかもしれない』
美『マ?』
麻『マジで!?』
どうしたらそんな発想になるんだよ……。
蓮『女王に相談してくれないか? ポラマセトウイルスが苦手なものというか、弱点というか』
麻『なるほど……言ってみる』
ここ二週間ほど蓮斗から目立った情報は入ってきていなかった。そのことを考えていたのかもしれない。
麻里菜は雪の結晶型ペンダント・サフィーに、声を吹きこんだ。
「蓮斗が『人間界にはあって妖魔界にないものなら、ウイルスを死滅できるかも』って言ってたの! ポラマセトがこういうのに弱いとかあったら教えて!」
そしてマイから返ってきたのは意外なものだった。
「あるにはあるといえるかもだけど、重要な情報が手に入ったからこっち来てくれる?」
わざわざ呼び寄せるということは、かなり重要なことなのだと確信する。
ぜひ人間界にも広めてほしいという情報だという。そんなに重要な情報なのに広めて大丈夫なのか?
麻里菜はいつものように王城の医務室に赴き、白衣姿のマイと対面する。
「まずは麻里菜からの質問に答えようか。あるにはあるって答えたけど、ポラマセトはどうやら電波に弱いらしいの。電波っていっても特定の周波数に限るんだけど」
「電波に弱いなら、人間界じゃすぐにポラマセトなんて殺せちゃいそうだけど?」
「それが違うの。弱かったはずなんだけど、遺伝子操作で耐性がつけられたらしい。それで電波には強くなっちゃって」
マイは「遺伝子操作の話が出たから言っちゃうけど」と前置きをして続いた。
「人間界から戻ってきた、元『ルイナ』の組員からついに吐かせられた。やっぱりポラマセト、バイオテロのために妖魔界から持ち出したんだって!」
「やっぱりかぁ……!」
ついに口実ができあがった。麻里菜の中でもやもやしていたものが一気に吹っ切れる。
どうして高齢者をターゲットにしたのかは、まだ分かっていないらしいが。
この後、マイは妖魔界で行った新型のポラマセトウイルスへの実験結果を話してくれた。
まず、遺伝子操作されたウイルスの耐性をなくすには、遺伝子そのものを壊せばいいと考えたらしい。もともと弱点である電波に、ノイズを加えることで遺伝子を破壊し耐性をなくせることを発見したという。
周波数が高いほどノイズが出やすいので、より強いノイズを求めた結果、妖力で練り上げた『音』が一番高いものだと分かった。
「さっき私も一瞬だけやってみたけど、普通にできたから麻里菜もできると思うよ」
「いやいや、妖力で音を出すってやったことないんだけど」
麻里菜は左手を裏ピースさせ、立っている二本指の間に電流を走らせた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】無能と婚約破棄された令嬢、辺境で最強魔導士として覚醒しました
東野あさひ
ファンタジー
無能の烙印、婚約破棄、そして辺境追放――。でもそれ、全部“勘違い”でした。
王国随一の名門貴族令嬢ノクティア・エルヴァーンは、魔力がないと断定され、婚約を破棄されて辺境へと追放された。
だが、誰も知らなかった――彼女が「古代魔術」の適性を持つ唯一の魔導士であることを。
行き着いた先は魔物の脅威に晒されるグランツ砦。
冷徹な司令官カイラスとの出会いをきっかけに、彼女の眠っていた力が次第に目を覚まし始める。
無能令嬢と嘲笑された少女が、辺境で覚醒し、最強へと駆け上がる――!
王都の者たちよ、見ていなさい。今度は私が、あなたたちを見下ろす番です。
これは、“追放令嬢”が辺境から世界を変える、痛快ざまぁ×覚醒ファンタジー。
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
「魔神」を拾ったら、なぜか懐かれてトップ配信者に!? 最強の美少女魔神と、巨大すぎるワンコ(フェンリル)と送る、バズりまくりの同
伊部 なら丁
ファンタジー
現代日本、ダンジョン配信全盛期。
視聴者数「0人」が定位置の底辺配信者・ソラは、ある日、ダンジョンの未踏破区域で「人類の天敵」とされる伝説の魔神と遭遇する。
死を覚悟したソラだったが、絶世の美少女の姿をした魔神・ティアグラが興味を示したのは——ソラの持っていた「焼きそばパン」と「スマホ」だった!?
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
香死妃(かしひ)は香りに埋もれて謎を解く
液体猫
キャラ文芸
第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞受賞しました(^_^)/
香を操り、死者の想いを知る一族がいる。そう囁かれたのは、ずっと昔の話だった。今ではその一族の生き残りすら見ず、誰もが彼ら、彼女たちの存在を忘れてしまっていた。
ある日のこと、一人の侍女が急死した。原因は不明で、解決されないまま月日が流れていき……
その事件を解決するために一人の青年が動き出す。その過程で出会った少女──香 麗然《コウ レイラン》──は、忘れ去られた一族の者だったと知った。
香 麗然《コウ レイラン》が後宮に現れた瞬間、事態は動いていく。
彼女は香りに秘められた事件を解決。ついでに、ぶっきらぼうな青年兵、幼い妃など。数多の人々を無自覚に誑かしていった。
テンパると田舎娘丸出しになる香 麗然《コウ レイラン》と謎だらけの青年兵がダッグを組み、数々の事件に挑んでいく。
後宮の闇、そして人々の想いを描く、後宮恋愛ミステリーです。
シリアス成分が少し多めとなっています。
火輪の花嫁 ~男装姫は孤高の王の夢をみる~
秦朱音|はたあかね
キャラ文芸
王を中心に五家が支配する、綺羅ノ国。
五家に覡(かんなぎ)として仕える十六夜家の娘、久遠(くおん)は、幼い頃から男として育てられてきた。
都では陽を司る日紫喜家の王が崩御し、素行の悪さで有名な新王・燦(さん)が即位する。燦の后選びに戦々恐々とする五家だったが、燦は十六夜家の才である「夢見」を聞いて后を選ぶと言い始めた。そして、その夢見を行う覡に、燦は男装した久遠を指名する。
見習いの僕がこの国の后を選ぶなんて、荷が重すぎる――!
久遠の苦悩を知ってか知らずか、燦は強引に久遠を寝室に呼んで夢見を命じる。しかし、初めて出会ったはずの久遠と燦の夢には、とある共通点があって――?
謎に包まれた過去を持ち身分を隠す男装姫と、孤独な王の恋と因縁を描く、和風王宮ファンタジー。
※カクヨムにも先行で投稿しています
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる