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指令2 未知のウイルスから人間を護りきれ!
36:一心同体、力を解き放て!
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「「妖怪変化っ!!」」
双子のかけ声が重なり、ハモリを作り出した。額に当てられた手は、二人同時にサッと離された。
組員が襲いかかってきているのにも関わらず、二人とも目を閉じたまま動じない。
前髪の下から『目』がのぞくと、フェードがかかるように根元から髪の色が変わっていく。
麻里菜は黒髪から、太陽光で輝く金髪に。美晴は茶髪から、にぶく輝く銀髪に。さらには結わえてあった髪のゴムが弾け、ロングヘアが腰の位置まで下ろされた。
キツネの耳とタヌキの耳がピョコンと生え、九本の豊かな毛並みのしっぽと緑のうろこのヘビが出現する。
そして、その服装も変わっていた。
肩に切れこみがあり、袖に水色のグラデーションが施された青い巫女装束。茶色の革のショートブーツ。金髪と対比がよく効いたこの戦闘着。
薄紫の生地に濃い紫の虎もようの長袖の下着。膝丈の純白の袖なし着物。七宝もようの帯に黒タイツ。白いショートブーツ。銀髪が溶けこみ紫が引き出されるこの戦闘着。
紺碧色の目と桔梗色の目がゆっくりと開かれた。
「デプロント・オビシェ!」
麻里菜はジャンプで組員の頭上を跳びながら、呪文を唱える。
「今ここに結界を張りました。ここからもう出られませんよ」
「それがどうした! お前が死ねば結界が解かれるのによ!」
麻里菜のしっぽが組員につかまれてしまった。が、別のしっぽがそれを巻き取ると、地面に叩きこむ。
「グハッ」
美晴はというと、組員とそう変わらない長身を生かし、直接取っ組みあって妖力で投げ飛ばす。
バンッ、バンッ!
麻里菜に向けて数発、銃弾が発射される。
あの時は妖力と魔力を取り戻したばかりだから慣れてなかったけど。今は……
スローモーションに見える。
「美晴、逃げて!」
銃弾と銃弾の間を抜けつつ「ルプティ・スント!」と目の前に爆発を起こす。
「お前の魔法、そんなもんか? どうしてトドメをささない?」
「あなたたちと違って、殺すわけにはいきませんから」
「そんなことをやっていると、お前が殺されるぞ~」
冷やかされた麻里菜はほほをピクピクさせ、両手を合わせて手のひらサイズの雪の結晶を作り出す。
「それなら……凍える吹雪の……ニヴィス・グラチェス」
触れた物を凍らせる結晶は見事 赤髪男に命中し、凍らせた地面と徐々に一体化していく。
「麻里菜! とりあえずこいつらひっくり返しておいた!」
美晴の周りには、泡を吹いてのびているのが十数人。
肉弾戦らしきあとが残る美晴に、麻里菜が脳内会話でアドバイスを送る。
『美晴、妖力は使い方次第で盾になったり武器になったりするから!』
『そうなの!? オッケー!』
すると、美晴は飛びかかってくる組員をバク宙で避けると、「吹っ飛べぇぇぇぇ!」と叫んで妖力を放った。
大きな風圧の予兆を感じた麻里菜は、鉄壁の壁『フェルム・ムルーム』で自身を守る。
ドッカーーーーン!!
見えない力が爆発を起こし、飛びかかってきた組員は氷漬けにされた赤髪の男に直撃する。
『美晴、妖力の扱いは慎重に』
『あはは、ごめん~』
美晴が油断した。背後から美晴のほほに金属のような冷たいものが、ピトッと当てられた。
「あの金髪と違って、お前はスキ放題だな。ここで動いたらどうなるか分かってるよなぁ?」
美晴は横目で短剣であることを確認する。
「美晴っ!」と叫びたくなるのをぐっとこらえる麻里菜。ヘタに刺激したら斬られてしまうかもしれない。
だがそんな心配は無用だった。
ガブッ
「ヒェァッ!」
短剣をあてがう男の首に、緑色のヘビがかぶりついていたのだ。
思わず男は短剣を投げ捨てる。
「ナイス、私のヘビちゃん!」
うまく頸動脈を避けているあたり、美晴との意思疎通ができている証拠だ。
美晴は短剣を踏んづけてから、結界の外に蹴飛ばして短剣を出すと、男の足を引っかけ、妖力で地面に叩き落とした。
あらかた組員がひっくり返ってほっとしたその時。
「しぶといなぁ、この子たち。アレでトドメさしちゃいます?」
ドア付近に、白衣を着た数名の人が手に瓶を持って出てきた。しかし異様なのがその顔面。いかついマスクで顔全体をおおっているのだ。
「ツメが甘いのよ、私たちは生物兵器を作れるのよ? それならこういうリスクも考えておきなさいよね~」
黒髪の天然パーマの女と周りにいる白衣の人が、一斉に瓶をこちらに投げつける。
これには麻里菜も想定外だった。
ガシャン、シュゥゥゥゥッ……
瓶が割れ、空気中の酸素と化学反応を起こして黄色の煙を発した。明らかに毒々しい色をしている。
「フェルム・ムルーム・チェディック!」
まずは美晴に、次にひっくり返っている組員数十人に、煙から守ってくれる壁を築いていく。両手で魔法を放っていくがどうにも間に合わない。
自分が一番後回しである。
結界を張ったがゆえの弱点を突かれた。最後の組員に魔法をかけた時、麻里菜の姿は黄色の煙で覆われてしまった。
『麻里菜ーーーーっ!!』
脳内に美晴の悲鳴がこだまする。
「ゲホッ、ゴホッ、く、苦し…………い」
これでは防御しようにも浄化しようも、声に出して唱えなければ呪文は成立しない。のどを激しく焼かれるような煙は、目にも入って一瞬で激痛を負わせる。
怪力を出せたり衝撃波を出せたりすることは分かっている美晴だが、麻里菜を救う手立てがどうにも考えつかない。
「『このままじゃ麻里菜が……。そしたら結界も壊れてこの煙が広がったら……』」
声に出しながらも麻里菜の脳内にも響く声。ここでやられるわけにはいかない。
しかし、まともに呼吸ができないので、だんだんと意識が遠のいていく。
「『どうしたらいいの……麻里菜……』」
指示を出そうにもそれを考える時間はない。悲痛な美晴の叫び声が途切れ途切れになった、その時だった。
双子のかけ声が重なり、ハモリを作り出した。額に当てられた手は、二人同時にサッと離された。
組員が襲いかかってきているのにも関わらず、二人とも目を閉じたまま動じない。
前髪の下から『目』がのぞくと、フェードがかかるように根元から髪の色が変わっていく。
麻里菜は黒髪から、太陽光で輝く金髪に。美晴は茶髪から、にぶく輝く銀髪に。さらには結わえてあった髪のゴムが弾け、ロングヘアが腰の位置まで下ろされた。
キツネの耳とタヌキの耳がピョコンと生え、九本の豊かな毛並みのしっぽと緑のうろこのヘビが出現する。
そして、その服装も変わっていた。
肩に切れこみがあり、袖に水色のグラデーションが施された青い巫女装束。茶色の革のショートブーツ。金髪と対比がよく効いたこの戦闘着。
薄紫の生地に濃い紫の虎もようの長袖の下着。膝丈の純白の袖なし着物。七宝もようの帯に黒タイツ。白いショートブーツ。銀髪が溶けこみ紫が引き出されるこの戦闘着。
紺碧色の目と桔梗色の目がゆっくりと開かれた。
「デプロント・オビシェ!」
麻里菜はジャンプで組員の頭上を跳びながら、呪文を唱える。
「今ここに結界を張りました。ここからもう出られませんよ」
「それがどうした! お前が死ねば結界が解かれるのによ!」
麻里菜のしっぽが組員につかまれてしまった。が、別のしっぽがそれを巻き取ると、地面に叩きこむ。
「グハッ」
美晴はというと、組員とそう変わらない長身を生かし、直接取っ組みあって妖力で投げ飛ばす。
バンッ、バンッ!
麻里菜に向けて数発、銃弾が発射される。
あの時は妖力と魔力を取り戻したばかりだから慣れてなかったけど。今は……
スローモーションに見える。
「美晴、逃げて!」
銃弾と銃弾の間を抜けつつ「ルプティ・スント!」と目の前に爆発を起こす。
「お前の魔法、そんなもんか? どうしてトドメをささない?」
「あなたたちと違って、殺すわけにはいきませんから」
「そんなことをやっていると、お前が殺されるぞ~」
冷やかされた麻里菜はほほをピクピクさせ、両手を合わせて手のひらサイズの雪の結晶を作り出す。
「それなら……凍える吹雪の……ニヴィス・グラチェス」
触れた物を凍らせる結晶は見事 赤髪男に命中し、凍らせた地面と徐々に一体化していく。
「麻里菜! とりあえずこいつらひっくり返しておいた!」
美晴の周りには、泡を吹いてのびているのが十数人。
肉弾戦らしきあとが残る美晴に、麻里菜が脳内会話でアドバイスを送る。
『美晴、妖力は使い方次第で盾になったり武器になったりするから!』
『そうなの!? オッケー!』
すると、美晴は飛びかかってくる組員をバク宙で避けると、「吹っ飛べぇぇぇぇ!」と叫んで妖力を放った。
大きな風圧の予兆を感じた麻里菜は、鉄壁の壁『フェルム・ムルーム』で自身を守る。
ドッカーーーーン!!
見えない力が爆発を起こし、飛びかかってきた組員は氷漬けにされた赤髪の男に直撃する。
『美晴、妖力の扱いは慎重に』
『あはは、ごめん~』
美晴が油断した。背後から美晴のほほに金属のような冷たいものが、ピトッと当てられた。
「あの金髪と違って、お前はスキ放題だな。ここで動いたらどうなるか分かってるよなぁ?」
美晴は横目で短剣であることを確認する。
「美晴っ!」と叫びたくなるのをぐっとこらえる麻里菜。ヘタに刺激したら斬られてしまうかもしれない。
だがそんな心配は無用だった。
ガブッ
「ヒェァッ!」
短剣をあてがう男の首に、緑色のヘビがかぶりついていたのだ。
思わず男は短剣を投げ捨てる。
「ナイス、私のヘビちゃん!」
うまく頸動脈を避けているあたり、美晴との意思疎通ができている証拠だ。
美晴は短剣を踏んづけてから、結界の外に蹴飛ばして短剣を出すと、男の足を引っかけ、妖力で地面に叩き落とした。
あらかた組員がひっくり返ってほっとしたその時。
「しぶといなぁ、この子たち。アレでトドメさしちゃいます?」
ドア付近に、白衣を着た数名の人が手に瓶を持って出てきた。しかし異様なのがその顔面。いかついマスクで顔全体をおおっているのだ。
「ツメが甘いのよ、私たちは生物兵器を作れるのよ? それならこういうリスクも考えておきなさいよね~」
黒髪の天然パーマの女と周りにいる白衣の人が、一斉に瓶をこちらに投げつける。
これには麻里菜も想定外だった。
ガシャン、シュゥゥゥゥッ……
瓶が割れ、空気中の酸素と化学反応を起こして黄色の煙を発した。明らかに毒々しい色をしている。
「フェルム・ムルーム・チェディック!」
まずは美晴に、次にひっくり返っている組員数十人に、煙から守ってくれる壁を築いていく。両手で魔法を放っていくがどうにも間に合わない。
自分が一番後回しである。
結界を張ったがゆえの弱点を突かれた。最後の組員に魔法をかけた時、麻里菜の姿は黄色の煙で覆われてしまった。
『麻里菜ーーーーっ!!』
脳内に美晴の悲鳴がこだまする。
「ゲホッ、ゴホッ、く、苦し…………い」
これでは防御しようにも浄化しようも、声に出して唱えなければ呪文は成立しない。のどを激しく焼かれるような煙は、目にも入って一瞬で激痛を負わせる。
怪力を出せたり衝撃波を出せたりすることは分かっている美晴だが、麻里菜を救う手立てがどうにも考えつかない。
「『このままじゃ麻里菜が……。そしたら結界も壊れてこの煙が広がったら……』」
声に出しながらも麻里菜の脳内にも響く声。ここでやられるわけにはいかない。
しかし、まともに呼吸ができないので、だんだんと意識が遠のいていく。
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