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禁呪魔法の誕生

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今日は、シルヴィの両親の家に行く、俺はよくシルヴィの家に行っていたのでリハビリも兼ねてという事だ。


シルヴィは今日とても楽しそうだ。終始鼻歌を歌っている。


「ねぇ?エルビス君!今日はいつもやってた魔法の練習ごっこやろ?何か思い出すかもしれないし、魔法使えたらきっと楽しいよね!」


キラキラ輝いた笑顔でそう言った。魔法・・・適性はあったけど使ったことはなかった。若干楽しみにしながらシルヴィの家の戸を開ける。男爵の家だけあってかなり、でかいだがこんな田舎に家を建てる理由がわからない。素直に聞いてみるか。過去の記憶を思い出しても思い当たる記憶がない。



「ねぇ?なんでこんな田舎に家があるの?」


シルヴィは、え?という顔をして喪失感を醸し出しながら答えてくれる。


「去年、エルビス君が川に流される前にたまたま、この村に来た私が魔物に襲われてるところをエルビス君が助けてくれたんだけど…その時、服が破れて婚姻の印をエルビス君が見たから…結婚するために」



話している間に悲しげな顔から恥ずかしくて死にそうみたいな顔をしていた。わからないことが多いいな、婚姻の印ってなんだ?そんなに重要なのか?



わからないけど、俺は大人になったら世界を巡ろうと思っている。申し訳ないがここは記憶喪失を貫いて無かった事にさせていただこう。


「そっか.....でも記憶ないから結婚できないかもね」



!!シルヴィは今気が付いたという顔をした。そしてすぐにニヤッとする。



「そんなことないよ?昨日一緒にお風呂入ったから見たよね!だから問題ないし!」



どっや~とすごいどや顔をしてくるシルヴィはそのまま庭に回った。だけどその婚姻の印なんてあったかな?



「あ!あのお尻の!」


ついぽろっと声に出てしまった。シルヴィの反応は激しかった。その言葉を聞いた瞬間顔を、火を出しそうなくらいに真っ赤に染め上げ訳の分からない事をぼやき、ついに腕をバタバタと動かし始めた。そして



「責任とってね」



一言言われた。んなバカな、子供時代に裸を見た程度で生涯を共にするのか?断じて否だ!やはり12になったら魔術学校へ行こう。とりあえずごまかそう!



「で?どんな魔法練習するの?」



そう切り出すとあの的に魔法を打とうとするだけ、必要なのは気合といった。単純すぎてつまらん子供の考えることは単純だな。とりあえずやるか。と思っていると知らないおじさんが来た。



「はっ、儂の娘の裸を見た挙句風呂まで入ったエロガキじゃないか記憶を失ったと聞いたから婚約も解消だと思っていたのに…ほら魔法使い志望のエロガキ魔法を見せてくれ」



ありえないくらい必死だな。娘を取られそうになったからって必死すぎだろ。むしろ哀れである。





「ほらいつもみたいにファイアードラゴン!とか言ってみろ!はっはっは!まぁ無理だと思うがな!」



そういえばシルヴィ静かだなと思ってそちらを見ると顔を般若のように歪めたシルヴィと目が合った。

…こわ!! 自分の父親をこいつぶっ殺すぞと言いたげな目で見ている。



「こいつ、ぶっ殺すぞ・・・」


言った~自分の父親に凄い暴言吐いたよ?そして言われた方は、真っ青な顔をしてご機嫌取りを始める。

あほらしくなったので、魔法の練習を始める。自分の魂から魔力を井戸のようにくみ上げる事を意識する。



いいぞ!成功だ。おなじみのアナウンスが聞こえる。



《魔力自動回復 (小)獲得》



そしてくみ上げた魔力を体内で変換させる。体の中で魔力が渦巻くのを感じる。属性は水だ。本当は火を使ってファイアードラゴン()を出してやりたかったが変換に慣れてないせいもあり水属性に変換した。



やはり半年も水に浸かってい所為だろう。イメージが簡単だった。



シルヴィの父親への意趣返しも含めてウォータードラゴンと名付けよう。



この日、龍魔法と呼ばれることになる禁呪魔法が誕生した。


『ウォータードラゴン』



目の前に30メートルはある龍が生まれる。シルヴィとその父親は顎が外れそうな勢いで驚いている。

さて、この龍どうしよう…とりあえず的にぶつけるか.....龍の口から5メートルを超える水球が射出され的は跡形もなく消失した。それどころか領主邸宅の裏山の一部が消し飛んでいた。



やりすぎちゃった(てへぺろ)…お、おかしいなぁ魔術に関するスキルってあったっけ?改めて確認する。



これだ《魔術支配 (中)》:魔術操作の進化系だったはず。回復の泉の中じゃあ使い道無かったから空気になってって忘れてた。

ドラゴンならこれくらい強いかな?というイメージをそのまま具現化したという事だ。こわ!



恐る恐る二人を見たがまだ固まっていた。俺はその視線の方向に目をやる。水球を吐いた龍はまだそこにいた。あ~これどうしよう。
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