異世界転生はハーレムの味

若憑き

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繋がって一つになあれ

素敵なデート?

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 めちゃくちゃ周りの視線が痛い、ずっと見られてる。
 まぁ俺がイケメンすぎるのが最大の理由かな? ごめんなさい嘘です絶対ラーミュちゃんの隣にこんな男がいるからでしょう。
 さっきはラーミュちゃんに格好いいって言われたけど、まだ鏡も見てないからあのブサイクの俺しか想像できない。
「見て見て! 異世界のお店はこんな感じなんだよ!」
 俺の顔を心配しているうちに、めっちゃ人が多いところに来ていました。
 マーケットだ、皆カラフルなテントを張ってて、そこで青果や生鮮食品を売ったりしている。
「多分向こうとは生き物の形とか全然違うから、今後の食生活のためにもいっぱい紹介していくね!」
「よっ、よろしくお願いし、します!」
 それからラーミュちゃんに色んな食べ物紹介されて、笑いあって……どうみてもデートです、本当にありがとうございました。
 更に気分の高揚具合が丁度いい場所に収まったのか、どもりも少なくなってきた。
 ちょっと幸せを感じた時、ヤバイものを見つけた。
「これは有名なお魚なんだよ、向こうで言ったら……アーケロン? ツーナ?」
「つ、ツーナだと、お、思う!」
「あーあー、ツーナねー! ツーナと同じくらい人気だと思うよ!」
「あっ、あの、俺たちはマグロって呼んでて」
「へーそうなんだ、言語の違いかな?」
「あっ…… う、うん、そうだよ」
 そういえば異世界なのに日本語が通じてる。
 生前、一度死ぬ前読んでた異世界小説でも同じことがあったな。あれマジだったんだな、変な言語ぺちゃくちゃで最初の「だーれだ?」をされてたら異世界生活終わってたべ。
「ほら、ちょっと食べてみなよこれ! 試食オッケーだよ!」
 いやそうなんだよ、異世界版マグロがおかしいんだよ。
 身が黒い紫で白い斑点みたいなコブがポツポツ浮いてんの。しししかも緑色何かがウニョウニョしてるしししし!!!!
「はい、あーん!」
 待って、あーんなんてしちゃダメ! これはそんな食べ物じゃないだろう!?
 待って待って、押し付けないで、胸押し付けられるなら大歓迎なんですがそんなものを押し付けられても、それも手掴みでぇ!! ばっちぃよそんなもの触っちゃ! 例えこっちの世界でもマグロは手掴みしないよ!
「ほら兄ちゃん恥ずかしがらずに食っちまえよ、羨ましいじゃねぇかまったく」
 うるさい店主のおじいちゃん! これは断じてそういうことではない!
 唇に押し付けられた異世界版マグロから、緑色の何かが唇を伝って顔を上がってこようとしている。
 こうなったら一か八かで喰らいつくしてやる!
 一気にそいつを口に入れると、何か不思議な感触がした。
「えー、私まで食べちゃうの?」
 ラーミュちゃんのお指まで口に含んでしまった。それも、これ何かなと思って結構ペロペロしてた。
「ふぉ、ふぉえん!」
 ごめんと言いたかったが指を咥えたままで何言ってるのか伝わらなかったと思う。
 ……あの、ラーミュさん指を抜いてくれませんか?口の中で何かうねうねと——
 自分から身を引いて彼女の指を抜くと同時に、俺はそいつらをまとめて噛み潰す! もうどうにでもなれ!

 何これすげー美味しいぃぃぃ…… ぷちぷちした白いコブを噛むと醤油のようなものが少し滲んできて、緑色のあいつらは辛い、ワサビみたいな作用をもたらしてくれてるんだろう。
 鼻先まで這い上がってきた緑色の一匹のうねうね、そいつが急に愛おしく思えてきたぞ。
 指でそれをすくおうとしたら潰れた。
「こ、これすごく美味しい!」
「でしょ! でしょ!」
 ラーミュちゃんまたまたふんぞり返っております。
「はえー、コルトグルを食った事ないんか兄ちゃんは」
「そうなんだよ、勿体無いよねー!」
「だなぁ、食えてよかったなぁ兄ちゃん」
「は、はいっ! 食えてよかったです!」
 大満足の星三つだ。
 物価が分からないからどれくらい高いのか気になるぞ。
「あの、これっていくらくらいですか?」
「切り身一つで五百ミットだ」
「五百ミット?」
 首を傾げた俺にラーミュちゃんが耳打ちする。
「私向こうのお金分からないからなんとも言えないけど、レスグル——異世界の野菜、大根みたいなもの——は一個で百四十ミットだよ」
 日本円と殆ど同じだ、つまりマグロの切り身一つが五百円で買えるという事だ。
「どうだい、買ってくかい?」
「うん! 今日の夕飯に欲しいと思っててさ!」
 夜の事を考えると緊張する、美少女と一緒にご飯、美少女の使ったお風呂、美少女と一緒に就寝、そして暗い所で男女が二人きりになったら……いやきっと普通に寝て終わるだろうけど。
「今回は四百ミットでいいよ、いつもお茶ありがとなぁラーミュちゃん」
「ありがとー! こちらこそいつもありがと!」
 もしかして結構有名人なのかなラーミュちゃん。地元では有名とか、そんな感じなのかな。
「んっ、じゃあそろそろ行こっか!」
「うっ、うん!」
「兄ちゃん、ラーミュちゃん泣かせたら承知しねぇからなぁ!」
「は、はい!」
 やっぱりはたから見ると二人はそういう関係に見えるんですか? だとしたら正式にそういうお付き合いをしたすぎる。
 ラーミュちゃん、横顔も綺麗だよなぁ。たとえそうなったとしても、俺がこの子に釣り合うのかな。
 そんなこと思いながら見ていたら目が合って微笑んだ。
 俺も思わず顔がほころぶ。
 そうしたら視線がグサグサと飛んでくる!



「この近くなんだけどねぇ、家主さん」
 それからも武器屋鍛冶屋防具屋と、モンスター出る気まんまんの世界の店を堪能したり、魔道書とか置いてある本屋を見て回ったりした。
 ここは住宅街だろうか、レンガ造りの家がたくさん並んでる中、一つだけ大きな庭のついている、輝いた豪邸のような家を見つける。
「もしかして、ここ?」
「うん、そうだよ」
 セレブ臭しかしない。やっぱりこういうお金持ちっていうのは趣味が変わっていらっしゃるんでしょうか。
「あれ、ラーミュさんに、誰かさんじゃないですか」
 突然背後から声をかけられ振り返る。
 そこには、金髪青目の女の子がいた。身長はラーミュちゃんと同じくらい、つまり俺よりちょっと小さい。胸に青いバラの描かれた白いワンピースを着ていて、腕には緑色の石の腕輪をつけている。少し毛先が巻かれていて、どうやらお嬢様の娘みたいだ。
 若干ジトっとした目で俺の身体を隅々まで見てくる。
「格好いいですね、ラーミュさんってこんな人が好きなんですか」
 やっぱり俺たちってそういう関係に見られるの!?
「アハハハ、そうかもねー」
 えっそうなのヤバい俺の胸が……っていうかラーミュさん目が全く笑ってないんですけど。
「まぁ僕にとってはどうでもいいんですけどー、お母さんに用事があるんですよね?」
「うん、そうだよ。同居人ができたから紹介しようと思ってさ」
「じゃあお家の中までどーぞ」
 おそらく家主の娘、に連れられて庭の中に入って玄関までちょっとばかし歩いた。
 やばいよここ、さっき庭にあった池からワニみたいなの見えたし。
 そのまま家の中まで入れられると、彼女はすぐに鍵を閉めて家の奥まで俺たちを連れて行く。
 その途中ではまた鹿の剥製とか、金色に光る燭台とか、世界がまるっきり違っていた。
 ずっと奥まで行って、妙に細工の凝らされた扉の向こうに見えたのは、赤い絨毯に豪華な棚。大理石のようなもので作られた机の向こうに赤い椅子があって、彼女はそこに偉そうに座る。
「どうも、ラーミュさんの家主のマルナ・シフォンです」
 にっこりしながら、女の子はそう言った。
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