7 / 11
邪神さま、ニーソを召される。
しおりを挟む
邪神としての咲の務めは、多くない。ありていに言って、ほとんどない。
週に一度、大広間に信者全員が参集し、教祖の説法を聞く。その場にご神体として立ち会ってはいるものの、発言を許されることはなく、ただ座っているだけだ。
それが終わればすることもなく、奥の間に押し込められていた。
ソウタの持ってきたゲームなどもあるが、それほど熱中することもなく、つれづれなるまま、まぼろしなど作り出しては遊んでいた。
とはいえ咲も女の子。今風の流行などに無関心ではいられないらしい。
「服、ですか?」
ソウタが訊き返すと、咲はこっくりと頷いた。
咲が今着ているのは、彼女が封印を解かれたとき着ていた召し物を参考に特別に誂えたものだ。いわゆる十二単とよばれる平安時代の服、正式には五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)、または女房装束という。
だが今どき、単衣などそうそう手に入るものではない。十二単は、単衣の重ね着の下に袴をはくので、江戸期以降のいわゆる和服では合わない。揃えるのは大変だった。
しかしお手頃な和服では、邪神としての格式がそこなわれる。そのため、出来る範囲でいろいろとアレンジが施されていた。
基本的には単衣を重ねた和服。
正装の場合はこれに唐衣の表着(うわぎ)や長く引きずる形の裳(も)を着け、かんざしや冠、扇子などの小物を身にまとう。
では現代の服は、というと。
「でもおれ、よく知らないですし……」
確かに男の子のソウタに女の子の服を頼むのは無理がある。咲はちょっとがっかりした風だった。 ソウタに心配かけまいとしているのだが、そのくらいはソウタにもわかる。
彼は厨房に行った。
「北枕さん、こんにちは」
「おや、ソウタかい。何か食べるかい?」
恰幅のいいおばちゃんが、元気そうに返事をする。
この人は厨房の割と偉い人で、母親が構ってくれないためふだん飯にありつけないソウタの面倒をなにくれとなく見てくれていた。事実上のおっかさんである。
そのおっかさんに、咲の希望を相談してみた。
「そうかい。咲さまもやっぱり女の子だねえ。
あたしじゃちょっとわからないけど、娘に相談してみるよ」
おっかさんの娘、北枕菜美は二十歳、ソウタや咲からすれば充分に大人だった。
「そうかあ。今風の服ね」
菜美はにやりと笑って、
「了解。お姉さんが請け負ったわ。任せなさい」
そう言ってくれたのである。
果たして、菜美は予想をはるかに超える、大変な量の服を用意してきた。
「んー、どれがいいかしらね。何か希望はあるかしら?」
咲は色とりどりの服に目を丸くしていた。あまりに煌びやかで、どれを選んでいいかわからない。
「そうねえ。咲ちゃん可愛いから、何を着ても似合いそうだけど……まずはこれかな」
服の山のなかからいくつかをピックアップし、
「さあ、お召し替えの時間だから、ソウタくんは外に出る!」
ソウタは締め出されてしまった。まあ、女の子の着替えだから仕方がない。
部屋の外で所在なげに待つこと十数分。
やっと許可が出てソウタが部屋に入ると、そこには着替えを終わった咲が立っていた。
「……」
「どうした少年。あまりの可愛さに惚れたか?」
からかうような菜美の言葉に、ソウタと咲は同時に赤くなった。
フリルの付いた可愛いピンクのワンピースを身にまとい、白のニーソックスといういで立ちは、今までの古風な咲のイメージからは想像もつかない、キュートな今風の女の子だ。
「咲ちゃん、どう? 着てみた感想は?」
「……所々、こう、締め付けられて苦しい」
咲は胸の両脇を手で押さえてみせた。
「あはは……」
菜美が苦笑いする。咲が普段着ている服には身体をぎゅっと締めつけるインナー、つまりは寄せて上げる類いの、洋風の下着がない。
「それに、布地が少なくて、何やら心許ない。かようなもので、みな平気なものか?」
「可愛くなるには、いろいろと苦労が必要なのよ」
菜美は応じて、
「しかぁし! まだまだこんなもんじゃないよ邪神さま。もっと可愛くしてあげる。
こんな上等な素材、ほうっておけるもんかい」
菜美は上機嫌で、咲の長い長い髪を梳いて、ふわふわの飾りのついたカチューシャをつける。
さらに化粧。唇に紅をさし、チークを刷いてアイラインを控えめに塗る。黒髪と黒い瞳がさらに際立って、エキゾチックな美少女が出来上がった。
「きゃー可愛い! もう、もっといろいろ着せたくなっちゃう」
菜美は大喜びだ。
「だけど、まずはソウタくんね」
「何がですか?」
「もう。咲ちゃんの一番はソウタくんでしょ。ほらそこに並んで立って。写メ撮ってあげる」
菜美はソウタの隣に咲を立たせた。咲はうつむいて、もじもじしている。
「ほら、咲ちゃん。しっかり捕まえていないと、ソウタくん逃げちゃうわよ」
えっ!?とソウタを振り返った咲。菜美はその咲の手を取って、ソウタの腕につかまらせた。
おずおずとソウタにしがみつく咲。並んだ二人を菜美は何枚か撮影し、写真をみせた。
「おおう!? これが妾かや?」
「そうよ。どう?」
「別人のようじゃ。妾がかような……」
咲は目を輝かせて写真に見入っている。
「ふふ。大成功ね」
菜美も満足げだ。
「じゃ、次の服行ってみる?」
再びソウタは外に放り出され、咲のお色直しが始まった。
次なるはカジュアルなパンツルック。長袖のTシャツにホットパンツ、下はボーダーのこれもニ―ソックス。華奢な身体つきなので、シャツの袖が余って手が半分隠れているのがさらに可愛い。
再び二人を並んで立たせ、さんざん写真を撮りまくってから、菜美が、
「どうよソウタくん。咲ちゃん、可愛いでしょ?」
「……うん」
「なあに、それだけ? 女の子がせっかくおめかししてるんだから、もっと褒めてあげなさいよ」
「……うん」
ソウタは照れてしまって、まともに言葉が返せない。もちろん菜美は、わかって言っているのだから意地が悪い。
ソウタはちらりと咲を見た。咲の、大きくはないが神秘的な黒い目が、ソウタを見返している。あわててソウタは目をそらし、真っ赤になってうつむいた。
「いいねえ、絵になるねえ。お姉さんは嬉しいよ」
菜美はけらけらと笑いながら、
「いっそふたりで、デートしておいでよ」
「でぇと、と言うと、好きおうた者どもが、連れ立って出掛けてことほぐという……」
「そうよぉ。きっと楽しいよぉ」
菜美の言葉に素直に答える咲を見て、ソウタはさらに真っ赤になってしまう。
「……いや、よしておこう」
うん?と目で問いかける菜美に、
「妾が勝手に外に出ては、ただならぬ騒ぎになろう?」
「……そっか。ごめん、忘れてた。咲ちゃんは神さまだものね。本当にごめん。あたし、はしゃぎすぎた」
しょげている菜美に、咲は笑いかけた。
「いや、とても楽しかった。をかしき思いをさせてもろうた。礼を申す、姉さま」
「ううん、咲さまに楽しんでいただけたなら、身に余る光栄です」
菜美は丁寧に頭を下げた。
「この服は、その、もろうてもよいものであろうか?」
おずおずと尋ねる咲に、
「もちろんよ」
菜美は笑い返した。
「それから、その、写真、も頂戴できると、嬉しい」
「じゃ、後でプリントしてくるわ」
「それから……もひとつ頼んでも、よいじゃろうか?」
「はい、なんなりと!」
遠慮がちに伝える咲の望みを、菜美は破顔して承諾した。
「お安い御用よ。必ずご用意します」
「ありがとう、姉さま」
「とんでもございません。咲さま。ソウタくんも、楽しかったね」
ソウタもうなずいた。それを見た咲は嬉しそうに笑い、歓びの波動がふわっと広がって、菜美とソウタを包み込んだ。その暖かさが、ふたりにはなによりのご褒美だった。
+++ ----- +++
後日、咲の手元に写真が届けられた。
現代の服に着替えた咲の写真。ソウタとのツーショットの写真。
その中に一枚、やはり二人で映っているものがあった。
水干姿のソウタに寄り添う、女房装束の咲の姿だった。
咲はその一枚をひとりで長いこと眺め、そして大事にしまい込んだのである。
週に一度、大広間に信者全員が参集し、教祖の説法を聞く。その場にご神体として立ち会ってはいるものの、発言を許されることはなく、ただ座っているだけだ。
それが終わればすることもなく、奥の間に押し込められていた。
ソウタの持ってきたゲームなどもあるが、それほど熱中することもなく、つれづれなるまま、まぼろしなど作り出しては遊んでいた。
とはいえ咲も女の子。今風の流行などに無関心ではいられないらしい。
「服、ですか?」
ソウタが訊き返すと、咲はこっくりと頷いた。
咲が今着ているのは、彼女が封印を解かれたとき着ていた召し物を参考に特別に誂えたものだ。いわゆる十二単とよばれる平安時代の服、正式には五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)、または女房装束という。
だが今どき、単衣などそうそう手に入るものではない。十二単は、単衣の重ね着の下に袴をはくので、江戸期以降のいわゆる和服では合わない。揃えるのは大変だった。
しかしお手頃な和服では、邪神としての格式がそこなわれる。そのため、出来る範囲でいろいろとアレンジが施されていた。
基本的には単衣を重ねた和服。
正装の場合はこれに唐衣の表着(うわぎ)や長く引きずる形の裳(も)を着け、かんざしや冠、扇子などの小物を身にまとう。
では現代の服は、というと。
「でもおれ、よく知らないですし……」
確かに男の子のソウタに女の子の服を頼むのは無理がある。咲はちょっとがっかりした風だった。 ソウタに心配かけまいとしているのだが、そのくらいはソウタにもわかる。
彼は厨房に行った。
「北枕さん、こんにちは」
「おや、ソウタかい。何か食べるかい?」
恰幅のいいおばちゃんが、元気そうに返事をする。
この人は厨房の割と偉い人で、母親が構ってくれないためふだん飯にありつけないソウタの面倒をなにくれとなく見てくれていた。事実上のおっかさんである。
そのおっかさんに、咲の希望を相談してみた。
「そうかい。咲さまもやっぱり女の子だねえ。
あたしじゃちょっとわからないけど、娘に相談してみるよ」
おっかさんの娘、北枕菜美は二十歳、ソウタや咲からすれば充分に大人だった。
「そうかあ。今風の服ね」
菜美はにやりと笑って、
「了解。お姉さんが請け負ったわ。任せなさい」
そう言ってくれたのである。
果たして、菜美は予想をはるかに超える、大変な量の服を用意してきた。
「んー、どれがいいかしらね。何か希望はあるかしら?」
咲は色とりどりの服に目を丸くしていた。あまりに煌びやかで、どれを選んでいいかわからない。
「そうねえ。咲ちゃん可愛いから、何を着ても似合いそうだけど……まずはこれかな」
服の山のなかからいくつかをピックアップし、
「さあ、お召し替えの時間だから、ソウタくんは外に出る!」
ソウタは締め出されてしまった。まあ、女の子の着替えだから仕方がない。
部屋の外で所在なげに待つこと十数分。
やっと許可が出てソウタが部屋に入ると、そこには着替えを終わった咲が立っていた。
「……」
「どうした少年。あまりの可愛さに惚れたか?」
からかうような菜美の言葉に、ソウタと咲は同時に赤くなった。
フリルの付いた可愛いピンクのワンピースを身にまとい、白のニーソックスといういで立ちは、今までの古風な咲のイメージからは想像もつかない、キュートな今風の女の子だ。
「咲ちゃん、どう? 着てみた感想は?」
「……所々、こう、締め付けられて苦しい」
咲は胸の両脇を手で押さえてみせた。
「あはは……」
菜美が苦笑いする。咲が普段着ている服には身体をぎゅっと締めつけるインナー、つまりは寄せて上げる類いの、洋風の下着がない。
「それに、布地が少なくて、何やら心許ない。かようなもので、みな平気なものか?」
「可愛くなるには、いろいろと苦労が必要なのよ」
菜美は応じて、
「しかぁし! まだまだこんなもんじゃないよ邪神さま。もっと可愛くしてあげる。
こんな上等な素材、ほうっておけるもんかい」
菜美は上機嫌で、咲の長い長い髪を梳いて、ふわふわの飾りのついたカチューシャをつける。
さらに化粧。唇に紅をさし、チークを刷いてアイラインを控えめに塗る。黒髪と黒い瞳がさらに際立って、エキゾチックな美少女が出来上がった。
「きゃー可愛い! もう、もっといろいろ着せたくなっちゃう」
菜美は大喜びだ。
「だけど、まずはソウタくんね」
「何がですか?」
「もう。咲ちゃんの一番はソウタくんでしょ。ほらそこに並んで立って。写メ撮ってあげる」
菜美はソウタの隣に咲を立たせた。咲はうつむいて、もじもじしている。
「ほら、咲ちゃん。しっかり捕まえていないと、ソウタくん逃げちゃうわよ」
えっ!?とソウタを振り返った咲。菜美はその咲の手を取って、ソウタの腕につかまらせた。
おずおずとソウタにしがみつく咲。並んだ二人を菜美は何枚か撮影し、写真をみせた。
「おおう!? これが妾かや?」
「そうよ。どう?」
「別人のようじゃ。妾がかような……」
咲は目を輝かせて写真に見入っている。
「ふふ。大成功ね」
菜美も満足げだ。
「じゃ、次の服行ってみる?」
再びソウタは外に放り出され、咲のお色直しが始まった。
次なるはカジュアルなパンツルック。長袖のTシャツにホットパンツ、下はボーダーのこれもニ―ソックス。華奢な身体つきなので、シャツの袖が余って手が半分隠れているのがさらに可愛い。
再び二人を並んで立たせ、さんざん写真を撮りまくってから、菜美が、
「どうよソウタくん。咲ちゃん、可愛いでしょ?」
「……うん」
「なあに、それだけ? 女の子がせっかくおめかししてるんだから、もっと褒めてあげなさいよ」
「……うん」
ソウタは照れてしまって、まともに言葉が返せない。もちろん菜美は、わかって言っているのだから意地が悪い。
ソウタはちらりと咲を見た。咲の、大きくはないが神秘的な黒い目が、ソウタを見返している。あわててソウタは目をそらし、真っ赤になってうつむいた。
「いいねえ、絵になるねえ。お姉さんは嬉しいよ」
菜美はけらけらと笑いながら、
「いっそふたりで、デートしておいでよ」
「でぇと、と言うと、好きおうた者どもが、連れ立って出掛けてことほぐという……」
「そうよぉ。きっと楽しいよぉ」
菜美の言葉に素直に答える咲を見て、ソウタはさらに真っ赤になってしまう。
「……いや、よしておこう」
うん?と目で問いかける菜美に、
「妾が勝手に外に出ては、ただならぬ騒ぎになろう?」
「……そっか。ごめん、忘れてた。咲ちゃんは神さまだものね。本当にごめん。あたし、はしゃぎすぎた」
しょげている菜美に、咲は笑いかけた。
「いや、とても楽しかった。をかしき思いをさせてもろうた。礼を申す、姉さま」
「ううん、咲さまに楽しんでいただけたなら、身に余る光栄です」
菜美は丁寧に頭を下げた。
「この服は、その、もろうてもよいものであろうか?」
おずおずと尋ねる咲に、
「もちろんよ」
菜美は笑い返した。
「それから、その、写真、も頂戴できると、嬉しい」
「じゃ、後でプリントしてくるわ」
「それから……もひとつ頼んでも、よいじゃろうか?」
「はい、なんなりと!」
遠慮がちに伝える咲の望みを、菜美は破顔して承諾した。
「お安い御用よ。必ずご用意します」
「ありがとう、姉さま」
「とんでもございません。咲さま。ソウタくんも、楽しかったね」
ソウタもうなずいた。それを見た咲は嬉しそうに笑い、歓びの波動がふわっと広がって、菜美とソウタを包み込んだ。その暖かさが、ふたりにはなによりのご褒美だった。
+++ ----- +++
後日、咲の手元に写真が届けられた。
現代の服に着替えた咲の写真。ソウタとのツーショットの写真。
その中に一枚、やはり二人で映っているものがあった。
水干姿のソウタに寄り添う、女房装束の咲の姿だった。
咲はその一枚をひとりで長いこと眺め、そして大事にしまい込んだのである。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる