1 / 28
プロローグ
日々の生活に疲れた主婦
しおりを挟むはあ、今日も疲れた。
けど疲れていられない。
仕事は相変わらずきりが付かない。ああもう、客先の発注、あの手際の悪さったら! 五月雨式に発注よこされても風流でもなんでもないわよ。けど、もう考えても仕方ない。
急いで帰宅して、家族みんなの食事の準備をする。合間にお風呂の用意とちょこっと掃除。あ、明日は資源回収の日だ缶カラ出しとかないと。
「ご飯できたよ」
夕食の用意をして呼びかけても、中学生の息子は返事もしない。部屋から出て来るだけマシだけど、最近は学校にも行っていない。ひきこもりゲーマーなのはあたしの血かなあ。昔はずいぶんゲームにハマってたし。
一言の会話もなく食事を終えて息子が部屋に再び引きこもり、だいぶ経った頃にダンナが帰ってくる。いやあ亭主どの、あたしも明日仕事があって早く片づけたいんですけど。
こちらもお互い会話はほとんどない。あたしの名前、覚えてるかしら。近頃名前を呼ばれた覚えがなくて、自分でも忘れてしまいそうだ。白川未悠、旧姓の羽黒に戻しちゃっても気がつかないかもしれない。
そんなくたびれた、平凡な毎日に馴れ切った生活。その生活すら自分では主体的にコントロールできなくて、いやになる。ふとした拍子に昔のことを思い出す。やっぱり平凡だけどそれでも自分の時間があって、ゲームのランキング上げに血道を上げたりゲーム内で知り合った人と遊んだり――やっぱりゲームばっかりか――一時期熱中していたハンティングゲームでは「アゾフ狩場の女王」なんて称号を奉られて、ひとかどの有名人だったこともあった。
あの頃は……よかったんだろうな。
この頃は……わからない。
悪いとは思いたくない。人生なんてきっと、たいていこんなもの。人並み以上の生活水準であることはよくわかってる。
それでも、と考えてしまうのは昼間もらったメッセのせいかも知れない。相変わらず夢を追いかけている友だち。アラフォーにもなってまだ地に足つかないでいるやつ。あるラジオドラマの声優オーディションに通ったと、画面いっぱいのスタンプが歓喜の雄叫びを上げていた。
今までも何回か聞いたことがあるから、きっとその場限りでその後につながっていない。でもほんのスタンプひとつの、なんて嬉しそうなことか。「おめでとう」って型通り返信しながら、いつまでも浮わついたばかなヤツと思いながら、ちょっぴり羨ましい。ちょっぴり悔しい。
あたし、こうやって他人を羨みながら一生を終えていくのかな……。
それを深く考える余裕もなく、あたしの意識は横になるなり消えていく。
明日も四時起き。目覚ましセットしたっけかな……。
0
あなたにおすすめの小説
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない
成瀬一
ファンタジー
HOTランキング1位感謝です!(2/3)
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー)
ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。
神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。
そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。
ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。
早く穏やかに暮らしたい。
俺は今日も、規格外に育った野菜を手に、皆の姿を眺めている。
【毎日18:00更新】
※表紙画像はAIを使用しています
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる