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刃選びと仕事選び、で失敗。
3.選定
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しのぎの家―――神官の家は、お社にほど近い場所にあった。
神官であるしのぎの父は、中肉中背の、ひとの好さそうな人物だった。
その夫人、しのぎの母は、小柄な、おっとりした人だ。この母にしてこの娘あり、というところか。
俊哉を出迎えた二人は、明らかに緊張していた。無理もない。
相手はお社から出てきた、神の使いである。
(その神の使いが、なんの取り柄もないただの人だと知ったら、どう思うかな)
今は黙っておくことにする。
もてなしを謝辞して―――神さま扱いはさすがに受ける気にはなれなかった―――刃物が置いてあるという奥の間をしのぎに案内してもらった。
「ほう……。」
しのぎは「いくつかの刃物」などと言っていたが、とんだ謙遜だ。
剣はもとより、小刀、包丁、斧、鉈、鋏……、ひと通りの刃物は揃っている。
剣は片刃、つまり刀の形態が多かった。だがそればかりではなく、両刃の剣や、レイピアと言うべきか、細身の剣もある。ちょっとした博物館だった。
順に見ていくと、剃刀のとなりに、見慣れた形の小刀がある。
(あれは……メス?)
「医刀です」
傍らに控えていたしのぎが教えてくれた。
「刃医による刃術、ええと、外科手術に使われます」
「外科手術だって?」
俊哉は驚いた。衣服や剣から、てっきり中世的な世界と思っていたのだが。
だが、少々形は違えど、目にも手にも馴染んだ刃物だ。
俊哉は迷わずメス―――医刀に手を伸ばした。
「!」
鋭い痛みを感じて、俊哉は慌てて手をひっこめた。
なんだ?静電気?
今度は少し用心しながら、となりの医刀に手を伸ばす。
「痛っ!」
同じだ。静電気のような痛みがまた指先に走る。
「あら。まあ、これは」
驚いたように、しのぎが声を上げた。
両手の指先で口もとをおさえ、目をまん丸に見開いている。
「めずらしいですわね。刃が人を拒むことなど、あまりないのですけれど」
その言葉に、俊哉は想像以上の衝撃を受けた。
神官であるしのぎの父は、中肉中背の、ひとの好さそうな人物だった。
その夫人、しのぎの母は、小柄な、おっとりした人だ。この母にしてこの娘あり、というところか。
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相手はお社から出てきた、神の使いである。
(その神の使いが、なんの取り柄もないただの人だと知ったら、どう思うかな)
今は黙っておくことにする。
もてなしを謝辞して―――神さま扱いはさすがに受ける気にはなれなかった―――刃物が置いてあるという奥の間をしのぎに案内してもらった。
「ほう……。」
しのぎは「いくつかの刃物」などと言っていたが、とんだ謙遜だ。
剣はもとより、小刀、包丁、斧、鉈、鋏……、ひと通りの刃物は揃っている。
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順に見ていくと、剃刀のとなりに、見慣れた形の小刀がある。
(あれは……メス?)
「医刀です」
傍らに控えていたしのぎが教えてくれた。
「刃医による刃術、ええと、外科手術に使われます」
「外科手術だって?」
俊哉は驚いた。衣服や剣から、てっきり中世的な世界と思っていたのだが。
だが、少々形は違えど、目にも手にも馴染んだ刃物だ。
俊哉は迷わずメス―――医刀に手を伸ばした。
「!」
鋭い痛みを感じて、俊哉は慌てて手をひっこめた。
なんだ?静電気?
今度は少し用心しながら、となりの医刀に手を伸ばす。
「痛っ!」
同じだ。静電気のような痛みがまた指先に走る。
「あら。まあ、これは」
驚いたように、しのぎが声を上げた。
両手の指先で口もとをおさえ、目をまん丸に見開いている。
「めずらしいですわね。刃が人を拒むことなど、あまりないのですけれど」
その言葉に、俊哉は想像以上の衝撃を受けた。
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