あなたの人生、なまくらですか?

桐坂数也

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覇権主義の刃使い、で談判。

3.敵対

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瞬時に戦闘に移っていた。二合、三合と切り結ぶ。

館脇の手には大ぶりの太刀。威圧感は充分だ。なにより、太刀筋に迷いがない。それが剣に力を与えていた。


「日本刀を選ぶあたり、やっぱりお互い日本人だな。嬉しいよ」

離れた合間に俊哉は茶化してみたが、乗って来る気はないようだ。


(全力で来い、ということか)

まだ俊哉は、刃の力を充分に使いこなしているという実感が持てなかった。いや、剣を抜いて向き合っていても、館脇を斬り伏せるという覚悟ができていなかった。

だが戦闘に突入したことで、館脇の手勢が俊哉を囲もうとしていた。長引かせるとまずい。


「館脇よ。さっきお前は、神の御心が自分の野心だと言ったな。
神は、おのが威光を天下にしろしめすことを望んでいる。お前はその走狗となる。本当にそれでいいんだな?」

もはや館脇は答えなかった。気迫のこもった打ち込みだった。

俊哉は下がりながら受け流した。館脇の剣に勢いがある。打撃が重い。

真っ直ぐに突きかかる館脇の剣。柔軟に受け流す俊哉の剣。はからずも二人の生き方を象徴しているようだった。


だが明らかに、俊哉が押されていた。迷いが俊哉の剣を鈍らせていた。

(集中しろ!)

自分を叱咤する。やらなければやられる。いい友であった、というのは勝って生き残ったものだけが口にできるセリフだ。


押され、打たれ、なんとか剣でしのいで後ろに下がる。
そのわずかな隙に、肩で荒く息を整える。

「どうした。きさまの力はそんなものか? それが選ばれた御使いの戦い方か」

館脇が挑発してきた。実力差を見切って、余裕ができている。
残念だが、俊哉は認めざるを得なかった。今の俊哉では館脇に勝てない。


もういい、とばかりに館脇は部下に合図した。興が失せた、ということか。

瞬間、頭が沸騰した。


恐怖もあった。
だが一番は、悔しさ。
旧知の友にすら見下されるという屈辱。

(おれは異世界まで来て、いったい何をやっているんだ?)
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