魔法少女の敵なんだが魔法少女に好意を寄せられて困ってる

ブロッコリークイーン

文字の大きさ
2 / 44

第1話

しおりを挟む
 4月7日

 明日は多くの高校の入学式が控えているのだが残念だったな、今日で余が地球を征服するのだから永遠にそんなものは来ない。

 どうせ多くの人間は新生活にワクワクしながら過ごしているのだろう。

 そのワクワクした顔が絶望に染まる瞬間を今日見ることになるとはなぁ。

 余はこの日のために必死になって鍛えてきたんだ。

 そう今日この瞬間のために。

「おい、魔法少女。今日で地球はこの余が征服させてもらうぞ」

 魔法少女

 悪さをする存在から地球を守るために妖精から力を与えられた存在だと言われている。

 ピンク、レッド、ブルー、と三人の魔法少女が協力して戦っている。

「私たち魔法少女がいる限りそんなことはさせないわデスゴーン」

 デスゴーン

 精神的に弱っている人間を取り憑いて悪さをするのが快楽な悪の怪人。

「余をそんな奴らと一緒にするな」
 
「じゃあ人間なの?」

「そんな奴らとも一緒にするな。余は人間でもなくデスゴーンでもない、最も完成された素晴らしき存在なんだ」

 そしてこの地球を征服していずれ王となる存在。

「たとえあなたが何者でも関係ない。この地球に悪さをするのならば容赦はしない」

 くっくっくっ、さすがは魔法少女。そうでなくちゃ倒しがいがなくなってしまう。
 
 そのために余は必死な思いで頑張って鍛えてきたんだ。

「さぁかかってこい魔法少女」

 この言葉をきっかけに戦いが始まった。

 さすがは余だ、三対一でも優勢で戦いを進めている。

 それに対して魔法少女はなんだかずっとぎこちなく、戦いにも連携が全くとれていない。
 
「そんなものなのか、魔法少女」

 全くもって気分が良い。

 あの魔法少女をここまで追い詰めているのだから。

「ちょっと莉緒、考えなしに突っ込まないで」

 レッドの魔法少女が二人のどちらかに注意をした。

「ごめん千沙ちゃん」

 レッドの魔法少女の言葉に答えたのはピンクの魔法少女だ。

「二人とも今は相手に集中してください」

 ブルーの魔法少女が二人を注意した。

「はーい、でもこのままだとまずいけど菫ちゃんは何かいい策はある?」

 いや、お前らさぁ別に戦いの時に話すのは良いけど名前で呼び合うの絶対やめておいた方がいいぞ。

 ちゃんと魔法少女になった時の呼び方とか決めておけよ。
 
「今みんなは心がバラバラになっています、だからみんなで心を一つにして合体技を出しましょう」

 合体技?何その一撃必殺みたいな技は。

 三人の魔法少女が一ヶ所に集まり手を重ねて三人の魔法を一つにまとめている。

「「「くらえ、スーパースマイルスプラッシュ」」」

 とてつもない威力の魔法がこちらへと向かってくる。

 おいおい、こんなものまともに受けたらタダじゃ済まないぞ。

 ふざけんな、マジでこれまでの戦いはなんだったんだ。

 せっかく今まで頑張って鍛えてきて、その成果がこれってあんまりだ。

 ドガーン

 余の初めての戦いは敗北に終わった。

 ****

 くそ、昨日のダメージがまだ残ってやがる。

 今日の入学式なんか余が魔法少女を倒しておけばこないはずだったんだ。

 なのにあの魔法少女が卑怯な手を使いやがるから。

 というかなんだあいつ、体育館のステージでずっと話しているあいつ。

 このいずれ王となる余に何を話すことがあるというんだ。

 周りを見ても平和ボケしたアホな顔をした奴ばっかだなぁ、余が地球を征服した時にはお前らをコキ使ってやるからな。

 入学式が終わり学生は各々クラス分けされた教室へと入っていく。

 そして前に張り出されている座席表を見て自分の席へ座る。

「皆さん入学おめでとうございます。私は担任の鈴木杏奈すずき あんなです。この一年間よろしくおねがいします」

 27~8歳の女教師が自己紹介し終わると教室の中が拍手の音で包まれる。

「じゃあ名簿の順番で自己紹介していきましょう」

 担任の女教師がそう言うと窓側の一番前のやつから自己紹介が始まった。
 
 自己紹介してる奴は立って自己紹介をし終わると周りの奴らが拍手をする。

 皆の自己紹介は進んでいき、そして余の番がやってきた。

 余は椅子を引き、ただ一点を見つめ自己紹介をする。

「宇野章大うの しょうただ」

 自分の名前を言い終わったらすぐに席に座る。

 王は多くは語らない、クールで冷徹非道なものなのだ。

 なんて完璧な自己紹介なのだろう。

「えー、じゃあ次の人いこっか」

 余の自己紹介に感銘を受けたのだろうか、皆、拍手も忘れただただ余を見る。

 そして、その後も自己紹介は続いていく。

 早く終われよ、王の時間は有限なんだぞ。

 そんなことを考えていたら桃色の髪の女の元気で大きな声が教室中に響き渡る。

「はじめまして、私の名前は桜井莉緒さくらい りおって言います。クラスのみんなと仲良くしていきたいと思っています。一年間よろしくおねがいします」

 そして勢いよく頭を下げて自己紹介が終わった。

 すごく騒がしい女だったなぁ。

 ていうかあいつどこかで見たことあるような。

 余が頭の片隅にある記憶から探し出しているうちに自己紹介はどんどん進んでいく。

「えー、高宮千沙たかみや ちさです。バレー部に入ろうと考えています。これからよろしくおねがいします」

 赤髪の女は少しめんどくさそうに自己紹介を終える。

 ん?こいつもどこかで見たことあるような。

 なんだ?どこでだ?いつだ?
 
「皆さんはじめまして私の名前は九重菫ここのえ すみれです。部活動は演劇部に入ろうとしています。ぜひ演劇部に入ろうとしている人がいればその時は一緒に頑張っていきましょう。これからよろしくおねがいします」

 青髪の女は丁寧に自己紹介を終える。

 こいつも絶対どこかで見たことがある。

 桃色の髪の莉緒。

 赤色の髪の千沙。

 青色の髪の菫。

 ん?

 ああああああああああああああああああああ!?!!

 お前らか魔法少女!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件

こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。 ・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。 ・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。 ・物静かで儚げな美術部員。 ・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。 ・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。 拓海の生活はどうなるのか!?

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。

エース皇命
青春
 高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。  そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。  最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。  陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。  以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。 ※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。 ※表紙にはAI生成画像を使用しています。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

【完結】メインヒロインとの恋愛フラグを全部ブチ壊した俺、サブヒロインと付き合うことにする

エース皇命
青春
《将来ヤンデレになるメインヒロインより、サブヒロインの方が良くね?》  16歳で自分が前世にハマっていた学園ドラマの主人公の人生を送っていることに気付いた風野白狼。しかしそこで、今ちょうどいい感じのメインヒロインが付き合ったらヤンデレであることを思い出す。  告白されて付き合うのは2か月後。  それまでに起こる体育祭イベント、文化祭イベントでの恋愛フラグを全てぶち壊し、3人の脈ありサブヒロインと付き合うために攻略を始めていく。  3人のサブヒロインもまた曲者揃い。  猫系ふわふわガールの火波 猫音子に、ツンデレ義姉の風野 犬織、アニオタボーイッシュガールの空賀 栗涼。  この3人の中から、最終的に誰を選び、付き合うことになるのか。てかそもそも彼女たちを落とせるのか!?  もちろん、メインヒロインも黙ってはいない!  5人の癖強キャラたちが爆走する、イレギュラーなラブコメ、ここに誕生! ※カクヨム、小説家になろうでも連載中!

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...