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第36話
しおりを挟む「おい、宇野係ってなんだよ」
さっきクラスメイトに宇野係と呼ばれた桜井莉緒と高宮千沙に教室を連れ出された。
「名前の通りだよ」
「宇野のお世話係」
「余を馬鹿にするな」
何が余のお世話係だ、余が何も出来ないみたいに言いやがって。
「まぁまぁ、宇野くんは本気出したらすごいもんね」
「本気出したらね」
高宮千沙が言葉を強調する。
「余は本気を出さなくてもすごいのだ」
こいつらはまだ知らないようだがな、実は余はまだ本気を出していないのだ。
だから余はいつだって地球を征服することなんか余裕だからな。
余にはまだナイトメアという隠し玉が残っているからな。
お前らはまだ素の余しか見ていないだろうが余にはまだナイトメアがあるからな。
あ、ナイトメアで勝てなかったからこいつらを精神的に追いつめていくことにしたのだった。
「分かったから早くポスター貼りに行こう」
「そうだね」
こいつら余を軽くあしらいやがって。
ポスター貼りにってどこに行くのだろうか、ま、余はついて行くだけなんだけどな。
「どこに貼りに行くのだ?」
「商店街とか?」
うわ、校内だと思っていたが校外でポスター貼りに行くのかよ。
「貼らせてもらえるのか?」
「分からないけど知り合い多いから大丈夫でしょ」
なんだその行き当たりばったりの感じは。
もう余は知らない、余は黙ってこいつらについて行くだけだ。
***
「おー莉緒ちゃんじゃねぇか、学校はどうしたんだ?」
「今は劇の準備中で、もうすぐクラス劇やるんだけどポスター貼ってほしくて」
「全然良いぞ」
「ありがとうおじちゃん」
桜井莉緒はどうやら本当に知り合いが多いらしいな。
「千沙ちゃん、学校はどうしたの?」
「今クラス劇の準備中で、ここにポスター貼ってもらって良いですか?」
「大丈夫だよ」
「ありがとうございます」
「いいよいいよ、それよりバレー頑張ってね」
「はい」
高宮千沙はバレーで有名なのだろうな。
余は特にやることがなくなったが、こういうのはあいつらに任せれば良いんだよ、下手に手を出すよりかは遥かに。
ちゃんとついて来ただけでも褒めてほしいものだ。
流石の余でもまだ徹夜の疲れがあるからなちょっと休憩させてもらうぞ。
余はどこかにもたれる場所を探して移動する。
そして余は目を閉じて少し休憩をする。
場所は少しうるさい場所だが、文句は言っていられない。
立って寝る練習しておいて良かった。
「おにいちゃーん」
ドンッと誰かが余の腰あたりにタックルを仕掛けてきた。
「あ?」
「おにいちゃんだ~」
誰だよこのガキ、余はよく知らないガキを引き離す。
「誰だお前」
「またあえたね」
また?こいつと会ったことあったか?
「ごめんなさーい」
このガキの母親であろう奴が走ってやってくる。
「あ、あの時の美紀を助けてくれた人ですね」
あの時?助けた?
あ~そんなこともあったなぁ。
「あの時は本当にありがとうございました」
「あ、ありがとうって言うな」
いつになったら慣れるようになるのだうか。
「気にするな、たまたまだ、たまたま」
「それでも本当に感謝しています。忙しいのにごめんなさい。ほら、美紀行くよ」
余は忙しくないのだがな。
「いや!」
「わがまま言わない」
「いや!おにいちゃんといっしょにいる」
ガキは余の腰に抱きついて中々離れようとしない。
「お兄さん困ってるでしょ」
そうだ、困ってるから早く離れてくれ。
「ぜったいにいや!」
ガキの母親頑張ってくれ。
「あ、宇野なんで大丈夫ですよ」
おい、桜井莉緒、勝手なことを言うな。
絶対に嫌だぞ、ガキのおもりなんか。
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