21 / 21
梅雨明けは涙とともに
おわり
しおりを挟む
中学三年生になった。
毎日太陽を見るのが辛かった。
この太陽は、男の子たちの命。そう考えると、小学生の子が図工の時間に描いた太陽ですら憎かった。
6月29日。
誕生日もやっぱり雨だった。
再びカミサマたちが身を捧げ、梅雨が明けるまでは降り止まないのだから当然だが、どこか期待していた自分がいた。太陽は嫌いになったはずなのに。
今年もきっと孤児たちが連れてこられていると知っているのに何も行動を起こさない私に、奇跡は起こらないのだろう。
何度も二人で差した傘を持ってあの木の下に行き、開いた傘の陰でうずくまった。
今でも心の中には、ともきがいる。
雨粒が傘に当たる音を聞いているうちに、ウトウトしていた。
目を開けると、いつの間にか雨の音がしなくなっていた。
「雨が、あがってる……」
いつかのように傘を幹に立てかけ、濡れた木の皮に足を滑らせながら登った。
「わあ……」
梅雨に入ってからは雨粒で遮られていた視界が、一気に開けていた。
降り続いた雨が空気を浄化したのか、どこまでも遠く見渡せた。澄んだ空気が気持ちいい。
頬の上に冷たいものが落ちてきて見上げると、木の葉から水滴が滴っていた。
葉は太陽の光に透けて黄緑色をしていて、水滴がキラリと光っている。
葉と葉の間から降りそそぐ太陽の光を浴びた。この光はきっと、ともきからの誕生日プレゼント。
暖かい陽の光に包まれて、目を閉じる。
ともきがどこかから見守ってくれている気がした。
毎日太陽を見るのが辛かった。
この太陽は、男の子たちの命。そう考えると、小学生の子が図工の時間に描いた太陽ですら憎かった。
6月29日。
誕生日もやっぱり雨だった。
再びカミサマたちが身を捧げ、梅雨が明けるまでは降り止まないのだから当然だが、どこか期待していた自分がいた。太陽は嫌いになったはずなのに。
今年もきっと孤児たちが連れてこられていると知っているのに何も行動を起こさない私に、奇跡は起こらないのだろう。
何度も二人で差した傘を持ってあの木の下に行き、開いた傘の陰でうずくまった。
今でも心の中には、ともきがいる。
雨粒が傘に当たる音を聞いているうちに、ウトウトしていた。
目を開けると、いつの間にか雨の音がしなくなっていた。
「雨が、あがってる……」
いつかのように傘を幹に立てかけ、濡れた木の皮に足を滑らせながら登った。
「わあ……」
梅雨に入ってからは雨粒で遮られていた視界が、一気に開けていた。
降り続いた雨が空気を浄化したのか、どこまでも遠く見渡せた。澄んだ空気が気持ちいい。
頬の上に冷たいものが落ちてきて見上げると、木の葉から水滴が滴っていた。
葉は太陽の光に透けて黄緑色をしていて、水滴がキラリと光っている。
葉と葉の間から降りそそぐ太陽の光を浴びた。この光はきっと、ともきからの誕生日プレゼント。
暖かい陽の光に包まれて、目を閉じる。
ともきがどこかから見守ってくれている気がした。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
姉の引き立て役の私は
ぴぴみ
恋愛
アリアには完璧な姉がいる。姉は美人で頭も良くてみんなに好かれてる。
「どうしたら、お姉様のようになれるの?」
「ならなくていいのよ。あなたは、そのままでいいの」
姉は優しい。でもあるとき気づいて─
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる