紫の桜(番外編)

れぐまき

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番外編

贈り物2

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月明かりを背に咲き誇る桜を眺めながら殿の盃を酒で満たし、昼間あったことを話す


「それで、子供たちからの桜を本に挟んだ後は殿がお戻りになるまでお兄様からいただいた唐菓子を皆で一緒に頂きましたの」


一通り話し終え、殿の反応を待つ
しかし帰ってきたのはよかったですね、というような他愛ないものではなく予想とは違うものだった


「ではそれはその時にもらった香袋?」

横に置いてあった扇の先を指さして問われたので深く考えずに肯定を返す

「はい、紐をつけて扇の飾りに…おかしいですか?」

殿の表情があまりよくないことに気が付き、不安になって尋ねた

「いえ、おかしくはないですが…」

そう言って言葉を濁したっきり黙り込む殿

何か気に障ることでもあったのだろうか?

しばらく何も言わずに様子をうかがっていると、彼は苦笑を浮かべて私を引き寄せた
私を腕の中に収め、優しく頭を撫でる殿
大きな手の心地よさに身をゆだね、彼によりかかる

「本当におかしくなどありませんよ
ただ、貴女が私以外の男からの贈り物をずっとそばに置いておくというのがどうも、ね」

自嘲を含んだ声音でそう告げられ少し驚いた

つまり、嫉妬?

彼の不機嫌の理由を理解し、思わず笑いが漏れる
くすくすと笑っていると少し拗ねたような表情をする彼
その様子に愛しさが込み上げ、首に腕をまわしてすり寄った
殿は自然な動作でそれを受け入れてわたしを抱きしめる

「今度は私が何か贈りましょう
その香袋よりももっと貴女の近くに置いておけるものを」

そういった彼は後日、宣言通りに着物やらお香やら櫛やら鏡やら、こんなに如何するんだというほどの贈り物を用意して私を困らせることになるのだけれど、それはまた別の機会にお話ししましょう
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