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本編
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『宝石の絆』は、魔法のある世界を舞台にした恋愛ゲームである
市井で育った下級貴族の娘であるヒロインがその愛らしい容姿と天真爛漫さ、優しさなんかを武器に各国の王族や有力貴族と恋をして、悪役令嬢に打ち勝ちハッピーエンド
それがゲームをプレイした大半が見るエンディングである
…そう、大半が、だ
このゲームのエンディングは全部で25パターン
各攻略対象のハッピーエンドとノーマルエンド、大団円エンド
以上が幸せな結末を迎えるエンディングだ
もうお気づきだろう
このゲームにはバッドエンドが存在する
バッドエンドになるきっかけはただ1つ
悪役令嬢に負けることだ
所々で登場してくる悪役令嬢こと私との会話イベントの際
選択肢を間違えるとバッドエンドに進むイベントが発生する
そのイベントで私が使う魔法を避けたり、退けたりできればヒロインの勝ち
バッドエンドのフラグは消滅する
しかし、それができなかった場合
悪役令嬢に負けたと判定され、ヒロインは修道院に送られたり、投獄されたり…最悪では死亡してしまう
それを嘆くヒーローの前に悪役令嬢が現れ、ヒロインの悪事をつらつらと述べるという、とてもねちっこい勝利宣言でゲームは終了となる
あの時、ヒロインは私の放った魔法を避けることも、退けることもできなかった
そして今、彼女は殿下に薬を盛った罪に問われ投獄されている
つまりこの世界のヒロインはバットエンドを迎えたのだ
…彼女の性格も、イベントの進行も、ゲームとはだいぶ違っていたけれど
そう考えて苦笑する
バッドエンドイベントは間違えることが困難なくらい簡単な選択肢しかない
ヒロインがそうなるとは、ゲームの記憶を取り戻した時から考えもしなかった
まぁ、何はともあれ、彼女はバットエンドを迎えたのだ
計らずしも、フランツが彼女のしたことを殿下に伝えるというフラグを立ててくれたことだし…
せっかくなので、私は全力でライバルキャラをやろうと決めた初心を大事にし、ゲームの悪役令嬢の最後の仕事
勝利宣言イベントを全うしようと思う
「殿下、お話がありますの
お時間を頂けませんか?」
放課後、何時ものように練習場で自習に励んでいた俺のもとへセシリアがやって来た
この間再燃したほのかな恋心を自覚したばかりのせいか、声をかけられて自然と頬が緩むのを感じる
「セシルか…どうした?」
お前、ではなく意識して長年口にすることのなかった愛称を呼ぶと、わずかに彼女の目が見開かれた
「え…今…?」
驚いたような声音をあえて流して言葉を続ける
「ちょうどいい、俺もセシルに話があったんだ」
「…そう、でしたか」
「立ち話もな…場所を移そう
カフェテリアでいいか?」
「え…?ぁ、はい…」
戸惑って歯切れの悪い返事をするセシリアを再びスルーし、エスコートするために手を差し出す
するとますます困惑したような表情を向けられた
…確かにプライベートで彼女をエスコートすることなんてここ数年なかったな
それどころか、同じ場所に向かうとしても歩調を合わせたり、反応を待つことすらしなかったことを思いだし、改めてここ数年の自分の態度を反省する
とりあえず移動してからだな…
そう考え、急かすように手を軽くあげて見せる
「どうした?行くぞ」
言葉でも促すとセシリアは困惑した表情はそのまま、おずおずと手を伸ばしてきた
「…失礼致します」
触れるか触れないか程度にしか預けられなかった手に、自分のせいで変わってしまった関係をまた自覚する
その距離を埋めるように自分から彼女の手を握った
ピクリと反応するが振り払われなかったことに安堵し、そのままゆっくりと歩きだす
もちろん彼女に歩調を合わせることも忘れずに
市井で育った下級貴族の娘であるヒロインがその愛らしい容姿と天真爛漫さ、優しさなんかを武器に各国の王族や有力貴族と恋をして、悪役令嬢に打ち勝ちハッピーエンド
それがゲームをプレイした大半が見るエンディングである
…そう、大半が、だ
このゲームのエンディングは全部で25パターン
各攻略対象のハッピーエンドとノーマルエンド、大団円エンド
以上が幸せな結末を迎えるエンディングだ
もうお気づきだろう
このゲームにはバッドエンドが存在する
バッドエンドになるきっかけはただ1つ
悪役令嬢に負けることだ
所々で登場してくる悪役令嬢こと私との会話イベントの際
選択肢を間違えるとバッドエンドに進むイベントが発生する
そのイベントで私が使う魔法を避けたり、退けたりできればヒロインの勝ち
バッドエンドのフラグは消滅する
しかし、それができなかった場合
悪役令嬢に負けたと判定され、ヒロインは修道院に送られたり、投獄されたり…最悪では死亡してしまう
それを嘆くヒーローの前に悪役令嬢が現れ、ヒロインの悪事をつらつらと述べるという、とてもねちっこい勝利宣言でゲームは終了となる
あの時、ヒロインは私の放った魔法を避けることも、退けることもできなかった
そして今、彼女は殿下に薬を盛った罪に問われ投獄されている
つまりこの世界のヒロインはバットエンドを迎えたのだ
…彼女の性格も、イベントの進行も、ゲームとはだいぶ違っていたけれど
そう考えて苦笑する
バッドエンドイベントは間違えることが困難なくらい簡単な選択肢しかない
ヒロインがそうなるとは、ゲームの記憶を取り戻した時から考えもしなかった
まぁ、何はともあれ、彼女はバットエンドを迎えたのだ
計らずしも、フランツが彼女のしたことを殿下に伝えるというフラグを立ててくれたことだし…
せっかくなので、私は全力でライバルキャラをやろうと決めた初心を大事にし、ゲームの悪役令嬢の最後の仕事
勝利宣言イベントを全うしようと思う
「殿下、お話がありますの
お時間を頂けませんか?」
放課後、何時ものように練習場で自習に励んでいた俺のもとへセシリアがやって来た
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「セシルか…どうした?」
お前、ではなく意識して長年口にすることのなかった愛称を呼ぶと、わずかに彼女の目が見開かれた
「え…今…?」
驚いたような声音をあえて流して言葉を続ける
「ちょうどいい、俺もセシルに話があったんだ」
「…そう、でしたか」
「立ち話もな…場所を移そう
カフェテリアでいいか?」
「え…?ぁ、はい…」
戸惑って歯切れの悪い返事をするセシリアを再びスルーし、エスコートするために手を差し出す
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…確かにプライベートで彼女をエスコートすることなんてここ数年なかったな
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ピクリと反応するが振り払われなかったことに安堵し、そのままゆっくりと歩きだす
もちろん彼女に歩調を合わせることも忘れずに
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