よくある冒険者パーティー内のよくある恋愛模様

れぐまき

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本日分の依頼を終え、パーティーメンバー全員で街へ帰還中。
リーダーであるラルドと最年長のジークが前を、その少し後ろを戦士のガイアと僧侶のセド、そして私が雑談しながら歩く。何時もの並びだ。

「それでね~、そこの店の煮込み料理がサイッコーに美味しくて~…」

にこにこと笑顔で話し続けるセドに相槌を打ちながら、前を歩く2人を何とは無しに眺める。
騎士らしく逞しい体躯のラルドと並ぶと、弓使いであるジークはその長身もあいまってずいぶん細身に見える。
それでもあの大きな弓を難なく扱えるのだからそれなりに力はあるのだろうが…見た目ではかなりヒョロい。
そんな事を考えていると、不意にガイアが声をかけてきた。

「なぁアリア、これこれ」
「ん…?」

顔を向ければ目の前にぬっと突き出された大きな手。
そしてその手に掴まれているのは、小さな緑色の…


「ひぃっ…!ぎゃぁぁああ!!」


理解した瞬間、私は悲鳴を上げて目の前の背中に飛びついた。


「!!、えぇっ!なになに!?」
「魔物か?」

突然の事に驚きながらも飛びつかれたジークが抱きしめるようにして庇ってくれる。
それを更に庇うようにラルドが一歩前に出た気配がした。
そしてそれと相反するように、ガイアの笑い声が響く。

「ははっ、す、すまん。そんなに驚くとは…」

笑いながらガイアが摘んでいた芋虫をぽーんと遠くに放る。それを見て現状を把握した2人が警戒を解いて苦笑をこぼした。

「ガイア…アリアが虫嫌いなの知ってるだろ。からかうな」
「くくく、す、すんません」

ラルドがガイアを窘めてくれているが、アイツは性懲りもなく笑っている。

あのヤロウ…覚えてろ…

軽く殺意を覚えながらも、とりあえず恐怖と驚きでバクバクと高鳴る心臓を宥めようと、目の前の温もりにぐりぐりと頭を擦り付けた。

「え、えーっと…アリア…?もうダイジョーブだよ?」

頭上からかけられる戸惑った声音を無視してさらに頭を擦り付け、目一杯息を吸い込む。
ふわりと香る爽やかだけど甘い香りに少し心が落ち着いた。
…さっきのヒョロいは訂正しよう。私が全力で飛びついてもぐらつきもしなかった。手を回した感じも、しっかり筋肉がついている。

「アリア…?」

再び名前を呼ばれて見上げてみれば、戸惑って揺れる濃紺の瞳。

「…」
「…怖かったね?もうダイジョーブ。」

じっと見つめれば、戸惑ったようにうろうろと視線を彷徨わせ、へにょりと眉を下げてぽんぽんと宥めるように頭を叩かれた。
交わった濃紺の瞳は、慈しむように優しくて…
ぶわりと顔に熱が集まる。ついこの間もこんな事があった。
ばっと音がするほどの勢いで距離を取り、気を紛らわすようにガイアに向けて水球を飛ばした。

「うおっ!?アリア!いきなり何すんだ!?」
「…チッ」
「舌打ち!?やめろよ!当たったら痛いじゃねーか!」

無言で次々と水球を作っては飛ばしていく。
当たらないように自分の横に避難してきたであろうセドとラルドが自業自得だと笑っている。

何時もの光景、何時ものやり取り。
違うのはドクドクと高鳴る私の心臓だけ。
魔力を練るのは止めず、ちらりと横目でジークを伺う。

「っ!」

再び交わった濃紺はやっぱりとても優しい色をしていた。
ただでさえ熱かった頬がさらに熱を帯びる。


…あ、これ、やばいかもしれない。


自分の変化から目をそらすように、ガイアへの猛攻をさらに強めた。
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