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三分咲き
8
「よし、分りました。紫の上」
「はい?」
「取りあえずそれは置いておきましょう
そんなことより貴女にお目にかけたい人がいるんです」
「え、そんなことって…」
人の悩みをそんなことって…
ちょっとムッとして紅葉のお兄様をジト目で見つめる
彼は苦笑して口を開いた
「まぁまぁ、そんなにお怒りにならないで…
取りあえずあってみてください
そうすれば悩みも解決するかもしれませんよ」
悪戯っぽく微笑まれて渋々ジト目をやめて様子を伺う
彼は小さく笑い廊下に向って声をかけた
「もういいよ、入ってお出で
夕霧」
え?ゆうぎり?
ゆうぎりって…夕霧?
軽く混乱していると廊下からひょっこりと小さな男の子が顔を出した
「おじうえ…?
はいってもよろしいの?」
「!!」
「あぁ、おいで
こちらの方にご挨拶を」
紅葉のお兄様に促されて男の子はとてとて音を立てて私の前にやってくるとぺこりと頭を下げた
「はじめましておねいちゃま
ゆうぎりです」
「!!!!」
か、かわっ、いい!!!
え、ゆうぎりって夕霧様よね!?
殿と葵上様のお子様のゆうぎり様よね!?!?
あまりの可愛さに固まっていると紅葉のお兄様がくすくすと笑い始めた
「源氏の君のご長男、夕霧です。貴女が前、子供が好きだとおっしゃっていたのを思い出しましてね
気がまぎれるかと思ってつれて来ていたのですよ
今宵の宴で私の二の君と一緒に舞を披露する予定です」
「おじうえ、とってもきれいなおねいちゃまだよ」
「えぇ、でも夕霧、この方は君のお父上の奥方様だから“おねいちゃま”は少しおかしいかな?」
「ちちうえのおくさまなの?なら、ははうえ?」
「!!!!!!」
「はは、そうかもしれないね」
な、何なの!?この可愛い生き物!?!?
ぷるぷると下を向いて震えていると夕霧様がぽてっ、と私の膝に手を置いた
「だいじょうぶ?ごきぶんがおわるいの?」
心配そうに首をかしげて私を覗き込む姿に胸を打たれる
か、かわいすぎる!!
なんとか微笑んで口を開いた
「…え、えぇ大丈夫ですよ
私は貴方の父上や叔父上には“紫の上”と呼ばれております
これから仲良くしてくださいませ夕霧様」
「はい!むらさきのうえさま、さっそくあそびましょう!!」
「えぇ、何をしてあそびましょうか?」
可愛らしい夕霧様を見て口元が自然に緩む
緩みきった笑顔で、私は宴までの時間を夕霧様と遊んで過ごした
久々に心のそこから楽しめた
帰り際の紅葉のお兄様の一言さえなければ…
「こんなに可愛らしい子供がたくさん出来るのですよ?そう思えば悪くないでしょう?」
……なんだかなぁ~・・・
「はい?」
「取りあえずそれは置いておきましょう
そんなことより貴女にお目にかけたい人がいるんです」
「え、そんなことって…」
人の悩みをそんなことって…
ちょっとムッとして紅葉のお兄様をジト目で見つめる
彼は苦笑して口を開いた
「まぁまぁ、そんなにお怒りにならないで…
取りあえずあってみてください
そうすれば悩みも解決するかもしれませんよ」
悪戯っぽく微笑まれて渋々ジト目をやめて様子を伺う
彼は小さく笑い廊下に向って声をかけた
「もういいよ、入ってお出で
夕霧」
え?ゆうぎり?
ゆうぎりって…夕霧?
軽く混乱していると廊下からひょっこりと小さな男の子が顔を出した
「おじうえ…?
はいってもよろしいの?」
「!!」
「あぁ、おいで
こちらの方にご挨拶を」
紅葉のお兄様に促されて男の子はとてとて音を立てて私の前にやってくるとぺこりと頭を下げた
「はじめましておねいちゃま
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「!!!!」
か、かわっ、いい!!!
え、ゆうぎりって夕霧様よね!?
殿と葵上様のお子様のゆうぎり様よね!?!?
あまりの可愛さに固まっていると紅葉のお兄様がくすくすと笑い始めた
「源氏の君のご長男、夕霧です。貴女が前、子供が好きだとおっしゃっていたのを思い出しましてね
気がまぎれるかと思ってつれて来ていたのですよ
今宵の宴で私の二の君と一緒に舞を披露する予定です」
「おじうえ、とってもきれいなおねいちゃまだよ」
「えぇ、でも夕霧、この方は君のお父上の奥方様だから“おねいちゃま”は少しおかしいかな?」
「ちちうえのおくさまなの?なら、ははうえ?」
「!!!!!!」
「はは、そうかもしれないね」
な、何なの!?この可愛い生き物!?!?
ぷるぷると下を向いて震えていると夕霧様がぽてっ、と私の膝に手を置いた
「だいじょうぶ?ごきぶんがおわるいの?」
心配そうに首をかしげて私を覗き込む姿に胸を打たれる
か、かわいすぎる!!
なんとか微笑んで口を開いた
「…え、えぇ大丈夫ですよ
私は貴方の父上や叔父上には“紫の上”と呼ばれております
これから仲良くしてくださいませ夕霧様」
「はい!むらさきのうえさま、さっそくあそびましょう!!」
「えぇ、何をしてあそびましょうか?」
可愛らしい夕霧様を見て口元が自然に緩む
緩みきった笑顔で、私は宴までの時間を夕霧様と遊んで過ごした
久々に心のそこから楽しめた
帰り際の紅葉のお兄様の一言さえなければ…
「こんなに可愛らしい子供がたくさん出来るのですよ?そう思えば悪くないでしょう?」
……なんだかなぁ~・・・
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