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三分咲き
16
殿が須磨に到着されたらしい
その知らせを受けた瞬間、まだ紅葉のお兄様と夕霧様がいらっしゃるにも関わらず控えていた女房達が騒ぎ出した
「奥様!すぐに殿さまにお返事を」
「そうですわ!すぐに知らせなければ!!」
「硯と筆、墨、紙すべてご用意できております」
「さぁ!どうぞ奥様!」
「「「「さぁ!!」」」」
凄まじい形相で詰め寄ってくる女房達
こ、こわぃ…
ていうか、貴女たち普段はもっとおっとりしてるし礼儀正しいのに・・・
キャラ崩壊・・・?
表情を引きつらせていると同じような顔をした紅葉のお兄様が口を開く
「そんなに急かさなくとも・・・」
「まぁ!恐れながら頭の君様!」
「これが急かさずにいられましょうか!?」
「殿さまもすぐにお知りになりたいはずです!!」
「さぁ!奥様!」
「「「「さぁ、どうぞ!!」」」」
客人であるお兄様にまで同じような反応をする彼女達
夕霧様なんておびえて私の後ろに隠れてる
「…すみません
お二人とも少々お待ちくださいませ」
断ってから筆と紙を手にとるが、そこでふと動きがとまった
なんて書こう・・・
取りあえず、無事に到着されたことのお祝い(?)と、後、懐妊の事だけど・・・
どうやって切り出そう?
普通に“子供できました!”?
・・・なんか軽い気がする
じゃ、“私一人で待ってるわけじゃないから心配しないでください”?
・・・駄目だ、今一意味が分らない。ヘタしたら浮気宣言にも見える…
う~ん・・・
筆を持って考え込んでいたらしい
少納言が怪訝そうに私に尋ねる
「奥様?どうなさいました?」
「・・・なんて書けばよいのかしら」
「あぁ、…そうですわね・・・」
少納言も一緒に悩みだす
その様子を見て紅葉のお兄様が首をかしげた
「それ程悩まなくとも、普通にご挨拶なさればよいのでは?」
「え?・・・あぁ、そうなのですけれど…
用件がそれだけではなくて・・・」
「用件ですか?
何かご用事があるのなら私に言いつけてくださいね?」
「えぇ、ありがとうございます
でも、用事って訳でもないので・・・」
「?では何です?」
「ん~・・・」
曖昧にうなって言葉を濁す
私はちょっと考えて、一つ息を吐いてから思い切って紙に筆を滑らした
文を書き上げ、届けるように言いつけてから二人に向き直る
「お待たせしてしまい申し訳ございません
さぁ、夕霧様ご一緒に絵でも描きましょうか」
「はい!」
元気に返事をした夕霧様に笑いかけ、さっきの質問を聞かなかったことにした
不思議そうに私を見るお兄様には悪いけど、やっぱり私がちゃんと報告するのは、殿が一番だと思うから・・・
その知らせを受けた瞬間、まだ紅葉のお兄様と夕霧様がいらっしゃるにも関わらず控えていた女房達が騒ぎ出した
「奥様!すぐに殿さまにお返事を」
「そうですわ!すぐに知らせなければ!!」
「硯と筆、墨、紙すべてご用意できております」
「さぁ!どうぞ奥様!」
「「「「さぁ!!」」」」
凄まじい形相で詰め寄ってくる女房達
こ、こわぃ…
ていうか、貴女たち普段はもっとおっとりしてるし礼儀正しいのに・・・
キャラ崩壊・・・?
表情を引きつらせていると同じような顔をした紅葉のお兄様が口を開く
「そんなに急かさなくとも・・・」
「まぁ!恐れながら頭の君様!」
「これが急かさずにいられましょうか!?」
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「「「「さぁ、どうぞ!!」」」」
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お二人とも少々お待ちくださいませ」
断ってから筆と紙を手にとるが、そこでふと動きがとまった
なんて書こう・・・
取りあえず、無事に到着されたことのお祝い(?)と、後、懐妊の事だけど・・・
どうやって切り出そう?
普通に“子供できました!”?
・・・なんか軽い気がする
じゃ、“私一人で待ってるわけじゃないから心配しないでください”?
・・・駄目だ、今一意味が分らない。ヘタしたら浮気宣言にも見える…
う~ん・・・
筆を持って考え込んでいたらしい
少納言が怪訝そうに私に尋ねる
「奥様?どうなさいました?」
「・・・なんて書けばよいのかしら」
「あぁ、…そうですわね・・・」
少納言も一緒に悩みだす
その様子を見て紅葉のお兄様が首をかしげた
「それ程悩まなくとも、普通にご挨拶なさればよいのでは?」
「え?・・・あぁ、そうなのですけれど…
用件がそれだけではなくて・・・」
「用件ですか?
何かご用事があるのなら私に言いつけてくださいね?」
「えぇ、ありがとうございます
でも、用事って訳でもないので・・・」
「?では何です?」
「ん~・・・」
曖昧にうなって言葉を濁す
私はちょっと考えて、一つ息を吐いてから思い切って紙に筆を滑らした
文を書き上げ、届けるように言いつけてから二人に向き直る
「お待たせしてしまい申し訳ございません
さぁ、夕霧様ご一緒に絵でも描きましょうか」
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