冒険パーティー【暁の渡り鳥】の村人は最強です

美山 鳥

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1章 出会いの町キャルト

STORY6 残虐なる強盗ラギ

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 暁の渡り鳥が冒険者ギルドに戻ってきたのは16時50分頃のことだった。

 「まさか……本当に終わらせるとは驚かされました…」

 受付嬢には信じられなかった。念のため、ケルアン邸に連絡をとって確認もした。

 「いったい、どうやって?」

 「俺たちがその気になればこの程度は楽勝ってことさ。さて、それを踏まえた上で今度はどんな依頼を回してもらえるのかな?」

 ウラボスはニンマリとする。

 「…では、これなどいかがですか?」

 受付嬢は次なる依頼書を提示する。

 「強盗退治ですか」

 依頼書を見たリアーナが確認する。

 「はい。最近になってキャルトに現れた強盗ラギの討伐依頼です」

 「しかし、こういった事件はギルドよりも警備隊の仕事じゃないか?」

 受付嬢はウラボスの疑問に首肯する。

 「たしかにそうなのですが、強盗ラギは残忍な上にかなりの手練れで、彼を追い詰めた警備隊や冒険者にも返り討ちに遭った者は少なくありません」

 「ふむふむ。なかなか面白そうな依頼だな。どうする、リアーナ?」

 ウラボスが隣のリアーナを見やる。

 「もちろん、受けるわよ! そんなやつを放っておけないじゃない」

 (そう言うと思ったよ。まっ、リアーナに経験を積ませるにはいいか)

 予想通りの答えにウラボスはクスリと微笑する。

 「了解しました。こちらの期間は七日間となっております。それを過ぎますと依頼失敗とさせていただきます。よろしいですね?」

 受付嬢が確認する。

 リアーナは頷くと依頼書のコピーを受け取り、ギルドを出た。



 「どうやってラギを見つけるかが問題よね」

 宿で食事を摂りながらリアーナが思案する。

 「ラギのターゲットを特定するのは難しいな。金持ちや商家もあれば普通の家庭も被害の遭ってるようだ」

 依頼書に添付された資料に目を通しながらウラボスが言う。

 「それに、いつ現れるかも予測がつかないのも厄介ね。何かいい方法はないかな?」

 リアーナに相談されてウラボスは口許に手を当てて考えを巡らせる。

 (ふーむ、いつどこに現れるかわからない相手を見つける方法か……)

 「こいつは侵入した家屋に暮らしている者を皆殺しにした後、火を放っているようだ。そして、当然だけど犯行は決まって深夜に行われている」

 「うん。ほんとに最低なやつよね! 絶対にゆるさないんだから!」

 リアーナが憤慨する。が、ウラボスはいたって冷静だ。

 「俺が言いたいのはそういうことじゃないんだ。このキャルトはそれほど大きな町じゃない。そこで、俺たちも深夜に動くべきだ。そして、町のどこかで火の手があがったら現場に急行する」

 「でも、現場にラギがいたとしても私たちは消火を優先しなきゃ…」

 「それについては俺に考えがある」

 ウラボスは口角を上げてみせる。

 (ラギを捕まえる自信があるんだね。やっぱり、ウラボスってすごいなぁ…)

 リアーナは、そんなウラボスが頼もしく、安心感を得た。



 ウラボスは飛行魔術フライングを使用して、キャルトの町の遥か上空まで浮上していた。ここからならば火の手があがれば即座に駆けつけることが可能だった。

 「な、なんだか照れるんだけど……」

 ウラボスに肩を抱き寄せられてリアーナは顔面を真っ赤にしている。

 「しかたないだろ。リアーナが自力で飛行魔術フライングを使えるのなら解放してあげられるんだけど?」

 「うっ…。いつかは修得できるようにがんばります……」

 シュンとするリアーナを見てウラボスはクックッ…と喉で笑う。

 「でも、さすがはウラボスだね。ラギもまさかこんな所から見張られてるなんて考えもしないよね」

 「けど、問題はある。放火に関してはいち早く発見することができても、その前段階…つまり強盗と殺害を未然に防ぐことはできない」

 「そう考えると、なんだかすごく悔しい…」

 リアーナが自らの唇を噛む。

 「それでも、これ以上の犠牲を出さずにすむのなら意味はあるさ」

 「うん…」

 「そんなことより、しっかりつかまってなよ」

 「へ?」

 言葉の意味を理解するよりも早く、リアーナはウラボスに力強く抱き寄せられたまま地上へと急降下を開始する。

「きゃぁぁぁっ!」

 絶叫とともに地上へと舞い戻る。両足が地面についたことでようやく薄目を開けた。

 「なっ!?」

 炎をあげる民家が目にうつる。リアーナは考えるよりも先に体が動いていた。燃える民家に向かって駆け出そうとした。しかし、ウラボスがそれを制止する。

 「消火は俺に任せて、リアーナはあっちを頼む」

 焦る気持ちを抑えつつ、ウラボスの右手人差し指が指し示す先に視線をうつす。物陰に隠れている人影を発見する。

 「あれは…ラギ!?」

 「くそっ!」

 人影は存在を知られたことに気づき、一目散に逃走する。

 「さあ、あいつの追跡は任せたぜ、リーダー!」

 リアーナが頷くのを視界の端にとらえ、ウラボスは燃える民家へと駆ける。

 ラギが飛び出してきたであろう破られた窓から屋内へと飛び込む。

 当然だが室内は火の海となっていた。大渦魔術ウォーター・トルネードにより水の渦を発生させて一気に鎮火する。必要以上に破壊することなく、炎を消し去る絶妙な力加減は熟練者のなせる業であった。



 全ての部屋を回って消火作業を終え、ウラボスはため息をついた。この家の住人たちは全員殺害されていた。完全に息の根を止めてから火を放ったのだろう。

 「貴様、何者だ!?」

 外に出てきたウラボスに警備隊の連中が尋問してきた。

 「落ち着けよ。俺は冒険パーティー暁の渡り鳥のウラボス。あんたらの代わりに消火にあたってただけさ」

 「暁の渡り鳥だと? 貴様がラギじゃないのか!?」

 警備隊の尋問は続く。

 「俺がラギだとするなら、火を点けた家の消火をするわけないだろ。あんたらが駆けつければ疑われるだけだし。実際、こうして疑われてるわけだけどな」

 「では、貴様は本当にラギではないというのだな?」

 「ああ。ラギはうちのリーダーが追跡している」

 「なんだと! やつはどこへ行ったというのだ!?」

 語気を強めて詰め寄ってくる警備隊に対して、ウラボスはあくまでも冷静だ。

 「行き先は知らん。が、追跡することならできる。俺としてもリーダーが気になるところではあるし、すぐに追いかけるつもりだ。しかし、あんたらを待ってやるつもりはない。ついてくるのはかまわないが置いてかれても文句は聞かないぜ」

 ウラボスは矢のように駆け出す。もはや警備隊の連中にはその動きを追うことなどだれにもできない。あっという間にウラボスを見失ってしまった。

 「な、なんて速さだ……」

 いきなり置いてけぼりをくった警備隊員たちは一様にポカンと口を開いているのみだった。



 ラギを追跡中のリアーナはキャルトの町を出て、林の中を進んでいた。

 「ちっくしょう! しつこい女だぜ」

 後方に視線を配りながらラギは顔をしかめる。

 (なんだって、火を放った直後に現れやがったんだ?)

 ラギは心の中で疑問が抱く。これまでならば放火をして警備隊が駆けつけるまでの間に逃走できていた。

 だが、今回は違った。放火してから逃げる間もなくウラボスとリアーナが現れのだ。

 (ちっ、うっとうしい! こうなりゃ、ここでこいつを殺しておくしかねぇな!)

 ラギは逃走を止め、短剣を鞘から抜き身構える。

 それに気づいたリアーナも鞘からレイピアを抜く。

 両者は相手の動きに注視しながらジリジリと間合いを詰める。

 まずはラギが先手をとった。素早くリアーナの懐まで潜り込んで短剣を閃かせる。

 「痛っ…」

 ラギの短剣がリアーナの左頬を掠め、一筋の傷をつける。

 「ケケケケケケ!」

 勢いづいたラギは愉快に笑い声をあげながら何度も斬りかかる。リアーナの両肩、右足、左脇腹に浅く傷つけていく。

 「ケケケ…。あんたもバカだねぇ。たった一人で追いかけてくるのんてよぉ。だが、今さら後悔しても遅ぇぜ」

 短剣に付着したリアーナの血を舐めとり、ラギが下卑た笑みを見せる。

 リアーナは血の気が引くのを感じつつも毅然とした態度で睨む。

 (敗けられない。私にラギの追跡を任せてくれたウラボスの期待を裏切れないもの!)

 恐怖を抑え込み、レイピアを構える。

 「はぁっ!」

 リアーナの連続突きがラギを襲う。だが、ラギの動きは速い。リアーナの攻撃はラギにかすり傷すらも与えることができなかった。

 「きゃっ!」

 ラギは隙をついてリアーナの足を払って転倒させる。

 「ケケケケェ!」

 倒れたリアーナの顔面にラギの短剣が迫る。

 ザクッ

 ラギの短剣が地面に深々と突き刺さった。リアーナが一瞬でも横に転がるのが遅れていれば致命傷となっていたはずの一撃だ。

 地面に深々と刺さった短剣を引き抜くのに手間取っている隙にリアーナは体勢を立て直す。

 (落ち着いて、落ち着くのよ、私……。冷静にならなきゃ!)

 自らに言い聞かせながら相手の出方を窺う。

 別行動でラギを追跡しているため、リアーナからウラボスに現在地を伝える手段はない。迅速に消火作業を終えたウラボスが追いかけてくるにしても、この林までやってくるには時間がかかるはずだ。

 また、これ以上の犠牲者をださないためにはここで引くことはできない。つまり、ウラボスが駆けつけるまでもちこたえるか、ラギを倒すか、どちらかをしなければ生き残ることはできなかった。

 今度はリアーナから動いた。

 レイピアの鋭い突きをラギは難なく避ける。

 「へっ、未熟な嬢ちゃんだぜ」

 ラギが振りかざした短剣の切っ先がリアーナのレザーアーマーを傷つける。

 リアーナは数歩さがって再度レイピアを構えて狙いを定め、ラギはリアーナの反撃に備えて防御態勢を整える。

 数秒の時が流れ、二人が同時に動いた。レイピアと短剣が切り結ばれる。

 (まずい……)

 リアーナは思った。刺突に特化したレイピアはつばぜり合いには不向きだ。下手すると折られてしまう可能性だってある。それに、腕力においても不利であった。

 「くっ…」

 「させるかよ!」

 後退するリアーナにラギが二度三度と斬りかかる。短剣はリアーナをとらえることなく空を斬るのみだった。

 「くそっ」

 ラギは苛立ったように顔をしかめ、短剣で突き刺そうと攻撃する。

 リアーナは短剣を避けつつラギの背後に回り込む。

 ラギもすぐに反応する。振り向き様に短剣を一閃した。が、またしても空振りに終わる。この攻撃を予測していたリアーナは間合いをとっていたのだ。

 攻撃が失敗したことで生じた隙をついてリアーナが反撃にでる。レイピアの切っ先がラギの右肩に吸い込まれるように突き刺さった。

 「ぎゃあっ」

 ラギは右肩にはしる激痛に短剣を落として後ずさる。

 「ぬぐ…」

 レイピアを喉元に突きつけられて固まるラギ。

 「わかったよ。降参だ」

 ラギは両膝を地面について両手を挙げて投降の意思を示す。

 (やった!!)

 リアーナは初めて自力で勝利したことに喜びが沸き上がってくるのを感じた。

 レイピアを突きつけたまま、腰のポーチから携帯用の通信機を取り出してキャルトの警備隊に連絡を入れる。

 (今だ!)

 ほんの少し、リアーナの意識が通信機に移った瞬間を見逃さなかった。というより、最初からそれを狙っていたというべきだろう。その一瞬の隙をついたラギは体当たりでリアーナを押し倒す。

 「このアマァ!」

 仰向けに倒れたリアーナの上に馬乗りになり、その細い首を絞めるラギの目には憎悪がみなぎっている。

 (…ダ…メ……。ウラ…ボ……ス…)

 呼吸ができず、意識が薄れてくるなか、リアーナは無意識にウラボスの名を思い浮かべた。



 「キャルトを出ているのか」

 消火を終えたウラボスは、ラギを追跡しているリアーナを追って林までやってきた。

 右手の人差し指に視線を落とす。その指先から魔力によって作り出された極細の糸が林の奥へと伸びている。

 「俺がいない間に無茶してなければいいんだけど…」

 独り言を呟きながら木々の間を矢のように駆け抜ける。



 (おいおい、俺になんの怨みがあるんだ?)

 先を急ぐウラボスだったが不意に足を止め、周囲を取り囲む異様な気配に注意を払う。この世に無念を残して亡者となった元人間、ゴーストだ。

 (こいつら、スペクターか)

 ウラボスは周りのゴーストをスペクターと断定する。

 スペクターは、ゴーストの中でも余りにも強い怨念を残したため人間を見境なく襲う悪霊である。

 その数は20体にもおよんだ。それらがウラボスをとり殺そうと一斉に襲ってくる。

 「まったく。急いでる時に面倒くさいなぁ。まあ、いいか。さっさと終わらせよう」

 ウラボスは左手を頭上に掲げながら魔力を練り上げ、光の球を作り出す。

 「光線魔術レイ・アロー!」

 光の球は無数の光線となって弾け飛んだ。それらはスペクターを次々に貫き、消滅させていく。

 一瞬で20体ものスペクターを全滅させたウラボスは追跡を再開する。



 「ちっ!」

 程なくリアーナとラギに追い付いたウラボスだったが、その視界がとらえたのは仰向けに倒されたリアーナの首を絞めるラギの姿であった。

 「雷撃矢魔術ライトニング・アロー

 即座に放たれた稲妻の矢はラギに命中した。勢いよく弾き飛ばされたラギは地面に激しく打ち付けられる。

 「な、なんだ!?」

 ラギはヨロヨロと起き上がるが、状況がのみこめていない。

 「意識を失っているだけか。どうにか間に合ったようだな…」

 リアーナの状態を確認してウラボスは安堵する。

 「う…うそだろ……。なんだってあんたが俺たちの居場所がわかるってんだ?」

 「なあに、大したことはしちゃいないさ。答えはコレさ」

 面食らって狼狽しているラギにウラボスは右手の人差し指の立てて見せる。だが、ラギは何を意味しているのか理解できないでいた。

 「しょうがない。これならわかるだろ?」

 ウラボスが人差し指にさらに魔力を集めると魔力の糸が現れた。さらに、それはラギの体へと繋がっているではないか。

 「なに!? 追跡糸魔術ライン…だと?」

 ラギは信じがたい事態に混乱する。追跡糸魔術ラインは追跡する対象者に魔力の糸を取り付けることで相手の正確な居場所を知る魔術である。だが、糸を太くすれば気づかれやすくなり、細くすれば切れやすくなる。これだけの極細だと本来ならば切れてしまっているはず。しかし、ウラボスの並外れた能力によって維持されているのだった。

 「いつの間に仕込みやがった!?」

 「最初におまえを見つけた時さ。指差すと同時に仕込んでおいたんだ」

 ウラボスが消火にあたる前、リアーナにラギが隠れていることを伝えた時のことだ。

 「あんな所からここまで切れずに繋がっていたってのか!! あんた、なにもんだ?」

 「冒険パーティー暁の渡り鳥に所属している村人さ」

 「村人だと!? ふざけるな!」

 「べつにふざけてなんかいないさ。それが事実だ」

 ラギは絶句する。

 「さてさて。それじゃ覚悟してもらおうか」

 「う…くっ……」

 (どうやったところで、村人を名乗るこの男には勝てねぇ)

 ラギは直感で理解した。その直後、ウラボスの強烈な一撃によりあえなく気絶することになるのだった。
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