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3章 淫魔に憑かれた村
STORY55 落ち込むリアーナ
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「みんな、おはよう!」
翌朝、目覚めたリアーナは教会の表に出ると、リャッカが村人にことの顛末を説明しているところだった。ちなみに、ウラボスは草むらに寝転がって日光浴、グランザは子供たちの遊び相手をしている。
「おはよう。体調はよくなったみたいだな」
「うん。心配かけてごめんね……」
「いいさ」
ウラボスは短く答え、起き上がる。
「まだ、なんだか実感がないんだよね……。わたしにそんな力があったなんて……」
リアーナは両手の掌を視線を落として呟く。
「全能力強化超魔術のことか。これからが大変だぞ。まずは自分の意思で発動できるようにならなければならないし、発動した力を制御しなければならない。もちろん、基礎能力もしっかり鍛えないとだしな」
「アハハ…ハ……前途多難そうだけど、がんばります……」
リアーナは苦笑する。
「あっ、リアーナさん! おはようございます」
「おはようニャ!」
「グランザ、リャッカちゃん、おはよう。二人にも心配かけちゃったね。ごめんなさい」
「気にしないでください。リアーナさんが元気になられて本当によかったです」
「そうニャ。謝らなくていいニャ!」
「ありがとう」
リアーナ、リャッカ、グランザは互いに笑顔を交わし合う。
「ところで、約束の件は憶えてるかニャ?」
リャッカがウラボスに訊く。
「ああ。暁の渡り鳥の活動資金のことだろ? とりあえず町まで行くとしようか」
「町に何かあるんですか?」
「まぁな。全ては町に着いてからの話だ」
グランザに訊かれ、曖昧な答えを返す。
「まさか、本当に銀行強盗をするんじゃないよニャ?」
「おいおい、そんなことをすればお尋ね者じゃないか」
「それじゃ、どうやってお金を作るニャ?」
リャッカは気になってしかたがない様子だ。
「まっ、いろいろと当てはあるのさ。俺に一任してもらおうか」
やはり、明確な返答はしない。
「……とりあえず、その件はウラボスを信じて任せましょう。……でも、無茶だけはしないでね。わたしたちみんなでなんとか……」
「無理ニャ。暁の渡り鳥の資金は0ニャ。安い仕事ばかりだと宿代やら食事代を稼ぐだけでも大変ニャ。かといって、高額の依頼はすぐ埋まっちゃうニャ……。流れ者の冒険者は高額依頼の取り合いには不利ニャ」
「リャッカの言うように、俺たちのような流れ者の冒険者はその土地で長く仕事をしている冒険者たちとは信頼性が違うからな。ギルドとしても、いい仕事は各土地の冒険者に回す傾向にあるもんさ」
「だったら、何かアルバイトとか……」
「それも難しいと思います……。冒険者の仕事ってモンスターや盗賊と戦ったりしてるイメージが強いですからね。普通の人たちからすれば野蛮な印象を持たれがちなんです……」
論破され押し黙るリアーナ。なんとかしてウラボスに負担をかけまいと思考を巡らせる。また、リーダーとしての力不足と考えの甘さを痛感していた。
「俺を信用してくれてるんだろ? だったら、この件は俺に任せてくれるよな?」
ウラボスはリアーナの肩に手を置いて片眼を閉じる。
「……うん、わかった。ウラボスに負担をかけちゃって本当にごめんなさい。わたしがもっとしっかりしてれば……」
「気にするな。俺が好きでやってることだ。それに、弱い立場の相手の仕事を優先して受けるリアーナを応援したいし、これからもそんなリアーナであってほしいと願ってるんだぜ」
微笑むウラボス。リアーナは感謝しつつ微笑み返す。
翌朝、目覚めたリアーナは教会の表に出ると、リャッカが村人にことの顛末を説明しているところだった。ちなみに、ウラボスは草むらに寝転がって日光浴、グランザは子供たちの遊び相手をしている。
「おはよう。体調はよくなったみたいだな」
「うん。心配かけてごめんね……」
「いいさ」
ウラボスは短く答え、起き上がる。
「まだ、なんだか実感がないんだよね……。わたしにそんな力があったなんて……」
リアーナは両手の掌を視線を落として呟く。
「全能力強化超魔術のことか。これからが大変だぞ。まずは自分の意思で発動できるようにならなければならないし、発動した力を制御しなければならない。もちろん、基礎能力もしっかり鍛えないとだしな」
「アハハ…ハ……前途多難そうだけど、がんばります……」
リアーナは苦笑する。
「あっ、リアーナさん! おはようございます」
「おはようニャ!」
「グランザ、リャッカちゃん、おはよう。二人にも心配かけちゃったね。ごめんなさい」
「気にしないでください。リアーナさんが元気になられて本当によかったです」
「そうニャ。謝らなくていいニャ!」
「ありがとう」
リアーナ、リャッカ、グランザは互いに笑顔を交わし合う。
「ところで、約束の件は憶えてるかニャ?」
リャッカがウラボスに訊く。
「ああ。暁の渡り鳥の活動資金のことだろ? とりあえず町まで行くとしようか」
「町に何かあるんですか?」
「まぁな。全ては町に着いてからの話だ」
グランザに訊かれ、曖昧な答えを返す。
「まさか、本当に銀行強盗をするんじゃないよニャ?」
「おいおい、そんなことをすればお尋ね者じゃないか」
「それじゃ、どうやってお金を作るニャ?」
リャッカは気になってしかたがない様子だ。
「まっ、いろいろと当てはあるのさ。俺に一任してもらおうか」
やはり、明確な返答はしない。
「……とりあえず、その件はウラボスを信じて任せましょう。……でも、無茶だけはしないでね。わたしたちみんなでなんとか……」
「無理ニャ。暁の渡り鳥の資金は0ニャ。安い仕事ばかりだと宿代やら食事代を稼ぐだけでも大変ニャ。かといって、高額の依頼はすぐ埋まっちゃうニャ……。流れ者の冒険者は高額依頼の取り合いには不利ニャ」
「リャッカの言うように、俺たちのような流れ者の冒険者はその土地で長く仕事をしている冒険者たちとは信頼性が違うからな。ギルドとしても、いい仕事は各土地の冒険者に回す傾向にあるもんさ」
「だったら、何かアルバイトとか……」
「それも難しいと思います……。冒険者の仕事ってモンスターや盗賊と戦ったりしてるイメージが強いですからね。普通の人たちからすれば野蛮な印象を持たれがちなんです……」
論破され押し黙るリアーナ。なんとかしてウラボスに負担をかけまいと思考を巡らせる。また、リーダーとしての力不足と考えの甘さを痛感していた。
「俺を信用してくれてるんだろ? だったら、この件は俺に任せてくれるよな?」
ウラボスはリアーナの肩に手を置いて片眼を閉じる。
「……うん、わかった。ウラボスに負担をかけちゃって本当にごめんなさい。わたしがもっとしっかりしてれば……」
「気にするな。俺が好きでやってることだ。それに、弱い立場の相手の仕事を優先して受けるリアーナを応援したいし、これからもそんなリアーナであってほしいと願ってるんだぜ」
微笑むウラボス。リアーナは感謝しつつ微笑み返す。
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