70 / 207
4章 呪われたウラボス
STORY64 ウラちゃん
しおりを挟む
宿屋の客室のベッドの上。リアーナに添い寝をされたウラボスが静かに寝息を立てている。
「それじゃ、このまま数日経てばウラボスさんは元に戻るんだね! ……よかった!」
グランザは胸を撫で下ろす。
「まったくニャ……。もしも、ずっとあのままだったら罪悪感に耐えられないところだったニャ……」
「アハハハ……。ウラボスさんが呪われる原因をつくったのはリャッカだからね」
グランザが笑う。
「笑い事じゃないニャ! 今回ばかりはあたしも反省したニャ……」
疲れを滲ませながら、リャッカは目の前のテーブルに置かれたお茶を一口啜る。
「それにしても大きい宿屋だニャア……」
リャッカが客室内を見回しながら漏らす。
「うん。この宿屋は僕みたいな巨人に対応した宿屋だからね! それにこの宿屋なら防音対策がバッチリだからウラボスさんが夜泣きしても大丈夫だよ」
「夜泣きって……」
得意気に話すグランザにリャッカは苦笑いする。
「ところで……」
リャッカはウラボスの傍らで添い寝しているリアーナに視線を向けた。
「いつまでウラボスにくっついてるニャ?」
「だって、すっごくかわいいんだよ」
リアーナは満面の笑みを浮かべながら返す。
「それはわかるけど、リアーナも少し休んだらどうニャ?」
「ウラちゃんと一緒にいるだけで充分癒されてるよ。ねっ、ウラちゃん!」
(ウラちゃんって……)
リャッカとグランザは心の中で同じツッコミを同時に入れる。
「おじいちゃんに話を聞くまではウラボスがどうなるか心配でしかたなかったんだろうけど、今はウラちゃんがかわいいって気持ちだけが残ってる感じだニャ……」
ウラボスに頬擦りしているリアーナを横目にリャッカが半ば呆れている。
(リャッカまでウラちゃんって呼び始めてる……。早く戻らないとウラちゃんが定着してしまうかも……)
グランザはウラボスが元に戻った時のことを考える。
「ウラボスが元に戻るまでは冒険者としての仕事はお休みニャ。せっかくの連休なんだし、あたしはゆっくり休ませてもらうニャ」
そう言って、リャッカはベッドに潜り込んでしまう。
「僕もせっかくなので休ませてもらいます。何かお手伝いできることがあれば声を掛けてくださいね。リアーナさんもあまり無理をしてはダメですよ。そんなこと、ウラボスさんだって望んでないですから」
グランザもベッドへと体を沈めながらリアーナに声を掛ける。
「ありがとう。わたしなら本当に大丈夫だから。2人とも、ゆっくり休んでね」
リアーナは笑顔で返すと、ウラボスをそっと抱いて眠りについた。
「それじゃ、このまま数日経てばウラボスさんは元に戻るんだね! ……よかった!」
グランザは胸を撫で下ろす。
「まったくニャ……。もしも、ずっとあのままだったら罪悪感に耐えられないところだったニャ……」
「アハハハ……。ウラボスさんが呪われる原因をつくったのはリャッカだからね」
グランザが笑う。
「笑い事じゃないニャ! 今回ばかりはあたしも反省したニャ……」
疲れを滲ませながら、リャッカは目の前のテーブルに置かれたお茶を一口啜る。
「それにしても大きい宿屋だニャア……」
リャッカが客室内を見回しながら漏らす。
「うん。この宿屋は僕みたいな巨人に対応した宿屋だからね! それにこの宿屋なら防音対策がバッチリだからウラボスさんが夜泣きしても大丈夫だよ」
「夜泣きって……」
得意気に話すグランザにリャッカは苦笑いする。
「ところで……」
リャッカはウラボスの傍らで添い寝しているリアーナに視線を向けた。
「いつまでウラボスにくっついてるニャ?」
「だって、すっごくかわいいんだよ」
リアーナは満面の笑みを浮かべながら返す。
「それはわかるけど、リアーナも少し休んだらどうニャ?」
「ウラちゃんと一緒にいるだけで充分癒されてるよ。ねっ、ウラちゃん!」
(ウラちゃんって……)
リャッカとグランザは心の中で同じツッコミを同時に入れる。
「おじいちゃんに話を聞くまではウラボスがどうなるか心配でしかたなかったんだろうけど、今はウラちゃんがかわいいって気持ちだけが残ってる感じだニャ……」
ウラボスに頬擦りしているリアーナを横目にリャッカが半ば呆れている。
(リャッカまでウラちゃんって呼び始めてる……。早く戻らないとウラちゃんが定着してしまうかも……)
グランザはウラボスが元に戻った時のことを考える。
「ウラボスが元に戻るまでは冒険者としての仕事はお休みニャ。せっかくの連休なんだし、あたしはゆっくり休ませてもらうニャ」
そう言って、リャッカはベッドに潜り込んでしまう。
「僕もせっかくなので休ませてもらいます。何かお手伝いできることがあれば声を掛けてくださいね。リアーナさんもあまり無理をしてはダメですよ。そんなこと、ウラボスさんだって望んでないですから」
グランザもベッドへと体を沈めながらリアーナに声を掛ける。
「ありがとう。わたしなら本当に大丈夫だから。2人とも、ゆっくり休んでね」
リアーナは笑顔で返すと、ウラボスをそっと抱いて眠りについた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
10
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる