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4章 呪われたウラボス
STORY70 解呪!
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グロアが失神したことで決着がついた。ゼルアルは大剣を鞘に納めると、地面に転がっていたレイピアを拾い上げ、リアーナに返す。
「いい剣だ。手入れもよく行き届いてるじゃないか」
「ありがとうございます! レイピアを誉めていただいたこともですけど、それよりもウラちゃんのこと……。ゼルアルさんが加勢してくれなければ今頃はきっと……。あっ、申し遅れました。わたしは冒険者のリアーナといいます」
リアーナはレイピアを鞘に納め、ウラちゃんをしっかり抱いたままお辞儀する。
「俺はゼルアル。気にする必要はねぇよ」
「でも、助かったよね、ウラちゃん」
「ぶぅ……」
ウラちゃんはなぜか不機嫌そうに顔をそむける。
「ど、どうしたの? ウラちゃん? ごめんなさい、普段はこんなことないんだけど……」
「この仮面が嫌なのか?」
ゼルアルは仮面をはずす。
「ぶぅ!……」
やはりゼルアルを見ようとはしないウラちゃん。
「もぅ! ウラちゃん!?」
リアーナに叱られてもウラちゃんは不機嫌なままである。
「あの…ご迷惑じゃなかったら、わたしたちが宿泊している宿に来てくださいませんか? ちゃんとしたお礼もしたいですし……お願いします!」
「……それじゃ、お言葉に甘えさせてもらおうかな」
「はい! ぜひ!!」
承諾したゼルアルにリアーナは笑顔を見せる。
◎
宿に戻ったリアーナはゼルアルにリャッカとグランザを紹介し、これまでの経緯を説明した。
「ゼルアルさん、本当にありがとうございました!」
「ありがとうニャ! 感謝するニャ!」
グランザもリャッカも口々に礼を述べる。
「改めて、本当にありがとうございました。お陰さまで助かりました」
ウラちゃんをベッドに寝かし、ゼルアルに深々と頭を下げるリアーナ。
「いや、俺は大したことはしてねぇよ……」
言いつつ、ゼルアルはグランザとリャッカを気にしているようだ。
「サイクロプスとケットシーが一緒にいるパーティーって珍しいですよね」
ゼルアルの様子に気づいたリアーナが言う。
(こいつら、まさか真なる支配者の仲間か……)
ここにきて、ゼルアルはようやく思い出した。キャルトの町の近くで真なる支配者と歩いていた連中のことを……。
(だとすると、あいつがいねぇのはなぜだ?……まさか?……)
ゼルアルはベッドの上のウラちゃんに視線を送る。
「アハハハハハハハハッ!!!」
突然の大爆笑にリアーナたちが驚く。
「どどど、どうしたニャ!?」
「ああ、すまねぇ。ちょっとな……クククククク!」
ゼルアルは、リャッカに答えつつも込み上げてくる笑いを抑えきれない。
(よく見りゃ、あのガキ……。そういうことかよ。それなら初対面の俺に対する態度も納得できるってもんだ)
笑いが止まらない様子のゼルアルをリアーナたちは呆気にとられて見ている。
◎
「ふぅ……」
ひとしきり大笑いしたあと、ゼルアルは一息つく。
「どうしたんですか?」
リアーナはゼルアルを見つめて訊く。
「なぁ、リアーナ嬢ちゃんよ。俺はあんたらを知ってるようだぜ」
「どこかでお会いしましたか?」
リアーナの質問にゼルアルはクク…と喉を鳴らす。
「いいや。あんたらと直接会うのは初めてだ。だが、あんたらの言うウラちゃんとは一度殺り合ったことがある」
「ウラちゃんとって、どういう意味ですか?」
リアーナが疑問をぶつける。
「違うニャ! こいつが言ってるのはウラボスのことニャ!」
突然、警戒心を強くするリャッカ。
「どうしたんだい、リャッカ?」
グランザが訊く。
「暁の渡り鳥を知ってるけど、ウラボス以外とは直接会ったことがない。そのうえ、ウラボスと戦ったことがあるといえば……キャルトの近くでウラボスに深手を負わせたやつニャ!!」
リャッカの一言で緊迫した空気が流れる。リアーナは咄嗟にウラちゃんを背中にゼルアルと対峙し、レイピアを構える。グランザとリャッカもそれぞれ武器を手にして臨戦態勢をとった。
「やめておけ。今のおまえたちでも勝てる相手じゃない」
リアーナの背後から青年が声をかける。それに全員の視線が集まる。
「ウラちゃん!」
リアーナ、リャッカ、グランザが声を揃える。それに対してウラボスは眉を寄せた。
「いい剣だ。手入れもよく行き届いてるじゃないか」
「ありがとうございます! レイピアを誉めていただいたこともですけど、それよりもウラちゃんのこと……。ゼルアルさんが加勢してくれなければ今頃はきっと……。あっ、申し遅れました。わたしは冒険者のリアーナといいます」
リアーナはレイピアを鞘に納め、ウラちゃんをしっかり抱いたままお辞儀する。
「俺はゼルアル。気にする必要はねぇよ」
「でも、助かったよね、ウラちゃん」
「ぶぅ……」
ウラちゃんはなぜか不機嫌そうに顔をそむける。
「ど、どうしたの? ウラちゃん? ごめんなさい、普段はこんなことないんだけど……」
「この仮面が嫌なのか?」
ゼルアルは仮面をはずす。
「ぶぅ!……」
やはりゼルアルを見ようとはしないウラちゃん。
「もぅ! ウラちゃん!?」
リアーナに叱られてもウラちゃんは不機嫌なままである。
「あの…ご迷惑じゃなかったら、わたしたちが宿泊している宿に来てくださいませんか? ちゃんとしたお礼もしたいですし……お願いします!」
「……それじゃ、お言葉に甘えさせてもらおうかな」
「はい! ぜひ!!」
承諾したゼルアルにリアーナは笑顔を見せる。
◎
宿に戻ったリアーナはゼルアルにリャッカとグランザを紹介し、これまでの経緯を説明した。
「ゼルアルさん、本当にありがとうございました!」
「ありがとうニャ! 感謝するニャ!」
グランザもリャッカも口々に礼を述べる。
「改めて、本当にありがとうございました。お陰さまで助かりました」
ウラちゃんをベッドに寝かし、ゼルアルに深々と頭を下げるリアーナ。
「いや、俺は大したことはしてねぇよ……」
言いつつ、ゼルアルはグランザとリャッカを気にしているようだ。
「サイクロプスとケットシーが一緒にいるパーティーって珍しいですよね」
ゼルアルの様子に気づいたリアーナが言う。
(こいつら、まさか真なる支配者の仲間か……)
ここにきて、ゼルアルはようやく思い出した。キャルトの町の近くで真なる支配者と歩いていた連中のことを……。
(だとすると、あいつがいねぇのはなぜだ?……まさか?……)
ゼルアルはベッドの上のウラちゃんに視線を送る。
「アハハハハハハハハッ!!!」
突然の大爆笑にリアーナたちが驚く。
「どどど、どうしたニャ!?」
「ああ、すまねぇ。ちょっとな……クククククク!」
ゼルアルは、リャッカに答えつつも込み上げてくる笑いを抑えきれない。
(よく見りゃ、あのガキ……。そういうことかよ。それなら初対面の俺に対する態度も納得できるってもんだ)
笑いが止まらない様子のゼルアルをリアーナたちは呆気にとられて見ている。
◎
「ふぅ……」
ひとしきり大笑いしたあと、ゼルアルは一息つく。
「どうしたんですか?」
リアーナはゼルアルを見つめて訊く。
「なぁ、リアーナ嬢ちゃんよ。俺はあんたらを知ってるようだぜ」
「どこかでお会いしましたか?」
リアーナの質問にゼルアルはクク…と喉を鳴らす。
「いいや。あんたらと直接会うのは初めてだ。だが、あんたらの言うウラちゃんとは一度殺り合ったことがある」
「ウラちゃんとって、どういう意味ですか?」
リアーナが疑問をぶつける。
「違うニャ! こいつが言ってるのはウラボスのことニャ!」
突然、警戒心を強くするリャッカ。
「どうしたんだい、リャッカ?」
グランザが訊く。
「暁の渡り鳥を知ってるけど、ウラボス以外とは直接会ったことがない。そのうえ、ウラボスと戦ったことがあるといえば……キャルトの近くでウラボスに深手を負わせたやつニャ!!」
リャッカの一言で緊迫した空気が流れる。リアーナは咄嗟にウラちゃんを背中にゼルアルと対峙し、レイピアを構える。グランザとリャッカもそれぞれ武器を手にして臨戦態勢をとった。
「やめておけ。今のおまえたちでも勝てる相手じゃない」
リアーナの背後から青年が声をかける。それに全員の視線が集まる。
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