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6章 オーク大戦
STORY107 ウォグ戦③
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「さぁて、マカ姉さんのところへ応援にいくとするか! といっても、必要ねぇかもな。姉さん、あれで俺より強ぇからな」
ウォグは独り言をこぼす。
「行かせ…ない……」
リアーナは立ち上がり、レイピアを構える。
「立ち上がったところで何ができるってんだ?」
ウォグは勝ち誇った笑みを見せる。
リアーナは静かに息を調える。
(今ならできそうな気がする……。成功させなきゃウラボスに負担をかけちゃう…。それはいや!)
リアーナは黙ったまま魔力と精神を極限まで高める。
「全能力強化超魔術!」
リアーナが自らの切り札ともいえる魔術名を叫んだ。身体の奥底からわき上がってくる力を感じる。
(なんだ!?)
ウォグは驚愕した。満身創痍だったはずのリアーナの傷が跡形もなく消えていく。そして、目の前の敵は警戒すべき相手だと本能が告げている。
「くそ! ズタズタにしてやる!!」
ウォグは十指の爪による連続攻撃をくり出す。が、リアーナはそれを苦もなく回避した。
「やぁぁ!」
リアーナは連続突きで反撃する。先ほどまでとは威力・速さ・切れがまるで違った。
「ぐぁぁぁぁっ!」
ウォグは叫び、リアーナから離れる。
「なんだってんだ!?」
ウォグの中で焦りが生じる。まさか自分が追い込まれる立場になるなど考えもしなかった。
(今のあの女、マカ姉さんとも互角なんじゃねぇのかよ!?)
自分が知る限りでは最強の人物であるマカと互角と思える相手など存在しないと思っていたウォグにとっては信じ難い状況である。
「光線魔術!」
リアーナは修得したての攻撃魔術を詠唱発動させる。
「ぐぉぉぉぉっ!」
放たれた光線は避ける間もなくウォグの右足を貫通していく。
(くそったれめ!)
ウォグは傷ついた身体でどうにか臨戦態勢をとる。
「光線魔術」
リアーナはさらに追撃の光線を放つ。それらはウォグの急所を外して貫通していく。
(くそ! なぶり殺しかよ!?)
草むらの上に仰向けに倒れたウォグへ悔しさに歯を食いしばる。
視界にリアーナが映る。
「もう、降参してくれるよね?」
リアーナは静かに問う。
「ふざけるな! こっちにはまだマカ姉さんがいる!! マカ姉さんならおまえにだって!」
痛みに耐えながらウォグは言う。だが、リアーナの反応は予想外のものだった。
リアーナは微笑みを浮かべた。
「そっか。でも、わたしはウラボスが勝つって信じてる。だから、ここでおとなしく一緒に待っていようよ。ね?」
ウォグは理解が追い付かない。リアーナはなぜとどめを刺そうとしないのかわからない。だが、今のウォグにはリアーナに抗う力はないことだけは明白であった。
「……いいだろう。マカ姉さんが戻ってきた時がおまえたちの最後だからな!」
ウォグの精一杯の強がりをリアーナは笑顔で受け止めた。
ウォグは独り言をこぼす。
「行かせ…ない……」
リアーナは立ち上がり、レイピアを構える。
「立ち上がったところで何ができるってんだ?」
ウォグは勝ち誇った笑みを見せる。
リアーナは静かに息を調える。
(今ならできそうな気がする……。成功させなきゃウラボスに負担をかけちゃう…。それはいや!)
リアーナは黙ったまま魔力と精神を極限まで高める。
「全能力強化超魔術!」
リアーナが自らの切り札ともいえる魔術名を叫んだ。身体の奥底からわき上がってくる力を感じる。
(なんだ!?)
ウォグは驚愕した。満身創痍だったはずのリアーナの傷が跡形もなく消えていく。そして、目の前の敵は警戒すべき相手だと本能が告げている。
「くそ! ズタズタにしてやる!!」
ウォグは十指の爪による連続攻撃をくり出す。が、リアーナはそれを苦もなく回避した。
「やぁぁ!」
リアーナは連続突きで反撃する。先ほどまでとは威力・速さ・切れがまるで違った。
「ぐぁぁぁぁっ!」
ウォグは叫び、リアーナから離れる。
「なんだってんだ!?」
ウォグの中で焦りが生じる。まさか自分が追い込まれる立場になるなど考えもしなかった。
(今のあの女、マカ姉さんとも互角なんじゃねぇのかよ!?)
自分が知る限りでは最強の人物であるマカと互角と思える相手など存在しないと思っていたウォグにとっては信じ難い状況である。
「光線魔術!」
リアーナは修得したての攻撃魔術を詠唱発動させる。
「ぐぉぉぉぉっ!」
放たれた光線は避ける間もなくウォグの右足を貫通していく。
(くそったれめ!)
ウォグは傷ついた身体でどうにか臨戦態勢をとる。
「光線魔術」
リアーナはさらに追撃の光線を放つ。それらはウォグの急所を外して貫通していく。
(くそ! なぶり殺しかよ!?)
草むらの上に仰向けに倒れたウォグへ悔しさに歯を食いしばる。
視界にリアーナが映る。
「もう、降参してくれるよね?」
リアーナは静かに問う。
「ふざけるな! こっちにはまだマカ姉さんがいる!! マカ姉さんならおまえにだって!」
痛みに耐えながらウォグは言う。だが、リアーナの反応は予想外のものだった。
リアーナは微笑みを浮かべた。
「そっか。でも、わたしはウラボスが勝つって信じてる。だから、ここでおとなしく一緒に待っていようよ。ね?」
ウォグは理解が追い付かない。リアーナはなぜとどめを刺そうとしないのかわからない。だが、今のウォグにはリアーナに抗う力はないことだけは明白であった。
「……いいだろう。マカ姉さんが戻ってきた時がおまえたちの最後だからな!」
ウォグの精一杯の強がりをリアーナは笑顔で受け止めた。
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