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8章 王都レビオルム
STORY132 超高級宿 ホテル・パレス
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ルチヌムの街を出発して3日後の夜。
冒険パーティー暁の渡り鳥はアムキナト王国の王都レビオルムへと到着した。
「さすがは王都っていうだけあるな。夜だというのにけっこうな賑わいだ」
王都レビオルムのメインストリートを歩きながらウラボスが感心する。行き交う人の数は昼間のルチヌムと然程も変わらない。
「ほんとねぇ……。まずは宿屋を探さなきゃ」
リアーナが宿屋の看板を探す。
「あそこなんてどうニャ!? あの大きさだときっとグランザも一緒に泊まれるニャ!」
リャッカが一際大きな宿屋を指差す。
「リャッカちゃん……」
リアーナが苦笑する。
「おまえなぁ……。見るからに高級宿って感じじゃないか」
「チッチッチッ…。ウラボス君はわかってないニャア。充実した休息を取ることも一流の冒険者には必要なのだニャ」
リャッカがもっともらしく言う。
「それだったら、なにも高級宿である必要はないよ。ニギヤカ亭だって高級宿じゃなかったけどすごく良かったよ」
グランザがニギヤカ亭でのネネカたちの心尽くしのサービスを思い返す。
「たしかにそうニャ。でも、高級宿のサービスというのも一度は経験しておいたほうがいいニャ。なんでも経験は大事なのニャ」
たとえ、パーティー全員から反対されようとリャッカは負けない、挫けない。
「はぁ……。それじゃ、ここはリーダーのリアーナに決めてもらうのはどうだ?」
「えっ? わたし!?」
話をふられて声をあげるリアーナ。
「リアーナ~! お願いニャ~!」
遂にはリアーナにすがって泣き付く。
「……もぅ…しょうがないなぁ……。ウラボス、グランザ…たまにはいいよね?」
「リアーナさんがそう言うなら、僕はかまいませんよ」
「ああ。俺もかまわない」
グランザとウラボスも了解する。
「やったニャア! 今夜はリッチな夜を過ごせるのニャ~!!」
リャッカは跳び跳ねて喜びを表す。
◎
「いらっしゃいませ。ホテル・パレスへようこそおいでくださいました」
玄関に入ると執事服を着た男性が応対にやってきた。
「宿泊したいニャ!」
リャッカが言う。
「さようでございますか。では、こちらでお手続きをお願いいたします」
「わかったニャ!」
リャッカは執事服の男性と共に受付カウンターへ向かう。
「フフ…。リャッカちゃん、嬉しそうだね」
リアーナが笑顔で見つめる。
「ああ。ずっと高級宿に泊まりたがってたからな」
「はい。やっと念願が叶ったんですもんね」
ウラボスとグランザもリャッカの姿を見ている。
「1週間くらいの連泊でいいかニャ?」
リャッカが振り向いてリアーナに訊く。
「うん、それでいいよ」
「了解ニャ!」
リアーナの答えを確認したリャッカが受付用紙に記入する。
「では、当ホテルは宿泊料金が先払いとなっております。なお、お客様が予定より早くお発ちになる場合などは払い戻しにも応じさせていただきますのでご安心を……」
「オッケーだニャ!」
了承し、宿泊料を先に支払ったリャッカが受付を済ませて3人のところに戻ってくる。
◎
「部屋に案内するそうニャ。ついていくニャ」
「うん」
リアーナたちは部屋への案内役の従業員についていった。
◎
「さすがに豪華ですね!」
案内された部屋に入り、グランザが第一声を発する。
サイクロプスのグランザでも広々と眠れる超特大サイズのベッドが4つ置かれたベッドルーム。
リビングルームの天井では大きくきらびやかなシャンデリアが部屋を明るく照らし、シーリングファンが空気を均等に循環させている。備え付けのソファーも高級仕様となっていて、その前の大きな窓からはレビオルムの夜景が一望できるようだ。さらにソファーの近くにあるワインセラーにはこれまた高級ワインがズラリと並べられていた。テーブルの上には高級フルーツが盛りつけられた大皿が置かれている。床には高級絨毯が敷かれている。
さらに、バスルームからも夜景を堪能することができた。
「すごい……。ここの宿泊費っていくらなの?」
「ロイヤルスイートルームだから一人一泊50万コルだニャ♪」
「「「50万!?」」」
ウラボス、リアーナ、グランザが声をそろえて驚く。一人一泊50万ということは一日当たり200万となり、一週間の連泊では実に1400万コルドとなる。
「と……とにかく、せっかくなんだからゆっくりしましょうか…」
リアーナはひきつった笑顔を見せながらも急な眩暈を感じ、ベッドの上に腰を下ろす。
宿泊の受付をリャッカ1人に任せたのが間違いだったと気付いた時には既に遅かった……。
冒険パーティー暁の渡り鳥はアムキナト王国の王都レビオルムへと到着した。
「さすがは王都っていうだけあるな。夜だというのにけっこうな賑わいだ」
王都レビオルムのメインストリートを歩きながらウラボスが感心する。行き交う人の数は昼間のルチヌムと然程も変わらない。
「ほんとねぇ……。まずは宿屋を探さなきゃ」
リアーナが宿屋の看板を探す。
「あそこなんてどうニャ!? あの大きさだときっとグランザも一緒に泊まれるニャ!」
リャッカが一際大きな宿屋を指差す。
「リャッカちゃん……」
リアーナが苦笑する。
「おまえなぁ……。見るからに高級宿って感じじゃないか」
「チッチッチッ…。ウラボス君はわかってないニャア。充実した休息を取ることも一流の冒険者には必要なのだニャ」
リャッカがもっともらしく言う。
「それだったら、なにも高級宿である必要はないよ。ニギヤカ亭だって高級宿じゃなかったけどすごく良かったよ」
グランザがニギヤカ亭でのネネカたちの心尽くしのサービスを思い返す。
「たしかにそうニャ。でも、高級宿のサービスというのも一度は経験しておいたほうがいいニャ。なんでも経験は大事なのニャ」
たとえ、パーティー全員から反対されようとリャッカは負けない、挫けない。
「はぁ……。それじゃ、ここはリーダーのリアーナに決めてもらうのはどうだ?」
「えっ? わたし!?」
話をふられて声をあげるリアーナ。
「リアーナ~! お願いニャ~!」
遂にはリアーナにすがって泣き付く。
「……もぅ…しょうがないなぁ……。ウラボス、グランザ…たまにはいいよね?」
「リアーナさんがそう言うなら、僕はかまいませんよ」
「ああ。俺もかまわない」
グランザとウラボスも了解する。
「やったニャア! 今夜はリッチな夜を過ごせるのニャ~!!」
リャッカは跳び跳ねて喜びを表す。
◎
「いらっしゃいませ。ホテル・パレスへようこそおいでくださいました」
玄関に入ると執事服を着た男性が応対にやってきた。
「宿泊したいニャ!」
リャッカが言う。
「さようでございますか。では、こちらでお手続きをお願いいたします」
「わかったニャ!」
リャッカは執事服の男性と共に受付カウンターへ向かう。
「フフ…。リャッカちゃん、嬉しそうだね」
リアーナが笑顔で見つめる。
「ああ。ずっと高級宿に泊まりたがってたからな」
「はい。やっと念願が叶ったんですもんね」
ウラボスとグランザもリャッカの姿を見ている。
「1週間くらいの連泊でいいかニャ?」
リャッカが振り向いてリアーナに訊く。
「うん、それでいいよ」
「了解ニャ!」
リアーナの答えを確認したリャッカが受付用紙に記入する。
「では、当ホテルは宿泊料金が先払いとなっております。なお、お客様が予定より早くお発ちになる場合などは払い戻しにも応じさせていただきますのでご安心を……」
「オッケーだニャ!」
了承し、宿泊料を先に支払ったリャッカが受付を済ませて3人のところに戻ってくる。
◎
「部屋に案内するそうニャ。ついていくニャ」
「うん」
リアーナたちは部屋への案内役の従業員についていった。
◎
「さすがに豪華ですね!」
案内された部屋に入り、グランザが第一声を発する。
サイクロプスのグランザでも広々と眠れる超特大サイズのベッドが4つ置かれたベッドルーム。
リビングルームの天井では大きくきらびやかなシャンデリアが部屋を明るく照らし、シーリングファンが空気を均等に循環させている。備え付けのソファーも高級仕様となっていて、その前の大きな窓からはレビオルムの夜景が一望できるようだ。さらにソファーの近くにあるワインセラーにはこれまた高級ワインがズラリと並べられていた。テーブルの上には高級フルーツが盛りつけられた大皿が置かれている。床には高級絨毯が敷かれている。
さらに、バスルームからも夜景を堪能することができた。
「すごい……。ここの宿泊費っていくらなの?」
「ロイヤルスイートルームだから一人一泊50万コルだニャ♪」
「「「50万!?」」」
ウラボス、リアーナ、グランザが声をそろえて驚く。一人一泊50万ということは一日当たり200万となり、一週間の連泊では実に1400万コルドとなる。
「と……とにかく、せっかくなんだからゆっくりしましょうか…」
リアーナはひきつった笑顔を見せながらも急な眩暈を感じ、ベッドの上に腰を下ろす。
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