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8章 王都レビオルム
STORY136 襲撃①
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「なんだ、貴様らは!?……ぐわっ!」
「ぎゃあっ!」
謁見の間の外から兵士たちの悲鳴が聞こえてきた。
「何事だ!?」
ラグーナは玉座から立ち上がる。
ガシャガシャガシャ……
漆黒の鎧をまとった騎士の一団が、金属音を響かせて謁見の間に乱入してきた。
「黒騎士だと!?」
その姿を一目見てラグーナが声をあげる。突然の事態に状況をのみこめていない警備の騎士を次々に襲い始める。
「リアーナ、リャッカ! おまえたちは国王陛下を守れ! 俺とグランザは迎撃するぞ!」
ウラボスはリアーナに代わって指示を出して、黒騎士に立ち向かっていく。
「…あっ、うん!」
「了解ニャ!」
やや遅れてリアーナとリャッカがラグーナの元に駆け寄り、グランザも槍と盾を手に動く。
黒騎士たちの動きはエンダイク城の近衛騎士のそれより遥かに機敏であった。
身にまとう鎧の重さを感じさせない動きでグランザの槍をかわす。
(この人たちは何者なんだろう!? すごく強い!!)
幾多の戦場を生き抜いてきたグランザでさえ、なかなか仕留めることができない。
ふとウラボスの様子を見る。
(す、すごい……)
グランザは驚愕するしかなかった。ウラボスは、これほどの実力を持つ黒騎士たちを次々に打ち倒している。
「くそ! なんてやつだ!?」
ウラボスの強さを目の当たりにし、黒騎士たちに動揺が広がる。
ビュッ!
空気を切り裂く音とともに、一本の矢がウラボスに向かって一直線に飛んできた。
「ちぃ!」
黒騎士たちを相手にしていたウラボスは僅かに反応が遅れる。
矢の回避を諦めたウラボスはウッド・ロッドで弾いた。
バキッ
矢は軌道がそれて円柱に当たり、落下する。ウラボスは無傷である。だが、引き替えにウッド・ロッドが折れてしまった。
「今だ!!」
黒騎士たちは今が勝機とばかりに一斉にウラボスを取り囲んで攻撃を仕掛ける。
「水圧矢魔術」
だが、ウラボスは少しも慌てない。後方に宙返りして包囲を抜けると魔術を詠唱発動した。出現した無数の水の矢は黒騎士たちの鎧の間接部に吸い込まれるように命中していく。
「氷塊魔術」
着地したウラボスは続いての魔術を詠唱発動して氷の塊を作り出し、黒騎士たちに叩きつける。
あっという間の出来事だった。優勢であったはずの黒騎士たちはウラボス一人によって全滅させられてしまった。
「す、すごいニャ……」
ラグーナの警護にあたっていたリアーナとリャッカも呆然としていた。
「ぎゃあっ!」
謁見の間の外から兵士たちの悲鳴が聞こえてきた。
「何事だ!?」
ラグーナは玉座から立ち上がる。
ガシャガシャガシャ……
漆黒の鎧をまとった騎士の一団が、金属音を響かせて謁見の間に乱入してきた。
「黒騎士だと!?」
その姿を一目見てラグーナが声をあげる。突然の事態に状況をのみこめていない警備の騎士を次々に襲い始める。
「リアーナ、リャッカ! おまえたちは国王陛下を守れ! 俺とグランザは迎撃するぞ!」
ウラボスはリアーナに代わって指示を出して、黒騎士に立ち向かっていく。
「…あっ、うん!」
「了解ニャ!」
やや遅れてリアーナとリャッカがラグーナの元に駆け寄り、グランザも槍と盾を手に動く。
黒騎士たちの動きはエンダイク城の近衛騎士のそれより遥かに機敏であった。
身にまとう鎧の重さを感じさせない動きでグランザの槍をかわす。
(この人たちは何者なんだろう!? すごく強い!!)
幾多の戦場を生き抜いてきたグランザでさえ、なかなか仕留めることができない。
ふとウラボスの様子を見る。
(す、すごい……)
グランザは驚愕するしかなかった。ウラボスは、これほどの実力を持つ黒騎士たちを次々に打ち倒している。
「くそ! なんてやつだ!?」
ウラボスの強さを目の当たりにし、黒騎士たちに動揺が広がる。
ビュッ!
空気を切り裂く音とともに、一本の矢がウラボスに向かって一直線に飛んできた。
「ちぃ!」
黒騎士たちを相手にしていたウラボスは僅かに反応が遅れる。
矢の回避を諦めたウラボスはウッド・ロッドで弾いた。
バキッ
矢は軌道がそれて円柱に当たり、落下する。ウラボスは無傷である。だが、引き替えにウッド・ロッドが折れてしまった。
「今だ!!」
黒騎士たちは今が勝機とばかりに一斉にウラボスを取り囲んで攻撃を仕掛ける。
「水圧矢魔術」
だが、ウラボスは少しも慌てない。後方に宙返りして包囲を抜けると魔術を詠唱発動した。出現した無数の水の矢は黒騎士たちの鎧の間接部に吸い込まれるように命中していく。
「氷塊魔術」
着地したウラボスは続いての魔術を詠唱発動して氷の塊を作り出し、黒騎士たちに叩きつける。
あっという間の出来事だった。優勢であったはずの黒騎士たちはウラボス一人によって全滅させられてしまった。
「す、すごいニャ……」
ラグーナの警護にあたっていたリアーナとリャッカも呆然としていた。
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