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9章 魔女リリア討伐戦
STORY142 ゴブリン殲滅
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王都レビオルムを出発して丸一日が経ち、暁の渡り鳥は巨大ガーゴイルの目撃が数多く報告されている荒野へとたどり着いた。
「ゴブリンですね。それにしても、けっこうな数がいるようですね。ざっくりとですが200くらいでしょうか」
パーティー内でもっとも視力のいいグランザが遠くに見える、魔女リリアが潜伏いると思しき砦の様子を伝える。砦は、おそらくゴブリンたちに造らせたものだろう。その入り口の近くには例の巨大ガーゴイルが陣取っていた。
「さて、どう攻めようか。リーダー?」
ウラボスがリアーナの指示を仰ぐ。
「……ウラボス、リャッカちゃん、魔術的なトラップはありそう?」
「うーん、ここからだとなんとも言えないけど、たぶん何もないニャ」
「俺も同じ意見だ」
リャッカとウラボスが答える。
「ここから魔術で攻撃できそう?」
「できなくはないけど、威力と命中率は大きく下がるニャ。あと、魔力の消費も激しいニャ」
「だったら、もう少し近付いてみましょ。敵側の戦力がわからないし、魔力や物資の消耗は控えたほうがいいと思う」
「賛成だ」
リアーナの判断にウラボスが納得する。
◎
「火炎矢魔術」
充分に狙いを定められる位置まで近付いたウラボスが放った無数の炎の矢はゴブリンたちを次々に仕留めていく。
「なんだなんだ!?」
奇襲を受けて激しく狼狽して右往左往するゴブリンの群れ。
「お次はこれでどうだ?」
ウラボスが放った水圧矢魔術がゴブリンの数を更に削っていく。
◎
「なんだっていうのよ!?」
窓から見える光景に銀色の短髪の女が声をあげる。手下のゴブリンたちが姿の見えない敵に一方的に攻撃され、みるみる数を減らされていた。
(ちっ……城の魔術師どもにしては腕がよすぎるわね。となると、冒険者でも雇ったのかしら……)
銀色短髪の女は唇を噛む。
「おそらくは国王ラグーナに謁見していた者たちだろう」
エンダイク城で暁の渡り鳥と一戦交えた黒騎士の言葉に、銀色短髪の女はフンッと鼻を鳴らした。
「なるほどね~。私としたことが一瞬だけ焦ったわ。ゾワルを退けたやつらならこれくらいの芸当はできるか……。なかなかおもしろいじゃない」
「それで、こちらはどう動くつもりだね、リリア?」
ゾワルと呼ばれた黒騎士が銀色短髪の魔女に訊く。
「どうしようかねぇ……。とりあえずはこの超長距離攻撃をしてくる魔術師を始末しなきゃ。ガーゴイル、行きなさい!」
「グォォォォン!」
リリアの命令を受けて巨大ガーゴイルが咆哮して飛び上がり、ゴブリンを殲滅させた敵の元へと向かう。
「それでは、我ら黒騎士団はやつらの相手でもするとしよう」
黒騎士ゾワルは窓の外を見て言う。レイピアを手にしたリアーナ、戦斧と槍を手にしたグランザの二人が駆けてきていた。
「出撃せよ!」
「はっ!」
ゾワルの命令に控えていた黒騎士たちはリアーナとグランザを迎撃すべく建物を出ていく。
「…む……」
ゾワルは周囲を警戒する。
「いいわよ。せっかくだから私が相手してあげるわ」
リリアが言う。
「……そうか。ならば任せるとしよう」
言い残し、ゾワルは先に行った黒騎士たちを追っていった……。
「ゴブリンですね。それにしても、けっこうな数がいるようですね。ざっくりとですが200くらいでしょうか」
パーティー内でもっとも視力のいいグランザが遠くに見える、魔女リリアが潜伏いると思しき砦の様子を伝える。砦は、おそらくゴブリンたちに造らせたものだろう。その入り口の近くには例の巨大ガーゴイルが陣取っていた。
「さて、どう攻めようか。リーダー?」
ウラボスがリアーナの指示を仰ぐ。
「……ウラボス、リャッカちゃん、魔術的なトラップはありそう?」
「うーん、ここからだとなんとも言えないけど、たぶん何もないニャ」
「俺も同じ意見だ」
リャッカとウラボスが答える。
「ここから魔術で攻撃できそう?」
「できなくはないけど、威力と命中率は大きく下がるニャ。あと、魔力の消費も激しいニャ」
「だったら、もう少し近付いてみましょ。敵側の戦力がわからないし、魔力や物資の消耗は控えたほうがいいと思う」
「賛成だ」
リアーナの判断にウラボスが納得する。
◎
「火炎矢魔術」
充分に狙いを定められる位置まで近付いたウラボスが放った無数の炎の矢はゴブリンたちを次々に仕留めていく。
「なんだなんだ!?」
奇襲を受けて激しく狼狽して右往左往するゴブリンの群れ。
「お次はこれでどうだ?」
ウラボスが放った水圧矢魔術がゴブリンの数を更に削っていく。
◎
「なんだっていうのよ!?」
窓から見える光景に銀色の短髪の女が声をあげる。手下のゴブリンたちが姿の見えない敵に一方的に攻撃され、みるみる数を減らされていた。
(ちっ……城の魔術師どもにしては腕がよすぎるわね。となると、冒険者でも雇ったのかしら……)
銀色短髪の女は唇を噛む。
「おそらくは国王ラグーナに謁見していた者たちだろう」
エンダイク城で暁の渡り鳥と一戦交えた黒騎士の言葉に、銀色短髪の女はフンッと鼻を鳴らした。
「なるほどね~。私としたことが一瞬だけ焦ったわ。ゾワルを退けたやつらならこれくらいの芸当はできるか……。なかなかおもしろいじゃない」
「それで、こちらはどう動くつもりだね、リリア?」
ゾワルと呼ばれた黒騎士が銀色短髪の魔女に訊く。
「どうしようかねぇ……。とりあえずはこの超長距離攻撃をしてくる魔術師を始末しなきゃ。ガーゴイル、行きなさい!」
「グォォォォン!」
リリアの命令を受けて巨大ガーゴイルが咆哮して飛び上がり、ゴブリンを殲滅させた敵の元へと向かう。
「それでは、我ら黒騎士団はやつらの相手でもするとしよう」
黒騎士ゾワルは窓の外を見て言う。レイピアを手にしたリアーナ、戦斧と槍を手にしたグランザの二人が駆けてきていた。
「出撃せよ!」
「はっ!」
ゾワルの命令に控えていた黒騎士たちはリアーナとグランザを迎撃すべく建物を出ていく。
「…む……」
ゾワルは周囲を警戒する。
「いいわよ。せっかくだから私が相手してあげるわ」
リリアが言う。
「……そうか。ならば任せるとしよう」
言い残し、ゾワルは先に行った黒騎士たちを追っていった……。
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