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10章 レビオルムの惨劇
STORY165 急襲!⑧
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飛行魔術を無詠唱発動し、一気にウラボスとの間合いを詰めるバゼル。
魔杖を剣のようにして打撃を繰り出す。その一撃の速さ・重さは先ほどまでの比ではなかった。
「ちっ!」
ウラボスは防御が追い付かず、脇腹に一撃をくらう。
「どうです? 驚かれたでしょう? これが死霊使いの力です。今のわたくしには、かつて剣聖と呼ばれた者の力が宿っているのです。いかに真なる支配者と呼ばれていたあなたであっても、容易に倒すことはできないですよね?」
「真なる支配者を知ってるってことはジョアファルアの手の者か?」
「ええ。女神ジョアファルア様こそ、世界を救うことができる唯一の存在なのです」
「ほぉ、そりゃすごい……」
特に興味もなさそうに答えるウラボス。バゼルはそんなウラボスを睨む。
「あなた風情に、あの方の素晴らしさを理解できないのです。もう、あなたと話すことはありません!」
バゼルは加速し、ウラボスを攻撃範囲内にとらえる。
ヒュンッ
バゼルが薙いだ魔杖は空を切る。さらに高度を上げたウラボスが眼下の死霊使いに左手をかざす。
「大爆発魔術!」
バゼルの近くで爆発が発生する。
「くっ!……」
すぐに回避を試みたバゼル。だが間に合わなかった。爆炎に巻き込まれ、地面へと叩きつけられる。
「分身魔術!」
ウラボスは複数の分身体を作りだす。
「わたくしも甘く見られましたね。分身魔術など!」
バゼルは魔力を練る。
「火炎矢魔術」
無数の炎の矢がウラボスに向かって放たれる。が、その全てはかわされてしまう。
(なに!?)
バゼルは驚愕した。複数の分身体を同時にこれほど見事に操れるなど信じられなかったからだ。
複数のウラボスがバゼルを囲むように降り立つ。それぞれ臨戦態勢をとる。
「なめるなぁ!」
バゼルが吼える。
「雷撃渦魔術!!」
バゼルは、電撃の渦を発生させて全方位を同時に攻撃した。周囲のウラボスは電撃の渦に巻き込まれて消滅していく。
「そこだ!!」
バゼルはニヤリと笑むと、左手を真上に上げた。その先にはリア・ファルの杖を構えたウラボスの姿があった。バゼルにとって、ウラボスが雷撃渦魔術を避けるために上空に回避するのは計算済みであった。
「真空刃魔術!!」
放たれた真空の刃が魔術を唱えようとしていたウラボスを両断する。
(勝った!!)
バゼルが勝利を確信する。しかし、その直後、頭上のウラボスが消滅した。
(なっ……あれも分身体だと!? ならば、本体は?)
「ちぃ!」
背後に気配を感じ、バゼルは弾かれたように前方に飛び出す。それと同時に振り返り、魔力を練る。
だが、遅い。リア・ファルの杖の石突がバゼルのみぞおちに食い込む。
「うぐ……うぅ……」
苦しそうに呻く。
「これでどうだ! 火炎渦魔術!!」
ウラボスが魔術を詠唱発動した。火炎の激流が上空に向かって伸びていく。
「ぐぁぁぁぁぁぁっ!!!」
バゼルは絶叫をあげながら火炎の激流に呑み込まれる。舞い上がられたその体は宙を漂い、やがて落下した。
魔杖を剣のようにして打撃を繰り出す。その一撃の速さ・重さは先ほどまでの比ではなかった。
「ちっ!」
ウラボスは防御が追い付かず、脇腹に一撃をくらう。
「どうです? 驚かれたでしょう? これが死霊使いの力です。今のわたくしには、かつて剣聖と呼ばれた者の力が宿っているのです。いかに真なる支配者と呼ばれていたあなたであっても、容易に倒すことはできないですよね?」
「真なる支配者を知ってるってことはジョアファルアの手の者か?」
「ええ。女神ジョアファルア様こそ、世界を救うことができる唯一の存在なのです」
「ほぉ、そりゃすごい……」
特に興味もなさそうに答えるウラボス。バゼルはそんなウラボスを睨む。
「あなた風情に、あの方の素晴らしさを理解できないのです。もう、あなたと話すことはありません!」
バゼルは加速し、ウラボスを攻撃範囲内にとらえる。
ヒュンッ
バゼルが薙いだ魔杖は空を切る。さらに高度を上げたウラボスが眼下の死霊使いに左手をかざす。
「大爆発魔術!」
バゼルの近くで爆発が発生する。
「くっ!……」
すぐに回避を試みたバゼル。だが間に合わなかった。爆炎に巻き込まれ、地面へと叩きつけられる。
「分身魔術!」
ウラボスは複数の分身体を作りだす。
「わたくしも甘く見られましたね。分身魔術など!」
バゼルは魔力を練る。
「火炎矢魔術」
無数の炎の矢がウラボスに向かって放たれる。が、その全てはかわされてしまう。
(なに!?)
バゼルは驚愕した。複数の分身体を同時にこれほど見事に操れるなど信じられなかったからだ。
複数のウラボスがバゼルを囲むように降り立つ。それぞれ臨戦態勢をとる。
「なめるなぁ!」
バゼルが吼える。
「雷撃渦魔術!!」
バゼルは、電撃の渦を発生させて全方位を同時に攻撃した。周囲のウラボスは電撃の渦に巻き込まれて消滅していく。
「そこだ!!」
バゼルはニヤリと笑むと、左手を真上に上げた。その先にはリア・ファルの杖を構えたウラボスの姿があった。バゼルにとって、ウラボスが雷撃渦魔術を避けるために上空に回避するのは計算済みであった。
「真空刃魔術!!」
放たれた真空の刃が魔術を唱えようとしていたウラボスを両断する。
(勝った!!)
バゼルが勝利を確信する。しかし、その直後、頭上のウラボスが消滅した。
(なっ……あれも分身体だと!? ならば、本体は?)
「ちぃ!」
背後に気配を感じ、バゼルは弾かれたように前方に飛び出す。それと同時に振り返り、魔力を練る。
だが、遅い。リア・ファルの杖の石突がバゼルのみぞおちに食い込む。
「うぐ……うぅ……」
苦しそうに呻く。
「これでどうだ! 火炎渦魔術!!」
ウラボスが魔術を詠唱発動した。火炎の激流が上空に向かって伸びていく。
「ぐぁぁぁぁぁぁっ!!!」
バゼルは絶叫をあげながら火炎の激流に呑み込まれる。舞い上がられたその体は宙を漂い、やがて落下した。
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