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2章 ヴィズ村のオーク襲撃事件
16話 オーク襲撃事件・解決
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俺がヴィズ村に戻ったころにはすっかり夜が明けていた。
「アルフォス様!」
村の入り口で待っていてくれたセラが駆け寄ってくる。
「待っていてくれたのか」
俺はセラを抱き止めて言う。
「愛するアルフォス様のためならば当然ですわ。……あの、何かございましたか?」
いつもどおりに振る舞っていたつもりだったが、セラには気付かれたようだ。
「デルモス山の洞窟で父さんに会った」
セラは一瞬だけ驚いたような表情を見せる。
「お義父様はたしか……」
「ああ。ずっと前に死んでるよ」
セラが微笑み、俺の手をとる。
「そうですか。残留思念……というものなのかもしれませんわね。アルフォス様への強い思いが思念体もしくは霊体となって現れた。きっと、お義父様にとってアルフォス様はそれほどまでに大切な存在だったということですわね」
「ああ、そうだな……俺も父さんに会えてよかったよ」
本心をそのまま言葉にする俺をセラは優しく抱き締めてくれた。
「あれから何かあったか?」
暫く抱き合っていたが、いつまでもそうしているわけにもいかない。セラの体をゆっくりと離しながら訊く。
「いいえ。何もありませんでしたわ。オークたちのほうはいかがでしたの?」
俺の質問に答えたセラが質問を返してくる。
「オークたちを動かしていたのはスケルトンだった」
「スケルトンがオークを?」
俺からの回答にセラが疑問を抱いた様子をみせる。
俺も同じことを思っていた。グリッパーがただのスケルトンとは考えにくい。普通は、あれだけのオークを統率するだけの力も知能もないはずだ。
「言いたいことはわかる。だが、これは事実だ」
「もちろん、アルフォス様のお言葉を疑うつもりなど微塵もありませんわ。ですが、リュカリオン様のお耳に入れておいたほうがよろしいのでは? あの方ならば何かご存知かもしれませんわ」
セラからの提案に頷く。
「ああ。そのつもりだ。とにかく依頼は達成されたんだ。村で休息とクラッツェルンまでの食料をもらってから戻るとしよう」
「承知いたしましたわ」
セラは首肯しながら答えた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「おぉ、それではオークの脅威はなくなったのですね!?」
教会に戻った俺の報告を受けた村長ザルムが嬉々とした表情をする。
「たぶんな。オークの大半は死んだはずだし、統率していたスケルトンも倒した。生き残りがいたとしても散り散りになっていくだろう」
「そうですか。この度はまことにありがとうございました!」
「いや、気にしないでくれ。それよりも少しの間休める場所とクラッツェルンに戻るまでの食料をわけてもらえないだろうか?」
深々と頭を下げるザルムに問う。
「もちろんですとも! 村に空き家がございますのですぐに用意いたします。それと、クラッツェルンまでは馬車にてお送りさせていただきます」
「すまない。感謝する」
「いえいえ、むしろ感謝するのはわたくしどものほうでございます。アルフォス様たちが動いてくださらなければこの村はどうなっていたことか……」
謝意を伝えた俺にザルムがかえって恐縮したように返してくる。とりあえず、ここはザルムの厚意に甘えるとしよう。
「アルフォス様!」
村の入り口で待っていてくれたセラが駆け寄ってくる。
「待っていてくれたのか」
俺はセラを抱き止めて言う。
「愛するアルフォス様のためならば当然ですわ。……あの、何かございましたか?」
いつもどおりに振る舞っていたつもりだったが、セラには気付かれたようだ。
「デルモス山の洞窟で父さんに会った」
セラは一瞬だけ驚いたような表情を見せる。
「お義父様はたしか……」
「ああ。ずっと前に死んでるよ」
セラが微笑み、俺の手をとる。
「そうですか。残留思念……というものなのかもしれませんわね。アルフォス様への強い思いが思念体もしくは霊体となって現れた。きっと、お義父様にとってアルフォス様はそれほどまでに大切な存在だったということですわね」
「ああ、そうだな……俺も父さんに会えてよかったよ」
本心をそのまま言葉にする俺をセラは優しく抱き締めてくれた。
「あれから何かあったか?」
暫く抱き合っていたが、いつまでもそうしているわけにもいかない。セラの体をゆっくりと離しながら訊く。
「いいえ。何もありませんでしたわ。オークたちのほうはいかがでしたの?」
俺の質問に答えたセラが質問を返してくる。
「オークたちを動かしていたのはスケルトンだった」
「スケルトンがオークを?」
俺からの回答にセラが疑問を抱いた様子をみせる。
俺も同じことを思っていた。グリッパーがただのスケルトンとは考えにくい。普通は、あれだけのオークを統率するだけの力も知能もないはずだ。
「言いたいことはわかる。だが、これは事実だ」
「もちろん、アルフォス様のお言葉を疑うつもりなど微塵もありませんわ。ですが、リュカリオン様のお耳に入れておいたほうがよろしいのでは? あの方ならば何かご存知かもしれませんわ」
セラからの提案に頷く。
「ああ。そのつもりだ。とにかく依頼は達成されたんだ。村で休息とクラッツェルンまでの食料をもらってから戻るとしよう」
「承知いたしましたわ」
セラは首肯しながら答えた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「おぉ、それではオークの脅威はなくなったのですね!?」
教会に戻った俺の報告を受けた村長ザルムが嬉々とした表情をする。
「たぶんな。オークの大半は死んだはずだし、統率していたスケルトンも倒した。生き残りがいたとしても散り散りになっていくだろう」
「そうですか。この度はまことにありがとうございました!」
「いや、気にしないでくれ。それよりも少しの間休める場所とクラッツェルンに戻るまでの食料をわけてもらえないだろうか?」
深々と頭を下げるザルムに問う。
「もちろんですとも! 村に空き家がございますのですぐに用意いたします。それと、クラッツェルンまでは馬車にてお送りさせていただきます」
「すまない。感謝する」
「いえいえ、むしろ感謝するのはわたくしどものほうでございます。アルフォス様たちが動いてくださらなければこの村はどうなっていたことか……」
謝意を伝えた俺にザルムがかえって恐縮したように返してくる。とりあえず、ここはザルムの厚意に甘えるとしよう。
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