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第11章 レッドレオとブルータイガー
11―12 激昂のオグリス
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「大変です、リーダー!」
駆け込むようにして飛び込んできたのはブルータイガーの構成員のひとりだった。
「なにがあったんだい?」
ルーニアンは冷静に尋ねる。
「襲撃です! 理由は恐らく……」
入ってきた男性構成員はそこで口を噤む。
(テシアがここに来てすぐの襲撃、か。十中八九はテシアの奪還が目的とみていいだろう)
エルフェリオンの考えは、その場にいたほかの者たちも同様であった。
「敵は何人だい?」
「二人です! ひとりはオグリス! もうひとりは、わかりません。しかし、あの強さは異常ですよ!!」
男性構成員は顔面蒼白のままルーニアンに答える。
「ねぇ、エルフェリオン。あたしたちも……」
「わぁってるって。乗りかかった船だ。手を貸してやるよ」
アルナの言葉を遮ったエルフェリオンは、ラナリとルーニアンのほうを向く。
「おまえらはここでテシアを守ってやれ。その二人の迎撃は俺とアルナが引き受けてやる。が、敵がこっちに来ないとも言い切れない。その時は自分たちで対応してもらう。これで文句はあるか?」
「いや、ないよ。だけど、本当にいいのかい? それだと君たちがかなり危険だよ!?」
エルフェリオンに訊かれ、ルーニアンが申し訳なさそうに訊き返す。
「気にすんなよ。これは俺たちが勝手にやることだ。んなことより、ここは任せたぜ?……いくぞ、アルナ」
「オッケーよ、エルフェリオン」
「それじゃあ、オグリスたちの居場所まで案内するぜ」
男性構成員が先導し、エルフェリオンとアルナは駆け出していくのだった。
◎★☆◎
「ワシのラナリとテシアを返せ! それと、あの忌々しい男と女も差し出んかぁ!」
憎悪をむき出しにしたオグリスが恫喝し、同行しているスラリとした長い足の男が、手にした槍で手当たり次第にブルータイガーの構成員を殺害する。
「な、なんなんだよ、あの男は!?」
「あんなの、どうやって殺ればいいんだ!?」
ブルータイガーの構成員たちは恐々として遠巻きにオグリスたちを見る。
「ボサッとするな! さっさと連れてこんかぁ!! ライトニング・ショット!!!」
怒り狂ったオグリスが指揮棒型魔杖を揮い、魔力で作った雷撃球を放つ。
「ぎゃぁぁぁ!!」
命中した男性構成員が悲鳴をあげて感電死する。
「なんだよ、つまんねぇな。ブルータイガーも大したことねぇんだな。まっ、プロのオレが相手じゃそれも当然か」
男は周りの者たちを侮蔑するように視線を巡らせる。
「ギラン、高い金を払ったんじゃ。仕事のほうはきっちりしてもらうぞ!?」
オグリスが男を睨みつける。
「そう心配するなよ。楽しめるかどうかは別として、あんたからの依頼はきっちりこなしてやる」
「ふん、ならばよいのじゃがな!」
ギランと呼ばれた男が自信満々に答え、適当な相手を見つけて槍を突き刺す。
「こんな雑魚ばかりじゃつまらないだろうが! てめぇらのリーダーのルーニアンってやつを早く出しやがれ!」
ギランは倒れた男の頭を踏みつける。
「そう急くなよ。今回は特別に俺たちが相手してやる」
「あ?」
声がするほうを振り向いたギランを、エメラルドグリーンの瞳を持った青年と、青い瞳の少女が睨みつけていた。
駆け込むようにして飛び込んできたのはブルータイガーの構成員のひとりだった。
「なにがあったんだい?」
ルーニアンは冷静に尋ねる。
「襲撃です! 理由は恐らく……」
入ってきた男性構成員はそこで口を噤む。
(テシアがここに来てすぐの襲撃、か。十中八九はテシアの奪還が目的とみていいだろう)
エルフェリオンの考えは、その場にいたほかの者たちも同様であった。
「敵は何人だい?」
「二人です! ひとりはオグリス! もうひとりは、わかりません。しかし、あの強さは異常ですよ!!」
男性構成員は顔面蒼白のままルーニアンに答える。
「ねぇ、エルフェリオン。あたしたちも……」
「わぁってるって。乗りかかった船だ。手を貸してやるよ」
アルナの言葉を遮ったエルフェリオンは、ラナリとルーニアンのほうを向く。
「おまえらはここでテシアを守ってやれ。その二人の迎撃は俺とアルナが引き受けてやる。が、敵がこっちに来ないとも言い切れない。その時は自分たちで対応してもらう。これで文句はあるか?」
「いや、ないよ。だけど、本当にいいのかい? それだと君たちがかなり危険だよ!?」
エルフェリオンに訊かれ、ルーニアンが申し訳なさそうに訊き返す。
「気にすんなよ。これは俺たちが勝手にやることだ。んなことより、ここは任せたぜ?……いくぞ、アルナ」
「オッケーよ、エルフェリオン」
「それじゃあ、オグリスたちの居場所まで案内するぜ」
男性構成員が先導し、エルフェリオンとアルナは駆け出していくのだった。
◎★☆◎
「ワシのラナリとテシアを返せ! それと、あの忌々しい男と女も差し出んかぁ!」
憎悪をむき出しにしたオグリスが恫喝し、同行しているスラリとした長い足の男が、手にした槍で手当たり次第にブルータイガーの構成員を殺害する。
「な、なんなんだよ、あの男は!?」
「あんなの、どうやって殺ればいいんだ!?」
ブルータイガーの構成員たちは恐々として遠巻きにオグリスたちを見る。
「ボサッとするな! さっさと連れてこんかぁ!! ライトニング・ショット!!!」
怒り狂ったオグリスが指揮棒型魔杖を揮い、魔力で作った雷撃球を放つ。
「ぎゃぁぁぁ!!」
命中した男性構成員が悲鳴をあげて感電死する。
「なんだよ、つまんねぇな。ブルータイガーも大したことねぇんだな。まっ、プロのオレが相手じゃそれも当然か」
男は周りの者たちを侮蔑するように視線を巡らせる。
「ギラン、高い金を払ったんじゃ。仕事のほうはきっちりしてもらうぞ!?」
オグリスが男を睨みつける。
「そう心配するなよ。楽しめるかどうかは別として、あんたからの依頼はきっちりこなしてやる」
「ふん、ならばよいのじゃがな!」
ギランと呼ばれた男が自信満々に答え、適当な相手を見つけて槍を突き刺す。
「こんな雑魚ばかりじゃつまらないだろうが! てめぇらのリーダーのルーニアンってやつを早く出しやがれ!」
ギランは倒れた男の頭を踏みつける。
「そう急くなよ。今回は特別に俺たちが相手してやる」
「あ?」
声がするほうを振り向いたギランを、エメラルドグリーンの瞳を持った青年と、青い瞳の少女が睨みつけていた。
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