182 / 224
第11章 レッドレオとブルータイガー
11―22 オグリスの最期
しおりを挟む
「くるな! こつちへくるなぁ!」
恐怖を顔面に張り付かせたオグリスが後退りする。
「んだよ、そっちから乗り込んできておいて、形勢が悪くなった途端にソレかよ。みっともねぇな」
冷ややかな視線を突き刺しつつ吐き捨てるように言うエルフェリオン。
ギランを倒して地下室へ向かう途中、撤退途中のオグリスと出会したのだった。その際の会話からラクターが死の淵に立たされていることを知り、アルナを一足先に隠し部屋へと急がせたのである。
「おのれぇ……ギランめ、なにがプロの殺し屋じゃ! 報酬ばかり高いだけで使えんではないか!!」
そんなことを毒づいてみても危機的状況が変わるわけではない。
「ジイサン、覚悟はできてんだろうな。せっかく一度は助けてやったってのに、バカなやつだな。おとなしくしてりゃ死ぬことはなかったんだぜ?」
邪龍剣を召喚したエルフェリオンのエメラルドグリーンの瞳がギラリと光る。
一方、オグリスには抵抗する手段が残されていない。まさに絶体絶命のピンチである。
「ま、待て! おまえをラナリの婿として認めてやる。そして、ゆくゆくはレッドレオを任せてやろう! どうじゃ、悪い話ではないじゃろう!?」
ついに壁際まで追い込まれたオグリスが交渉を持ちかける。だが、エルフェリオン相手にそんなものが通用するはずもない。
「んなもん、興味ねぇよ。それよか、俺の相棒はまだ喰い足りねぇみてぇなんだ。おとなしく餌になってもらうぜ? もちろん、あんたに拒否権はねぇ」
「は? な、なにを言って?……ひぃ!!」
狼狽えるオグリスの前で、エルフェリオンは邪龍剣を上段に構える。
「最期に言い遺すことはあるか?」
エルフェリオンは、オグリスに凍てつくような視線を向けて問う。
「あわわわ……嫌じゃ! ワシは、ワシはまだ死にたくない!! 頼む、助けてくれ!!!」
オグリスは懸命に命乞いをする。
『殺るなら早く殺らぬか。わしは待っておるのじゃぞ?……もっとも、たいして美味そうには思えぬがの』
「わかってるさ。すぐに喰わせてやる……言い遺すことはねぇみてぇだな」
「ひぃぃ!」
ザンッ
振り下ろされた邪龍剣はオグリスを両断した。
「さて、と。これで片付いたな……」
オグリスの遺体が消滅するのを確認し終えたエルフェリオンは、邪龍剣をしまうのだった。
恐怖を顔面に張り付かせたオグリスが後退りする。
「んだよ、そっちから乗り込んできておいて、形勢が悪くなった途端にソレかよ。みっともねぇな」
冷ややかな視線を突き刺しつつ吐き捨てるように言うエルフェリオン。
ギランを倒して地下室へ向かう途中、撤退途中のオグリスと出会したのだった。その際の会話からラクターが死の淵に立たされていることを知り、アルナを一足先に隠し部屋へと急がせたのである。
「おのれぇ……ギランめ、なにがプロの殺し屋じゃ! 報酬ばかり高いだけで使えんではないか!!」
そんなことを毒づいてみても危機的状況が変わるわけではない。
「ジイサン、覚悟はできてんだろうな。せっかく一度は助けてやったってのに、バカなやつだな。おとなしくしてりゃ死ぬことはなかったんだぜ?」
邪龍剣を召喚したエルフェリオンのエメラルドグリーンの瞳がギラリと光る。
一方、オグリスには抵抗する手段が残されていない。まさに絶体絶命のピンチである。
「ま、待て! おまえをラナリの婿として認めてやる。そして、ゆくゆくはレッドレオを任せてやろう! どうじゃ、悪い話ではないじゃろう!?」
ついに壁際まで追い込まれたオグリスが交渉を持ちかける。だが、エルフェリオン相手にそんなものが通用するはずもない。
「んなもん、興味ねぇよ。それよか、俺の相棒はまだ喰い足りねぇみてぇなんだ。おとなしく餌になってもらうぜ? もちろん、あんたに拒否権はねぇ」
「は? な、なにを言って?……ひぃ!!」
狼狽えるオグリスの前で、エルフェリオンは邪龍剣を上段に構える。
「最期に言い遺すことはあるか?」
エルフェリオンは、オグリスに凍てつくような視線を向けて問う。
「あわわわ……嫌じゃ! ワシは、ワシはまだ死にたくない!! 頼む、助けてくれ!!!」
オグリスは懸命に命乞いをする。
『殺るなら早く殺らぬか。わしは待っておるのじゃぞ?……もっとも、たいして美味そうには思えぬがの』
「わかってるさ。すぐに喰わせてやる……言い遺すことはねぇみてぇだな」
「ひぃぃ!」
ザンッ
振り下ろされた邪龍剣はオグリスを両断した。
「さて、と。これで片付いたな……」
オグリスの遺体が消滅するのを確認し終えたエルフェリオンは、邪龍剣をしまうのだった。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる