187 / 224
第12章 アークデーモンとの死闘、そして旅立ち
12―4 アークデーモンの覚醒
しおりを挟む
魔法陣が消失したドーム内に静寂の時が流れる。それと同時に途轍もなく邪悪な気配と強大な魔力が溢れ出す。
「くっ!」
ルアークをはじめ、その場にいた冒険者たちは、今まさに永き眠りから目覚めようとしているアークデーモンから距離をとる。
「こいつ、相当やべぇな。等級はエルダー級とかいってたか」
エルフェリオンは突き刺さるような強烈な殺気を肌で感じながらも口元に笑みをこぼす。
「ようやく、忌まわしき封印が解けたか……」
低い声が発したアークデーモンがゆっくりと瞼を開けると、深紅の瞳があらわとなった。
「ん? 脆弱なる人間どもか。ワレの封印を解いたのはキサマらか?」
アークデーモンは眼前で厳戒態勢をとって各々の武器を構えている冒険者たちに問う。
「ああ。そんで、あんたを倒す者でもある」
誰もが声を発せられず沈黙しているなか、エルフェリオンだけが物怖じせずに答える。
「ほぉ。威勢だけはいい小僧では……」
エルフェリオンが持つ邪龍槍に目を止めたアークデーモンが、自らの言葉を止める。
「その武器は……まさか龍武具か?」
「へぇ~、わかってるじゃねぇか」
肯定するエルフェリオンに、アークデーモンはニヤリと不気味な笑みをこぼす。
「人間ごときに使役されるとは、いったい、どこのマヌケな龍なのだろうな」
「こいつは邪龍レヴィジアルだ」
エルフェリオンが答えると、アークデーモンは両眼を大きく見開く。
「まさか!……邪龍レヴィジアルが、人間ごときに龍武具として使役されているだと!?」
アークデーモンは驚きを隠せない様子だったが、やがて嘲笑する。
「ギャハハハハハハ! なんという醜態! 邪龍レヴィジアルも地に堕ちたものだな!!」
『アークデーモンごときが調子にのりおって。わしを愚弄したことを後悔させてやらねばのぉ』
レヴィジアルが静かに怒りの声を漏らすが、それを聞く者はエルフェリオン以外にはいない。
「まぁ、よい。この場にいる者全員を血祭りにあげ、その後は人間どもを皆殺しにしてくれるわぁ!!」
咆哮したアークデーモンは背中の両翼をバッと勢いよく広げる。放たれた魔力は衝撃波となってドーム内を駆け抜ける。
「残念ながら、あなたはここで討伐させていただきます! たとえ、我々の命に代えても!!」
愛用の長剣を構えたルアークはアークデーモンをジロリと見据えた。
「くっ!」
ルアークをはじめ、その場にいた冒険者たちは、今まさに永き眠りから目覚めようとしているアークデーモンから距離をとる。
「こいつ、相当やべぇな。等級はエルダー級とかいってたか」
エルフェリオンは突き刺さるような強烈な殺気を肌で感じながらも口元に笑みをこぼす。
「ようやく、忌まわしき封印が解けたか……」
低い声が発したアークデーモンがゆっくりと瞼を開けると、深紅の瞳があらわとなった。
「ん? 脆弱なる人間どもか。ワレの封印を解いたのはキサマらか?」
アークデーモンは眼前で厳戒態勢をとって各々の武器を構えている冒険者たちに問う。
「ああ。そんで、あんたを倒す者でもある」
誰もが声を発せられず沈黙しているなか、エルフェリオンだけが物怖じせずに答える。
「ほぉ。威勢だけはいい小僧では……」
エルフェリオンが持つ邪龍槍に目を止めたアークデーモンが、自らの言葉を止める。
「その武器は……まさか龍武具か?」
「へぇ~、わかってるじゃねぇか」
肯定するエルフェリオンに、アークデーモンはニヤリと不気味な笑みをこぼす。
「人間ごときに使役されるとは、いったい、どこのマヌケな龍なのだろうな」
「こいつは邪龍レヴィジアルだ」
エルフェリオンが答えると、アークデーモンは両眼を大きく見開く。
「まさか!……邪龍レヴィジアルが、人間ごときに龍武具として使役されているだと!?」
アークデーモンは驚きを隠せない様子だったが、やがて嘲笑する。
「ギャハハハハハハ! なんという醜態! 邪龍レヴィジアルも地に堕ちたものだな!!」
『アークデーモンごときが調子にのりおって。わしを愚弄したことを後悔させてやらねばのぉ』
レヴィジアルが静かに怒りの声を漏らすが、それを聞く者はエルフェリオン以外にはいない。
「まぁ、よい。この場にいる者全員を血祭りにあげ、その後は人間どもを皆殺しにしてくれるわぁ!!」
咆哮したアークデーモンは背中の両翼をバッと勢いよく広げる。放たれた魔力は衝撃波となってドーム内を駆け抜ける。
「残念ながら、あなたはここで討伐させていただきます! たとえ、我々の命に代えても!!」
愛用の長剣を構えたルアークはアークデーモンをジロリと見据えた。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる