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第13章 龍滅の戦神②
13―5 レフィンとミリーナの逃走③
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デスケイナインの群れを撃退したレフィンたちは、ゲゲルの案内により先を急いでいた。
「ほぉら、着いたぜ」
先頭を進んでいたゲゲルがようやく足を止めた。
「どういうことだ、貴様!?」
レフィンの怒声がとぶ。たどり着いたのは開けた空間であった。しかし、その先に通路はない。
「やはり、オレたちを謀ったのか!?」
レフィンが再びバスタードソードを鞘から抜き、ミリーナを庇うように立ってゲゲルを睨む。
「ゲヘヘ、怖ぇ怖ぇ。そう睨むなよ」
「ならば、なぜ行き止まりに連れてきた!?」
レフィンの紫の瞳がゲゲルを見据える。
「ちっ!」
舌打ちしたレフィンが、ゲゲルの動向を気にしつつも後方へと視線を向けると、ミリーナから離れた位置へと移動する。
「残念だったな、レフィン。てめぇの命運もここで尽きたってわけだ」
振り返ったレフィンの視界にヒョウ柄のコートを着た赤髪の男が入った。両手の五指には大きな宝石をはめ込んだ指輪、耳たぶと唇にはシルバーのピアス、首からはゴールドのネックレスをしている。
レフィンとミリーナは男に見覚えがあった。
「おまえはA級冒険者のデュージャか」
レフィンは冒険者ギルドでデュージャを見知っていたが、特に会話をするようなこともなかった。
「たしか、彼は龍滅の戦神に所属している猛獣使いだったはずよ。冒険者クランには所属していてもパーティを組んでるわけじゃないわ。猛獣を使役するけど、自身は魔術と鞭を使った戦いを得意としているはず」
冒険者ギルドの受付嬢をしていたミリーナが、レフィンに情報を伝える。
「おいおい、冒険者ギルドの受付嬢ともあろう者がそんな簡単に情報漏洩していいのかぁ?」
デュージャは腰の袋から鞭を取り出し、足元の地面をピシリと打つ。
「まぁ、そんな情報が知れたところで関係なく俺の勝利は揺るがない。こいつがいるかぎりはなぁ!」
自信に満ちあふれた表情で宣言するデュージャ。その背後から体長5メートル超の巨大熊が姿を見せた。
「あれは、グレーターベアか!?」
個体数は少ないが、その性格は獰猛であり、並のモンスターなど相手にならないほどの能力を有している。
「アヒャヒャヒャヒャ! てめぇがS級としても、女を守りながらグレーターベアと俺を相手に一人で戦えるのかぁ?」
「S級と呼ばれる冒険者をなめるなよ」
余裕を崩さないデュージャに対し、バスタードソードと大盾を構えたレフィンは全身から緑の魔力を立ち昇らせていた。
「ほぉら、着いたぜ」
先頭を進んでいたゲゲルがようやく足を止めた。
「どういうことだ、貴様!?」
レフィンの怒声がとぶ。たどり着いたのは開けた空間であった。しかし、その先に通路はない。
「やはり、オレたちを謀ったのか!?」
レフィンが再びバスタードソードを鞘から抜き、ミリーナを庇うように立ってゲゲルを睨む。
「ゲヘヘ、怖ぇ怖ぇ。そう睨むなよ」
「ならば、なぜ行き止まりに連れてきた!?」
レフィンの紫の瞳がゲゲルを見据える。
「ちっ!」
舌打ちしたレフィンが、ゲゲルの動向を気にしつつも後方へと視線を向けると、ミリーナから離れた位置へと移動する。
「残念だったな、レフィン。てめぇの命運もここで尽きたってわけだ」
振り返ったレフィンの視界にヒョウ柄のコートを着た赤髪の男が入った。両手の五指には大きな宝石をはめ込んだ指輪、耳たぶと唇にはシルバーのピアス、首からはゴールドのネックレスをしている。
レフィンとミリーナは男に見覚えがあった。
「おまえはA級冒険者のデュージャか」
レフィンは冒険者ギルドでデュージャを見知っていたが、特に会話をするようなこともなかった。
「たしか、彼は龍滅の戦神に所属している猛獣使いだったはずよ。冒険者クランには所属していてもパーティを組んでるわけじゃないわ。猛獣を使役するけど、自身は魔術と鞭を使った戦いを得意としているはず」
冒険者ギルドの受付嬢をしていたミリーナが、レフィンに情報を伝える。
「おいおい、冒険者ギルドの受付嬢ともあろう者がそんな簡単に情報漏洩していいのかぁ?」
デュージャは腰の袋から鞭を取り出し、足元の地面をピシリと打つ。
「まぁ、そんな情報が知れたところで関係なく俺の勝利は揺るがない。こいつがいるかぎりはなぁ!」
自信に満ちあふれた表情で宣言するデュージャ。その背後から体長5メートル超の巨大熊が姿を見せた。
「あれは、グレーターベアか!?」
個体数は少ないが、その性格は獰猛であり、並のモンスターなど相手にならないほどの能力を有している。
「アヒャヒャヒャヒャ! てめぇがS級としても、女を守りながらグレーターベアと俺を相手に一人で戦えるのかぁ?」
「S級と呼ばれる冒険者をなめるなよ」
余裕を崩さないデュージャに対し、バスタードソードと大盾を構えたレフィンは全身から緑の魔力を立ち昇らせていた。
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