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第13章 龍滅の戦神②
13―6 レフィンとミリーナの逃走④
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ダッ
放たれた矢の如く駆け出したレフィンは、バスタードソードの攻撃範囲にデュージャをおさめると、その刃を一閃する。
ヒュンッ
しかし、デュージャもまた腕利きの冒険者である。その一撃を寸前のところで躱す。
「危ねぇなぁ! 反応がもうちょい遅けりゃ殺られてた……」
デュージャにとって、金属製の軽鎧をまとったうえ、大盾を装備しているレフィンがこれほどの動きができるとは信じ難かった。額に冷や汗がにじみ出る。
「ガァウッ」
主人の危険にグレーターベアが動く。太く逞しい前脚をレフィン目掛けて振り下ろす。
ガキィッ
「ぐぅ!!」
大盾でガードしたレフィンだったが、勢いよく弾き飛ばされる。
(なんて腕力だ!)
大盾を持つ左腕が痺れたことに脅威を感じながらも、レフィンは闘志を奮い立たせる。
「脅かしやがって! 今の一撃で俺を仕留めることができなかったのは残念だったなぁ? だが、これでたった一つの勝機さえも逃しちまったわけだ! くらえ、ライトニング・ショット!!」
「くっ!」
レフィンは迫る雷撃球を回避しようとする。だが、後ろにミリーナがいることを意識し、大盾で防御することを選択した。
「けっ、耐魔術加工されてやがるか。忌々しい!」
レフィンの大盾や軽鎧には強力な耐魔術加工が施されているため、デュージャの攻撃魔術によるダメージは極めて軽微だ。
ドドドドドドドドドッ
グレーターベアが四つん這いになって突進する。
「エア・ガトリング!!」
バスタードソードを魔杖代わりとしたレフィンが魔力による空気弾を無数に放つ。
バンッ
「ちぃっ!」
S級冒険者レフィンのエア・ガトリングをもってしてもグレーターベアを倒すことはおろか、足を止めることすら叶わなかった。
「ゴォアッ!」
グレーターベアは短い咆哮とともに前脚でレフィンを薙ぎ払う。
「ぐぁっ!」
またしても軽々と弾き飛ばされたレフィンは、今度は地下水路を流れる水の中に転がり落ちる。
「もらったぁ! ライトニング・ショット!!!」
レフィンに大ダメージを与える絶好の機会を得たデュージャは、嬉々として左手から雷撃球を放った。
「しまっ……ぐわぁぁぁぁぁ!!」
下半身が水に浸かっているうえに、ずぶ濡れの状態のレフィンの全身を電撃が駆け抜ける。
「ガァァァァァァッ」
グレーターベアは跳び上がり、未だ水に浸かったまま片膝をついているレフィンへと踏みつけにかかる。
「くそっ!」
レフィンは痺れる身体を無理矢理に動かして水から飛び出る。
バシャアッ
ド派手な水飛沫を上げてグレーターベアが着地した。
(くっ、このままではマズいな……どうする?)
窮地に追い込まれたレフィンは努めて冷静に思考を巡らせる。
「きゃあぁぁ!!」
ミリーナの叫び声が地下水路に反響したのは、そんな時だった。
放たれた矢の如く駆け出したレフィンは、バスタードソードの攻撃範囲にデュージャをおさめると、その刃を一閃する。
ヒュンッ
しかし、デュージャもまた腕利きの冒険者である。その一撃を寸前のところで躱す。
「危ねぇなぁ! 反応がもうちょい遅けりゃ殺られてた……」
デュージャにとって、金属製の軽鎧をまとったうえ、大盾を装備しているレフィンがこれほどの動きができるとは信じ難かった。額に冷や汗がにじみ出る。
「ガァウッ」
主人の危険にグレーターベアが動く。太く逞しい前脚をレフィン目掛けて振り下ろす。
ガキィッ
「ぐぅ!!」
大盾でガードしたレフィンだったが、勢いよく弾き飛ばされる。
(なんて腕力だ!)
大盾を持つ左腕が痺れたことに脅威を感じながらも、レフィンは闘志を奮い立たせる。
「脅かしやがって! 今の一撃で俺を仕留めることができなかったのは残念だったなぁ? だが、これでたった一つの勝機さえも逃しちまったわけだ! くらえ、ライトニング・ショット!!」
「くっ!」
レフィンは迫る雷撃球を回避しようとする。だが、後ろにミリーナがいることを意識し、大盾で防御することを選択した。
「けっ、耐魔術加工されてやがるか。忌々しい!」
レフィンの大盾や軽鎧には強力な耐魔術加工が施されているため、デュージャの攻撃魔術によるダメージは極めて軽微だ。
ドドドドドドドドドッ
グレーターベアが四つん這いになって突進する。
「エア・ガトリング!!」
バスタードソードを魔杖代わりとしたレフィンが魔力による空気弾を無数に放つ。
バンッ
「ちぃっ!」
S級冒険者レフィンのエア・ガトリングをもってしてもグレーターベアを倒すことはおろか、足を止めることすら叶わなかった。
「ゴォアッ!」
グレーターベアは短い咆哮とともに前脚でレフィンを薙ぎ払う。
「ぐぁっ!」
またしても軽々と弾き飛ばされたレフィンは、今度は地下水路を流れる水の中に転がり落ちる。
「もらったぁ! ライトニング・ショット!!!」
レフィンに大ダメージを与える絶好の機会を得たデュージャは、嬉々として左手から雷撃球を放った。
「しまっ……ぐわぁぁぁぁぁ!!」
下半身が水に浸かっているうえに、ずぶ濡れの状態のレフィンの全身を電撃が駆け抜ける。
「ガァァァァァァッ」
グレーターベアは跳び上がり、未だ水に浸かったまま片膝をついているレフィンへと踏みつけにかかる。
「くそっ!」
レフィンは痺れる身体を無理矢理に動かして水から飛び出る。
バシャアッ
ド派手な水飛沫を上げてグレーターベアが着地した。
(くっ、このままではマズいな……どうする?)
窮地に追い込まれたレフィンは努めて冷静に思考を巡らせる。
「きゃあぁぁ!!」
ミリーナの叫び声が地下水路に反響したのは、そんな時だった。
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