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第14章 大農園を救え
14―6 襲撃された大農園①
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「それでは、セト大農園のモンスター討伐は冒険パーティ放浪者に指名依頼ということですね」
翌日。べダフとともにグワンドラの冒険者ギルドにやってきた放浪者。
受付嬢は依頼主であるべダフに最終確認する。
「はい、お願いします」
べダフが答えると、受付嬢はその視線をエルフェリオンたちへと転じる。
「あなたがたが冒険パーティ放浪者で間違いないことは、先ほど提示していただいた冒険者証により確認済みです。それで、放浪者さんはこの依頼を引き受けるということでよろしいですね?」
「はい、この依頼、あたしたち放浪者が確かに引き受けます」
「では、こちらの指名依頼書にサインをお願いします」
アルナが引き受ける意志を示したことで、受付嬢はべダフが提出した指名依頼書を差し出す。
「わかりました」
アルナはそれにサインを書き入れる。
「これで、セト大農園のモンスター討伐は、冒険パーティ放浪者に正式に依頼されました。健闘をお祈りします」
最期に受付嬢はニコリと笑って、エルフェリオンとアルナを見送ったのだった。
◎★☆◎
それからべダフからセト大農園への地図を受け取った放浪者は、目的地に向けて移動中である。
「もうすぐ到着するはずよ」
手元の地図を確認しながらアルナが言う。
「グワンドラから随分と離れた場所にあるんだな」
「かなり大規模な農園みたいだからじゃないかしら。でも、グワンドラへの食料供給には大きく貢献してるみたいよ」
「それなら、冒険者ギルドだけじゃなく、グワンドラからも救援がありそうなもんだろ?」
エルフェリオンが首をかしげる。
「それはまぁ、食材が入ってこなければグワンドラ自体も大変なわけだからね。けど、それができないってことは何かあるのかも……って、あれは!?」
会話を交わしていたアルナが上空の一点を指さして声をあげる。そこには空中を舞う鳥型モンスターの群れがあった。頭部は人間の女性で、首から下は猛禽の姿をしている。
「どうやら、既にモンスターに襲撃されてるみてぇだな。行くぞ!」
エルフェリオンはアルナの返事を待たずに駆けだす。
『ハーピーか。大したモンスターではなかろう。さっさと片付けよ』
「言われるまでもねぇよ。闘気戦術・飛閃!」
邪龍剣レヴィジアルを召喚したエルフェリオンが、闘気を帯びた斬撃波を放つ。
「ギャッ!」
セト大農園の上空を旋回していたハーピーの1体が、斬撃波の直撃を受けて真っ二つに斬り裂かれ、空中で霧消する。
「ナンダ、ヤツラハ!?」
不意打ちにより、仲間が殺されたハーピーたちの意識がエルフェリオンとアルナに向けられた。
翌日。べダフとともにグワンドラの冒険者ギルドにやってきた放浪者。
受付嬢は依頼主であるべダフに最終確認する。
「はい、お願いします」
べダフが答えると、受付嬢はその視線をエルフェリオンたちへと転じる。
「あなたがたが冒険パーティ放浪者で間違いないことは、先ほど提示していただいた冒険者証により確認済みです。それで、放浪者さんはこの依頼を引き受けるということでよろしいですね?」
「はい、この依頼、あたしたち放浪者が確かに引き受けます」
「では、こちらの指名依頼書にサインをお願いします」
アルナが引き受ける意志を示したことで、受付嬢はべダフが提出した指名依頼書を差し出す。
「わかりました」
アルナはそれにサインを書き入れる。
「これで、セト大農園のモンスター討伐は、冒険パーティ放浪者に正式に依頼されました。健闘をお祈りします」
最期に受付嬢はニコリと笑って、エルフェリオンとアルナを見送ったのだった。
◎★☆◎
それからべダフからセト大農園への地図を受け取った放浪者は、目的地に向けて移動中である。
「もうすぐ到着するはずよ」
手元の地図を確認しながらアルナが言う。
「グワンドラから随分と離れた場所にあるんだな」
「かなり大規模な農園みたいだからじゃないかしら。でも、グワンドラへの食料供給には大きく貢献してるみたいよ」
「それなら、冒険者ギルドだけじゃなく、グワンドラからも救援がありそうなもんだろ?」
エルフェリオンが首をかしげる。
「それはまぁ、食材が入ってこなければグワンドラ自体も大変なわけだからね。けど、それができないってことは何かあるのかも……って、あれは!?」
会話を交わしていたアルナが上空の一点を指さして声をあげる。そこには空中を舞う鳥型モンスターの群れがあった。頭部は人間の女性で、首から下は猛禽の姿をしている。
「どうやら、既にモンスターに襲撃されてるみてぇだな。行くぞ!」
エルフェリオンはアルナの返事を待たずに駆けだす。
『ハーピーか。大したモンスターではなかろう。さっさと片付けよ』
「言われるまでもねぇよ。闘気戦術・飛閃!」
邪龍剣レヴィジアルを召喚したエルフェリオンが、闘気を帯びた斬撃波を放つ。
「ギャッ!」
セト大農園の上空を旋回していたハーピーの1体が、斬撃波の直撃を受けて真っ二つに斬り裂かれ、空中で霧消する。
「ナンダ、ヤツラハ!?」
不意打ちにより、仲間が殺されたハーピーたちの意識がエルフェリオンとアルナに向けられた。
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