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第1章 邪龍との邂逅
1―22 VSミノタウロス②
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床を強く蹴ったエルフェリオンはミノタウロスとの間合いを一気に詰める。
「モアァァァァァァッ」
対して、ミノタウロスは迎撃しようと戦斧を振りかざす。
ブォンッ
跳躍したエルフェリオンの足元を戦斧が薙ぎ払う。
「そらよ!」
今度はエルフェリオンが邪龍剣を水平に滑らせた。
パキンッ
ミノタウロスの頭頂部から生えていた2本の角のうち、右側の角が斬り落とされた。
「ムモォォォォォォッ!!!」
激怒したミノタウロスが戦斧を振りまくる。
(単調な攻撃だな……)
ミノタウロスの連続攻撃の隙をついて邪龍剣による斬撃を右腕に入れる。
「ブモッ!」
ミノタウロスの斬りつけられた右腕から血が滴り落ちて床を赤く染める。
(ちっ、思ったよりも傷は浅かったか)
ミノタウロスから少し離れたエルフェリオンは邪龍剣を下段に構え直す。
『ムハハハハハ! あんなザコも一撃で仕留められぬとは情けないのぉ』
「言ってろよ。勝てば文句ねぇんだろうが」
相棒に反論しつつ腰を落としてミノタウロスを睨むエルフェリオン。
「モガァァァァァァッ!」
猛り狂ったミノタウロスが戦斧を投げつける。それをサイドステップで躱し、駆け出した青髪の青年をミノタウロスの左拳が襲う。
「甘ぇっての!」
ズゥゥゥゥゥゥン……
さらに強く床を蹴って加速したエルフェリオンの後方の床をミノタウロスの太い腕が打つ。激しい振動などまるで気にせず、わずかにも速度を落とすことなくミノタウロスの懐に飛び込んだ青髪の青年は、邪龍剣を持つ右腕の肘をおもいきり引く。
「モモッ!?」
危機を感じ取ったミノタウロスが後方へと飛び退く。だが、エルフェリオンは大きく前に足を踏み出すと同時にレヴィジアルの切先を突き出した。
ズッ……
邪龍剣の切先がミノタウロスの腹に刺さる。だが、まだ浅い。痛みに顔をゆがめながらもミノタウロスはさらに後方へと移動する。
「ちっとばかし、しぶと過ぎるんじゃねぇか」
エルフェリオンは邪龍剣を両手でしっかりと握り、力強く大きく一歩を踏み込む。
「グモァァァァァァァァッ!!!」
邪龍剣が臓器にまで達したことでミノタウロスは絶叫して、後ろ向きに倒れていく。エルフェリオンはレヴィジアルを抜くと飛び退く。
「モググググゥ……」
ミノタウロスは大量の鮮血があふれ出している傷口を押さえるが、それではとても止血できるはずもない。
『勝負ありじゃな。こやつには何もする力は残っておるまい。放っておいてもすぐに死ぬじゃろうて』
レヴィジアルが勝利を確信する。しかし、エルフェリオンは仰向けに倒れて喘鳴しているミノタウロスに向けて邪龍剣の切先を向ける。
『なんじゃ、わざわざとどめを刺さずともよいのではないか? それとも、あやつの魂を少しでも早くわしに捧げようというのか? それは殊勝な心掛けじゃのぉ』
「ばぁか。んなわけ、ねぇだろ。相手を必要以上に苦しめるつもりはねぇ。さっさと終わらせて帰る」
ザシュッ
邪龍剣がミノタウロスの胸に深々と突き刺さる。瞬間、ミノタウロスは両目を大きく見開いて吐血する。エルフェリオンがレヴィジアルを引き抜いた時には、ミノタウロスは既に息絶えており、間もなく霧となって跡形もなく消え去った。
「これで終わり、だな」
エルフェリオンはようやくホッと一息つく。
バンッ
突然、部屋の出入り口の扉が勢いよく開け放たれたのはその時だった。
「モアァァァァァァッ」
対して、ミノタウロスは迎撃しようと戦斧を振りかざす。
ブォンッ
跳躍したエルフェリオンの足元を戦斧が薙ぎ払う。
「そらよ!」
今度はエルフェリオンが邪龍剣を水平に滑らせた。
パキンッ
ミノタウロスの頭頂部から生えていた2本の角のうち、右側の角が斬り落とされた。
「ムモォォォォォォッ!!!」
激怒したミノタウロスが戦斧を振りまくる。
(単調な攻撃だな……)
ミノタウロスの連続攻撃の隙をついて邪龍剣による斬撃を右腕に入れる。
「ブモッ!」
ミノタウロスの斬りつけられた右腕から血が滴り落ちて床を赤く染める。
(ちっ、思ったよりも傷は浅かったか)
ミノタウロスから少し離れたエルフェリオンは邪龍剣を下段に構え直す。
『ムハハハハハ! あんなザコも一撃で仕留められぬとは情けないのぉ』
「言ってろよ。勝てば文句ねぇんだろうが」
相棒に反論しつつ腰を落としてミノタウロスを睨むエルフェリオン。
「モガァァァァァァッ!」
猛り狂ったミノタウロスが戦斧を投げつける。それをサイドステップで躱し、駆け出した青髪の青年をミノタウロスの左拳が襲う。
「甘ぇっての!」
ズゥゥゥゥゥゥン……
さらに強く床を蹴って加速したエルフェリオンの後方の床をミノタウロスの太い腕が打つ。激しい振動などまるで気にせず、わずかにも速度を落とすことなくミノタウロスの懐に飛び込んだ青髪の青年は、邪龍剣を持つ右腕の肘をおもいきり引く。
「モモッ!?」
危機を感じ取ったミノタウロスが後方へと飛び退く。だが、エルフェリオンは大きく前に足を踏み出すと同時にレヴィジアルの切先を突き出した。
ズッ……
邪龍剣の切先がミノタウロスの腹に刺さる。だが、まだ浅い。痛みに顔をゆがめながらもミノタウロスはさらに後方へと移動する。
「ちっとばかし、しぶと過ぎるんじゃねぇか」
エルフェリオンは邪龍剣を両手でしっかりと握り、力強く大きく一歩を踏み込む。
「グモァァァァァァァァッ!!!」
邪龍剣が臓器にまで達したことでミノタウロスは絶叫して、後ろ向きに倒れていく。エルフェリオンはレヴィジアルを抜くと飛び退く。
「モググググゥ……」
ミノタウロスは大量の鮮血があふれ出している傷口を押さえるが、それではとても止血できるはずもない。
『勝負ありじゃな。こやつには何もする力は残っておるまい。放っておいてもすぐに死ぬじゃろうて』
レヴィジアルが勝利を確信する。しかし、エルフェリオンは仰向けに倒れて喘鳴しているミノタウロスに向けて邪龍剣の切先を向ける。
『なんじゃ、わざわざとどめを刺さずともよいのではないか? それとも、あやつの魂を少しでも早くわしに捧げようというのか? それは殊勝な心掛けじゃのぉ』
「ばぁか。んなわけ、ねぇだろ。相手を必要以上に苦しめるつもりはねぇ。さっさと終わらせて帰る」
ザシュッ
邪龍剣がミノタウロスの胸に深々と突き刺さる。瞬間、ミノタウロスは両目を大きく見開いて吐血する。エルフェリオンがレヴィジアルを引き抜いた時には、ミノタウロスは既に息絶えており、間もなく霧となって跡形もなく消え去った。
「これで終わり、だな」
エルフェリオンはようやくホッと一息つく。
バンッ
突然、部屋の出入り口の扉が勢いよく開け放たれたのはその時だった。
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