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第5章 老翁との出会い
5―4 ゴブリン巣窟の攻略①
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エルフェリオンとアルナはハオウのあとを追って、茂みの中を奥へ奥へと進んでいた。
「ゴブリンどもの巣窟の場所ならばわかるぞい。ワシのあとについてまいれ!」
ハオウが自信たっぷりに言い、茂みの中へと分け入ったのは1時間ほど前のことである。
「おい、ジジイ。本当にゴブリンどもの巣の場所を知ってるんだろうな?」
茂みの中を延々と歩かされたエルフェリオンが前を行くハオウに疑念を言葉にしてぶつける。
「カーッカッカッカッカッ! 案ずるでないぞい、若人よ! みよ、ワシの正確無比な勘を!! ゴブリンの巣窟を発見したぞい!!!」
立ち止まって振り返り、誇らしげに胸を張り、高笑いをあげるハオウ。そして、ある一点を指差す。そこには地中へと続く穴がポッカリと口を開いていた。
「おい。このジジイ、勘って言いやがったぞ」
「そんなことより、今のであたしたちが来たことを知られたわよ!」
地中から慌ただしくゴブリンが飛び出してきたのを見たアルナが声をあげて聖杖を構える。
「ギャギャギャギャッ」
奇声を発しながらゴブリンの群れが突撃してくる。
「バーニング・ガトリング!」
アルナは聖杖の先端部を突き出して魔術を発動する。放たれた火炎弾が迫りくるゴブリンを焼き撃つ。
「はん! 小鬼が、なめんなよ。こい、レヴィジアル!!」
邪龍剣を召喚したエルフェリオンが、アルナの攻撃魔術を逃れて接近してきたゴブリンを斬り捨てる。
「カーッカッカッカッカッカッ! やりおるな、若人よ。ならば、ワシも負けておられぬのぉ」
ハオウは懐から取り出した短剣を鞘から抜き放つ。
「では、参る!」
ハオウは青い魔力を全身にまとわせ、地を駆ける。
「ほっ!」
短く掛け声を発したハオウはすれ違いざまにゴブリンの首を斬って瞬殺していく。その剣閃はエルフェリオンにすら捉えることができない。
「……すご……」
想像を遥かに超えるハオウの実力にアルナが目を奪われる。
「カーッカッカッカッカッ! かわいこちゃんに見つめられては頑張らねばならぬのぉ。しかと見よ、闘気戦術・乱舞!」
青い魔力をまとったハオウが戦場を風の如く縦横無尽に駆け回り、巣窟から続々と出現するゴブリンを屠っていく。
「カーッカッカッカッカッカッ!」
「いい気になるな、老いぼれ!!」
高笑いをあげるハオウの上空から怒声が降り注ぐ。
「あいつは!」
上空には大型の鳥に乗ったゴブリンが弓矢を構えて、ハオウに狙いを定めながら降下してきていた。エルフェリオンにはその姿に見覚えがあった。ハオウが最初に襲われていたときに大樹の枝に潜んでいたコマンダー級ゴブリンである。
ビュッ
コマンダー級ゴブリンが射た矢は一直線にハオウへと飛んでいく。が、ハオウはいとも容易く短剣で矢を切り払う。
「げっ!?」
コマンダー級ゴブリンは充分に接近して射れば仕損じることはないと確信していた。しかし、ハオウは短剣ひとつで苦も無く矢を防いだのである。
「くそ! 上昇だ!!」
焦ったコマンダー級ゴブリンは相棒の大型鳥に命じる。
「カッカッカッカッ! 剣士相手なら上空に避難すれば安全だと考えたようじゃのぉ。しかし、それはちぃとあまいぞい。闘気戦術・飛閃!」
ハオウは水平に構えた短剣に闘気をまとわせる。
「あの技は!?」
エルフェリオンが声をあげたのと同時にハオウの琥珀色の瞳が鋭く光る。
ズバッ
ハオウが目にも止まらぬ早さでくり出した、闘気をのせた斬撃波がコマンダー級ゴブリンを大型鳥もろとも真っ二つに斬り裂く。
「カッカッカッカッ! まぁ、ザッとこんなもんかのぉ。さて、せっかくじゃから魔石を回収しておくぞい」
ポカンとしているエルフェリオンとアルナのほうを振り向き、ハオウはニカッと笑った。
「ゴブリンどもの巣窟の場所ならばわかるぞい。ワシのあとについてまいれ!」
ハオウが自信たっぷりに言い、茂みの中へと分け入ったのは1時間ほど前のことである。
「おい、ジジイ。本当にゴブリンどもの巣の場所を知ってるんだろうな?」
茂みの中を延々と歩かされたエルフェリオンが前を行くハオウに疑念を言葉にしてぶつける。
「カーッカッカッカッカッ! 案ずるでないぞい、若人よ! みよ、ワシの正確無比な勘を!! ゴブリンの巣窟を発見したぞい!!!」
立ち止まって振り返り、誇らしげに胸を張り、高笑いをあげるハオウ。そして、ある一点を指差す。そこには地中へと続く穴がポッカリと口を開いていた。
「おい。このジジイ、勘って言いやがったぞ」
「そんなことより、今のであたしたちが来たことを知られたわよ!」
地中から慌ただしくゴブリンが飛び出してきたのを見たアルナが声をあげて聖杖を構える。
「ギャギャギャギャッ」
奇声を発しながらゴブリンの群れが突撃してくる。
「バーニング・ガトリング!」
アルナは聖杖の先端部を突き出して魔術を発動する。放たれた火炎弾が迫りくるゴブリンを焼き撃つ。
「はん! 小鬼が、なめんなよ。こい、レヴィジアル!!」
邪龍剣を召喚したエルフェリオンが、アルナの攻撃魔術を逃れて接近してきたゴブリンを斬り捨てる。
「カーッカッカッカッカッカッ! やりおるな、若人よ。ならば、ワシも負けておられぬのぉ」
ハオウは懐から取り出した短剣を鞘から抜き放つ。
「では、参る!」
ハオウは青い魔力を全身にまとわせ、地を駆ける。
「ほっ!」
短く掛け声を発したハオウはすれ違いざまにゴブリンの首を斬って瞬殺していく。その剣閃はエルフェリオンにすら捉えることができない。
「……すご……」
想像を遥かに超えるハオウの実力にアルナが目を奪われる。
「カーッカッカッカッカッ! かわいこちゃんに見つめられては頑張らねばならぬのぉ。しかと見よ、闘気戦術・乱舞!」
青い魔力をまとったハオウが戦場を風の如く縦横無尽に駆け回り、巣窟から続々と出現するゴブリンを屠っていく。
「カーッカッカッカッカッカッ!」
「いい気になるな、老いぼれ!!」
高笑いをあげるハオウの上空から怒声が降り注ぐ。
「あいつは!」
上空には大型の鳥に乗ったゴブリンが弓矢を構えて、ハオウに狙いを定めながら降下してきていた。エルフェリオンにはその姿に見覚えがあった。ハオウが最初に襲われていたときに大樹の枝に潜んでいたコマンダー級ゴブリンである。
ビュッ
コマンダー級ゴブリンが射た矢は一直線にハオウへと飛んでいく。が、ハオウはいとも容易く短剣で矢を切り払う。
「げっ!?」
コマンダー級ゴブリンは充分に接近して射れば仕損じることはないと確信していた。しかし、ハオウは短剣ひとつで苦も無く矢を防いだのである。
「くそ! 上昇だ!!」
焦ったコマンダー級ゴブリンは相棒の大型鳥に命じる。
「カッカッカッカッ! 剣士相手なら上空に避難すれば安全だと考えたようじゃのぉ。しかし、それはちぃとあまいぞい。闘気戦術・飛閃!」
ハオウは水平に構えた短剣に闘気をまとわせる。
「あの技は!?」
エルフェリオンが声をあげたのと同時にハオウの琥珀色の瞳が鋭く光る。
ズバッ
ハオウが目にも止まらぬ早さでくり出した、闘気をのせた斬撃波がコマンダー級ゴブリンを大型鳥もろとも真っ二つに斬り裂く。
「カッカッカッカッ! まぁ、ザッとこんなもんかのぉ。さて、せっかくじゃから魔石を回収しておくぞい」
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