115 / 224
第7章 野盗集団レイゼジル討伐
7―9 VSボァ②
しおりを挟む
「ボァァァァァァッ!」
(一か八か……やってみるか!)
猛然と突進してくるボァに対してエルフェリオンは闘気をまとわせた邪龍剣を頭上に掲げる。
「闘気戦術・飛閃!」
邪龍剣から闘気を乗せた斬撃波が放たれた。
ザシュッ
「ボァ!!」
ボァの左腕から鮮血が吹き出す。
「もう一発だ! 闘気戦術・飛閃!!」
今度は水平に邪龍剣を滑らせ、闘気を乗せた斬撃波を放つ。だが、ボァは横っ跳びに躱し、一気に間合いを詰める。
「ボァ!!」
右拳を振りかざしたボァが金属製のグローブを突き出す。が、エルフェリオンは邪龍剣で受け流してボァの脇をすり抜け、腰に斬撃を入れる。
「ボァ!?」
(やはり傷は浅いか!)
邪龍剣によって斬りつけられたボァだったが、腰から多少の出血はあるものの大ダメージというほどのものではない。エルフェリオンが後方へと飛び退いた瞬間、ボァの太い腕が眼前を横切る。
『それでも邪龍武具の使い手かのぉ。嘆かわしいことじゃな……世話の焼ける小僧じゃが、しかたあるまい。そもそもおぬしは魔力の使い方がまるでなっとらん。故に、邪龍武具の性能を活かせぬのじゃ』
「勿体振らずに早く言えよ」
アドバイスをしてくるレヴィジアルに、エルフェリオンは次から次へとくり出されるボァからの反撃を躱しながら先を急かす。
『まずは魔力と神経をもっと研ぎ澄ますのじゃ。今の状態ではただ単に魔力を垂れ流しておるだけじゃ。それでは活用効率が悪すぎて話にもならぬわ。自分がまとっている魔力をもっと意識せよ』
(魔力に意識を、か)
強く地面を蹴ってボァとの間合いをとったエルフェリオンは、己の内側から溢れ出る黒い魔力へと意識を流す。
ドォンッ
「ぐぁっ!」
ボァから意識が薄れた刹那、全身を包む魔力を増大させたボァが巨岩の如くゴロゴロと猛スピードで転がり、エルフェリオンを撥ね飛ばした。
『戦闘中に敵から注意を逸らすとは、呆れ果てるばかりのバカじゃのぉ』
(クソ龍め、簡単に言ってくれるぜ)
エルフェリオンは、内心で毒づきながらも痛みに堪えて立ち上がる。
(落ち着け。あのデブから注意を逸らすな。それと並行して魔力にも意識を向けろ!)
自分自身に言い聞かせるように心に強く念じ、実行に移す。
「ボァァァァァァァァァッ!!」
獣のような咆哮をあげたボァが再び突進する。グングンと近付いてくる巨体を前にエルフェリオンは腰を落として半身となり、邪龍剣を下段に構える。
(やれる! 俺ならやれる!!)
強く念じ、ボァを睨みつけたまま己の内の魔力に意識を向け、可能な限り研ぎ澄ませる。
(なんだ? やつの動きが遅くなった? 今なら殺れる!)
魔力を研ぎ澄ませるなか、ボァの動きがわずかに遅くなったと感じ、エルフェリオンは邪龍剣を握る左手に力を込めた。エメラルドグリーンの瞳に殺気と勝利への希望が宿る。
「ボァ!!!」
ボァが右拳を振り下ろす。エルフェリオンはその動きを見切り、最小限の動作でボァの右側に回り込んでやり過ごす。
「せやぁ!」
エルフェリオンの左手が素早く動き、邪龍剣が一筋の軌跡を描く。
ザンッ
邪龍剣がボァの脇腹から肩にかけてを斬り裂いていく。鮮血が吹き出し、周囲に血飛沫が舞う。エルフェリオンはすぐに飛び退いていたため、返り血をほとんど浴びることはなかった。
「とどめだ!」
エルフェリオンは邪龍剣を邪龍槍へと変形させ、その穂先をボァの背中へと突き刺す。黒い魔力を帯びて身体能力が強化エルフェリオンが放った突きはボァがまとう魔力を容易く突き破り、その心臓を貫いた。
(一か八か……やってみるか!)
猛然と突進してくるボァに対してエルフェリオンは闘気をまとわせた邪龍剣を頭上に掲げる。
「闘気戦術・飛閃!」
邪龍剣から闘気を乗せた斬撃波が放たれた。
ザシュッ
「ボァ!!」
ボァの左腕から鮮血が吹き出す。
「もう一発だ! 闘気戦術・飛閃!!」
今度は水平に邪龍剣を滑らせ、闘気を乗せた斬撃波を放つ。だが、ボァは横っ跳びに躱し、一気に間合いを詰める。
「ボァ!!」
右拳を振りかざしたボァが金属製のグローブを突き出す。が、エルフェリオンは邪龍剣で受け流してボァの脇をすり抜け、腰に斬撃を入れる。
「ボァ!?」
(やはり傷は浅いか!)
邪龍剣によって斬りつけられたボァだったが、腰から多少の出血はあるものの大ダメージというほどのものではない。エルフェリオンが後方へと飛び退いた瞬間、ボァの太い腕が眼前を横切る。
『それでも邪龍武具の使い手かのぉ。嘆かわしいことじゃな……世話の焼ける小僧じゃが、しかたあるまい。そもそもおぬしは魔力の使い方がまるでなっとらん。故に、邪龍武具の性能を活かせぬのじゃ』
「勿体振らずに早く言えよ」
アドバイスをしてくるレヴィジアルに、エルフェリオンは次から次へとくり出されるボァからの反撃を躱しながら先を急かす。
『まずは魔力と神経をもっと研ぎ澄ますのじゃ。今の状態ではただ単に魔力を垂れ流しておるだけじゃ。それでは活用効率が悪すぎて話にもならぬわ。自分がまとっている魔力をもっと意識せよ』
(魔力に意識を、か)
強く地面を蹴ってボァとの間合いをとったエルフェリオンは、己の内側から溢れ出る黒い魔力へと意識を流す。
ドォンッ
「ぐぁっ!」
ボァから意識が薄れた刹那、全身を包む魔力を増大させたボァが巨岩の如くゴロゴロと猛スピードで転がり、エルフェリオンを撥ね飛ばした。
『戦闘中に敵から注意を逸らすとは、呆れ果てるばかりのバカじゃのぉ』
(クソ龍め、簡単に言ってくれるぜ)
エルフェリオンは、内心で毒づきながらも痛みに堪えて立ち上がる。
(落ち着け。あのデブから注意を逸らすな。それと並行して魔力にも意識を向けろ!)
自分自身に言い聞かせるように心に強く念じ、実行に移す。
「ボァァァァァァァァァッ!!」
獣のような咆哮をあげたボァが再び突進する。グングンと近付いてくる巨体を前にエルフェリオンは腰を落として半身となり、邪龍剣を下段に構える。
(やれる! 俺ならやれる!!)
強く念じ、ボァを睨みつけたまま己の内の魔力に意識を向け、可能な限り研ぎ澄ませる。
(なんだ? やつの動きが遅くなった? 今なら殺れる!)
魔力を研ぎ澄ませるなか、ボァの動きがわずかに遅くなったと感じ、エルフェリオンは邪龍剣を握る左手に力を込めた。エメラルドグリーンの瞳に殺気と勝利への希望が宿る。
「ボァ!!!」
ボァが右拳を振り下ろす。エルフェリオンはその動きを見切り、最小限の動作でボァの右側に回り込んでやり過ごす。
「せやぁ!」
エルフェリオンの左手が素早く動き、邪龍剣が一筋の軌跡を描く。
ザンッ
邪龍剣がボァの脇腹から肩にかけてを斬り裂いていく。鮮血が吹き出し、周囲に血飛沫が舞う。エルフェリオンはすぐに飛び退いていたため、返り血をほとんど浴びることはなかった。
「とどめだ!」
エルフェリオンは邪龍剣を邪龍槍へと変形させ、その穂先をボァの背中へと突き刺す。黒い魔力を帯びて身体能力が強化エルフェリオンが放った突きはボァがまとう魔力を容易く突き破り、その心臓を貫いた。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる