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第10章 元処刑場の戦い
10―10 VSマイザム①
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ジャイガスから得た情報を頼りに地下牢を抜けたエルフェリオンたちは、目的地である地下墓地へと辿り着いた。
「思ったより広いわね」
広々とした地下空間に整然と建てられた墓石の数々を見て、アルナが率直な感想を口にする。
「……あそこか……」
地下墓地の中央部。一際目立っている慰霊碑の前にボロマントをまとったスケルトンが立っていた。その赤い双眸はエルフェリオンとアルナに真っ直ぐに向けられている。
「来るのを知ってて待ってたみたいね。やる気満々って感じのオーラが出てるわ」
聖杖を構えたアルナが言う。
「みてぇだな。いいぜ、やってやろうじゃねぇか!」
エルフェリオンは、邪龍槍を頭上で回転させて闘志をみなぎらせる。
ダンッ
地面を蹴って駆け出したエルフェリオンは、墓石を足場に猛スピードでマイザムとの間合いを詰めていく。
「いくぜ、ガイコツ!」
マイザムを邪龍槍の攻撃範囲内に捉えたエルフェリオンが、連続攻撃をくり出す。
ガガガガガガガガッ
マイザムは両手用大斧をまるで木剣の如く軽やかに扱い、エルフェリオンの攻撃をすべて受け止める。
「離れて、エルフェリオン!」
魔力を高めて聖杖をマイザムに向けたアルナがパートナーに声をかける。
「ホーリー・レイ!!」
聖杖の先端部から放たれた白い光線がマイザムに向かって一直線に伸びていく。
ガッ
マイザムは両手用大斧を振りかざして光線を弾く。軌道が逸れたことで光線は墓石のひとつに当たって破壊する。
「……うそでしょ!?」
驚嘆するアルナに向かって突撃するマイザム。しかし、その進路にエルフェリオンが立ちはだかる。
邪龍槍と両手用大斧が幾度も激しくぶつかり合う。
ギィィィンッ
マイザムが揮った両手用大斧がエルフェリオンを弾き飛ばす。
「骨だけのくせになんて馬鹿力だな」
『あやつはただのスケルトンとはわけが違うからのぉ。何者かによって操られておるのではなく、生前に強い念を遺した者が自らの骨に憑依した状態じゃ。能力も生前と同等じゃろうて』
エルフェリオンの内でレヴィジアルが解説を入れる。その間にもマイザムの猛攻がエルフェリオンを容赦なく襲う。
エルフェリオンとマイザムは互いに一進一退の激しい攻防戦を展開する。
「バインド・チェーン!」
一瞬の隙をついたアルナがマイザムの持つ両手用大斧に魔力の鎖を巻き付ける。
「闘気戦術・斬閃!」
動きを止められたマイザムにエルフェリオンの一撃が入る。
マイザムは両手用大斧から手を放して飛び退く。が、エルフェリオンは追撃にでる。邪龍槍が次々に描く軌跡がマイザムに叩き込まれていく。
「バーニング・ショット!」
エルフェリオンがマイザムから距離をとったタイミングを見計らって、アルナが火炎弾を放つ。それを顔面に直撃したマイザムは吹っ飛び、墓石のひとつに背中をぶつける。
「これで終わりだぁ!」
エルフェリオンは邪龍槍の穂先をマイザムに向けて、地面を踏みしめる。だが、何者かに足首を掴まれてしまう。
「くっ!」
地中から伸びた腕が足首を掴んでいるのを確認したエルフェリオンは、邪龍槍の穂先をマイザムから足下へと転じ、迷いなく地中から伸びた腕を切断し、ひとまずその場を離れる。
「エルフェリオン!」
アルナが口元を引き攣らせて、声をあげる。
周囲の地面が盛り上がり、またしても大量のゾンビが出現したのだった。
「思ったより広いわね」
広々とした地下空間に整然と建てられた墓石の数々を見て、アルナが率直な感想を口にする。
「……あそこか……」
地下墓地の中央部。一際目立っている慰霊碑の前にボロマントをまとったスケルトンが立っていた。その赤い双眸はエルフェリオンとアルナに真っ直ぐに向けられている。
「来るのを知ってて待ってたみたいね。やる気満々って感じのオーラが出てるわ」
聖杖を構えたアルナが言う。
「みてぇだな。いいぜ、やってやろうじゃねぇか!」
エルフェリオンは、邪龍槍を頭上で回転させて闘志をみなぎらせる。
ダンッ
地面を蹴って駆け出したエルフェリオンは、墓石を足場に猛スピードでマイザムとの間合いを詰めていく。
「いくぜ、ガイコツ!」
マイザムを邪龍槍の攻撃範囲内に捉えたエルフェリオンが、連続攻撃をくり出す。
ガガガガガガガガッ
マイザムは両手用大斧をまるで木剣の如く軽やかに扱い、エルフェリオンの攻撃をすべて受け止める。
「離れて、エルフェリオン!」
魔力を高めて聖杖をマイザムに向けたアルナがパートナーに声をかける。
「ホーリー・レイ!!」
聖杖の先端部から放たれた白い光線がマイザムに向かって一直線に伸びていく。
ガッ
マイザムは両手用大斧を振りかざして光線を弾く。軌道が逸れたことで光線は墓石のひとつに当たって破壊する。
「……うそでしょ!?」
驚嘆するアルナに向かって突撃するマイザム。しかし、その進路にエルフェリオンが立ちはだかる。
邪龍槍と両手用大斧が幾度も激しくぶつかり合う。
ギィィィンッ
マイザムが揮った両手用大斧がエルフェリオンを弾き飛ばす。
「骨だけのくせになんて馬鹿力だな」
『あやつはただのスケルトンとはわけが違うからのぉ。何者かによって操られておるのではなく、生前に強い念を遺した者が自らの骨に憑依した状態じゃ。能力も生前と同等じゃろうて』
エルフェリオンの内でレヴィジアルが解説を入れる。その間にもマイザムの猛攻がエルフェリオンを容赦なく襲う。
エルフェリオンとマイザムは互いに一進一退の激しい攻防戦を展開する。
「バインド・チェーン!」
一瞬の隙をついたアルナがマイザムの持つ両手用大斧に魔力の鎖を巻き付ける。
「闘気戦術・斬閃!」
動きを止められたマイザムにエルフェリオンの一撃が入る。
マイザムは両手用大斧から手を放して飛び退く。が、エルフェリオンは追撃にでる。邪龍槍が次々に描く軌跡がマイザムに叩き込まれていく。
「バーニング・ショット!」
エルフェリオンがマイザムから距離をとったタイミングを見計らって、アルナが火炎弾を放つ。それを顔面に直撃したマイザムは吹っ飛び、墓石のひとつに背中をぶつける。
「これで終わりだぁ!」
エルフェリオンは邪龍槍の穂先をマイザムに向けて、地面を踏みしめる。だが、何者かに足首を掴まれてしまう。
「くっ!」
地中から伸びた腕が足首を掴んでいるのを確認したエルフェリオンは、邪龍槍の穂先をマイザムから足下へと転じ、迷いなく地中から伸びた腕を切断し、ひとまずその場を離れる。
「エルフェリオン!」
アルナが口元を引き攣らせて、声をあげる。
周囲の地面が盛り上がり、またしても大量のゾンビが出現したのだった。
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