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4章 ラミーネル攻略戦
60話 タハルジャ&ルット戦②
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(さすがはアルフォスだ。予想していたよりも遥かに強くなっている…)
ルットは電撃により痺れる体でどうにか立ち上がる。
「さすがに強いね。だけど、僕は敗けられないんだ! 火属性中級魔術!」
ルットは練り上げた魔力を炎の矢に変換し放つ。
アルフォスは素早い身のこなしで振り返り魔剣カラドボルグでそれを斬る。それと同時に聖剣エクスカリバーの魔力を解放して振り下ろす。
「水刃!」
「防御膜魔術!」
ルットは放たれた水の刃の直撃に備えて防御魔術を自らに施す。
ザシュッ
水刃は防御膜魔術により保護されていたはずのルットの肉を深く斬りつけた。
「ぐあぁぁぁっ!!」
ルットは悲鳴をあげて倒れる。
「ルット!?」
タハルジャは倒れた息子に向かって叫ぶ。だが、ルットは答えることができない。息はあるが傷口が深く、自らに治癒初級魔術をかけている。
「おのれぇ! 許さんぞ、アルフォス!! 風属性上級魔術!!」
怒りの感情を爆発させたタハルジャが風属性上級魔術を詠唱発動させ、連発で撃ち続ける。
「ちぃっ!!」
アルフォスは聖剣と魔剣を使って真空の刃を斬りつつ、円柱の陰へと身を潜める。
「ぬりゃあ!」
ウィナーが斬り上げたクレイモアの切っ先がタハルジャの左腕を切断する。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
絶叫が謁見の間に響き渡る。ウィナーは続け様にクレイモアを横一文字に振る。
「ぬがぁぁぁっ!!」
タハルジャは腹部を深く斬られ両膝をついて苦悶の表情をみせる。
今こそ攻め時とみて、アルフォスとセラが円柱から飛び出す。
「火属性中級魔術」
セラは無数の炎の矢を作り、一斉に撃つ。
「ぬうぉぉぉ……」
炎に包まれタハルジャは仰向けに倒れる。
「とどめだ、タハルジャ!!」
アルフォスは聖剣と魔剣を同時にタハルジャの胸に突き立てた。
「ぬぁぁぁぁぁぁっ!!」
再び絶叫し、タハルジャの全身から力が抜ける。
「やりましたわね! おめでとうございます、アルフォス様!」
「へへへ……あとは上にいる連中を殺れば終わりだな!」
セラとウィナーがアルフォスの元に集合する。
「その前にあの野郎の息の根を止めとかねぇとな」
ウィナーが、重傷を負って床に倒れたまま自らを治療しているルットに視線を送る。
3人はルットを囲むように立つ。もはやルットに逃げ出す体力はなく、傷は治癒初級魔術でも治療不可能なほど深い。
「僕の…敗けだ……とどめ…を……」
ルットと瞼を閉じる。その時だった。階段を駆け下りてくる足音が聞こえてきた。
「待って! ルットを、ルットを殺さないで!! お願い!!!」
上階から下りてきた娘は瀕死のルットの体に覆い被さり、自らを盾にする。
「ピファ、様……。離れて…ください……このま…までは……あなたまで……」
「いや! 死ぬときは一緒なんだから!!」
涙を流しながらルットにしがみつくピファ。彼女に続いて下りてきたジルバーナとメルティナも瞳を潤ませている。
「お願い、アルフォス! あなたにまだ人の心が残っているのなら、せめてピファの胸の中でルットを!」
メルティナがアルフォスに懇願する。
「アルフォス様、この女がメルティナですのね?」
セラが冷酷な目でメルティナを睨む。
「ああ、そうだ」
「ふん、アルフォス様に愛されておきながらアルフォス様を裏切り、左目を奪った憎らしい女ですわね」
「今はそんな事などどうでもいい。全てが終われば処刑するだけだ。それよりもピファをルットから引き離せ」
アルフォスがウィナーに指示を出す。
「そういうこった。悪く思うんじゃねぇぞ」
「いや! いやぁぁ!!」
ピファは抵抗をみせるがウィナーに抗えるはずもなく、あっさりと引き離される。
アルフォスは聖剣エクスカリバーの切っ先を真下のルットに向け、魔力を解放する。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
声の限り泣き叫ぶピファ。
「癒水」
聖剣エクスカリバーの切っ先から一滴の水がルットの身体に滴り落ち、傷口を塞いだ。
「おい、さっさとこいつを連れて上に行ってろ」
アルフォスはジルバーナ、ピファ、メルティナに向かって言う。3人は恐る恐るアルフォスの前のルットを抱き抱える。
「ありがと、アルフォス」
「さっさと行け」
アルフォスとメルティナは短い会話をする。その時、青年の声がした。
「僕の婚約者と気安く口を利かないでもらおうか?」
声の主は勇者ゼトラだった。
ルットは電撃により痺れる体でどうにか立ち上がる。
「さすがに強いね。だけど、僕は敗けられないんだ! 火属性中級魔術!」
ルットは練り上げた魔力を炎の矢に変換し放つ。
アルフォスは素早い身のこなしで振り返り魔剣カラドボルグでそれを斬る。それと同時に聖剣エクスカリバーの魔力を解放して振り下ろす。
「水刃!」
「防御膜魔術!」
ルットは放たれた水の刃の直撃に備えて防御魔術を自らに施す。
ザシュッ
水刃は防御膜魔術により保護されていたはずのルットの肉を深く斬りつけた。
「ぐあぁぁぁっ!!」
ルットは悲鳴をあげて倒れる。
「ルット!?」
タハルジャは倒れた息子に向かって叫ぶ。だが、ルットは答えることができない。息はあるが傷口が深く、自らに治癒初級魔術をかけている。
「おのれぇ! 許さんぞ、アルフォス!! 風属性上級魔術!!」
怒りの感情を爆発させたタハルジャが風属性上級魔術を詠唱発動させ、連発で撃ち続ける。
「ちぃっ!!」
アルフォスは聖剣と魔剣を使って真空の刃を斬りつつ、円柱の陰へと身を潜める。
「ぬりゃあ!」
ウィナーが斬り上げたクレイモアの切っ先がタハルジャの左腕を切断する。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
絶叫が謁見の間に響き渡る。ウィナーは続け様にクレイモアを横一文字に振る。
「ぬがぁぁぁっ!!」
タハルジャは腹部を深く斬られ両膝をついて苦悶の表情をみせる。
今こそ攻め時とみて、アルフォスとセラが円柱から飛び出す。
「火属性中級魔術」
セラは無数の炎の矢を作り、一斉に撃つ。
「ぬうぉぉぉ……」
炎に包まれタハルジャは仰向けに倒れる。
「とどめだ、タハルジャ!!」
アルフォスは聖剣と魔剣を同時にタハルジャの胸に突き立てた。
「ぬぁぁぁぁぁぁっ!!」
再び絶叫し、タハルジャの全身から力が抜ける。
「やりましたわね! おめでとうございます、アルフォス様!」
「へへへ……あとは上にいる連中を殺れば終わりだな!」
セラとウィナーがアルフォスの元に集合する。
「その前にあの野郎の息の根を止めとかねぇとな」
ウィナーが、重傷を負って床に倒れたまま自らを治療しているルットに視線を送る。
3人はルットを囲むように立つ。もはやルットに逃げ出す体力はなく、傷は治癒初級魔術でも治療不可能なほど深い。
「僕の…敗けだ……とどめ…を……」
ルットと瞼を閉じる。その時だった。階段を駆け下りてくる足音が聞こえてきた。
「待って! ルットを、ルットを殺さないで!! お願い!!!」
上階から下りてきた娘は瀕死のルットの体に覆い被さり、自らを盾にする。
「ピファ、様……。離れて…ください……このま…までは……あなたまで……」
「いや! 死ぬときは一緒なんだから!!」
涙を流しながらルットにしがみつくピファ。彼女に続いて下りてきたジルバーナとメルティナも瞳を潤ませている。
「お願い、アルフォス! あなたにまだ人の心が残っているのなら、せめてピファの胸の中でルットを!」
メルティナがアルフォスに懇願する。
「アルフォス様、この女がメルティナですのね?」
セラが冷酷な目でメルティナを睨む。
「ああ、そうだ」
「ふん、アルフォス様に愛されておきながらアルフォス様を裏切り、左目を奪った憎らしい女ですわね」
「今はそんな事などどうでもいい。全てが終われば処刑するだけだ。それよりもピファをルットから引き離せ」
アルフォスがウィナーに指示を出す。
「そういうこった。悪く思うんじゃねぇぞ」
「いや! いやぁぁ!!」
ピファは抵抗をみせるがウィナーに抗えるはずもなく、あっさりと引き離される。
アルフォスは聖剣エクスカリバーの切っ先を真下のルットに向け、魔力を解放する。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
声の限り泣き叫ぶピファ。
「癒水」
聖剣エクスカリバーの切っ先から一滴の水がルットの身体に滴り落ち、傷口を塞いだ。
「おい、さっさとこいつを連れて上に行ってろ」
アルフォスはジルバーナ、ピファ、メルティナに向かって言う。3人は恐る恐るアルフォスの前のルットを抱き抱える。
「ありがと、アルフォス」
「さっさと行け」
アルフォスとメルティナは短い会話をする。その時、青年の声がした。
「僕の婚約者と気安く口を利かないでもらおうか?」
声の主は勇者ゼトラだった。
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