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4章 ラミーネル攻略戦

71話 アルフォスの決断

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 アルフォスのまぶたがゆっくりと開く。

 そこはいつものリュカリオンの居城バルスヴェイルの一室…ではなかった。

 「ここは……」

 部屋には見覚えがある。

 「メルティナの寝室か?」

 アルフォスは上体を起こす。鉛のように重く感じる身体を無理に動かし、部屋を出て、階下へと移動する。

 「アルフォス様!?」

 愛しき主の存在にいち早く気付いたセラが駆け寄ってきた。

 「心配かけたな。それで、あれからどうなった?」

 「ジルバーナ、ルット、メルティナ、ピファの4名については地下牢に幽閉しておりますわ。そして、ラミーネルを陥落させたことにより世界はリュカリオン様の手に落ちましたの。それと同時にラミーネル攻略の功として、アルフォス様は七星大将軍となられましたのよ! そして、このラミーネルの実質的な支配者ですの。ちなみに、ゼトラはシャイアによって殺害されていましたわ」

 「そう、か。シャイアはどうなった?」

 アルフォスの質問にセラは首を横に振る。

 「わかりませんわ…。黒い暴風がおさまったあと、その姿を見た者はおりませんわ。神槍グングニルも同じく行方不明ですの……。ですが、あの状況からでは生存の可能性は低いのではないでしょうか」

 「わかった。それで、このラミーネルの現状は?」

 「七星大将軍アルフォス様の支配地となった旨を旧国王ジルバーナより国民に伝えさせましたわ。もちろん、その際にはアルフォス様の無実も……」

 「おぉ! アルフォスの旦那!! やっとお目覚めかい!?」

 謁見の間に姿を現したウィナーが駆け寄ってくる。

 「心配かけたな」

 「まったくだぜ。1ヶ月も眠ったままだったから、もう起きないんじゃねぇかと思っちまった!」

 「1ヶ月!?」

 ウィナーの口から出た言葉に驚くアルフォス。

 「あら、わたくしとしたことが申し上げておりませんでしたわ!」

 セラが口に手をあてる。

 (まさか1ヶ月も昏睡状態だったとは驚かされた……。魔眼と魔腕を併用するのはそれだけ負担が大きいということか……)

 「アルフォス様?」

 俯き、黙って考え込んでいるアルフォスの顔をセラがのぞきこむ。

 「…いや、なんでもない」

 「それで、アルフォス様。あの者たちの処分を決めていただきたいのですが?」

 セラがジルバーナたち4人への対処を求める。

 「そうだな。それならばもう決まっている」

 「本当にいいのか?」

 「その決断がアルフォス様の心からのお望みなのですわね?」

 セラとウィナーが改めて確認する。

 「ああ。もう、ずっと前から決めていたことだ。明日、ジルバーナ、ルット、メルティナ、ピファの4名の死刑を執行する。死刑執行人は俺だ!」

 アルフォスは高らかに宣言した。
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