禁忌を侵した俺が送る異世界奴隷王ハーレムライフ

やーま

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それでいい。

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 抵抗しているのか、カイムは苦しそうにしている。だが、先程より身体が一回り小さくなっている気がする。
 
 魔力を抑えようとしてるのか…

 ふと隣に気配を感じ、振り向くとリザがいつの間にかリョウガの左側に立っていた。

 「カイムっ!お願いだから…私を一人にしないで…私からもう何も奪わないで…」
 リザはカイムの右手に触れる。
 
 リョウガは咄嗟に声を挙げた。
 まだ完全に戻った訳じゃない、襲って来る可能性もある。
 「おい!まだ!危ない!」

 その時、カイムは最後の力を振り絞るかの様に吠えた。
 『グオォォッ!!』

 紫色の電光が激しくカイムの身体駆け巡っていく。燭光は増し続け、目を開けている事が困難な程になり、周囲に弾けた。
 弾けた衝撃により、リザとリョウガは吹き飛ばされ、地に転がる。

 「あぁっ!」
 「クッ!」

 しかし身体に外傷は無く、吹き飛ばされただけだった。そして電光の弾けた中心には、子供姿のカイムが気を失って倒れていた。
 カイムの意思の強さがなんとか暴走を収え、魔力を落ち着かせたのだ。

 すぐさま駆け寄り、一応脈を確認。
 小さな細い血管が毎秒しっかりと心臓に血液を送ろうと波打っていた。

 リザもカイムが生きている事を確認すると泣き喚いた。
 しばらく泣きじゃくっていたが、疲れてしまったのか、カイムの手を握りながらその場で眠ってしまった。

 その光景はまるで本当の兄弟のように仲良く寝ている家族の様だった。

 
 「バタッ」
 リョウガもずっと気を張っていたのか、途端に安堵したのか身体から力が抜けていく。
 地に寝そべり、天を仰ぐ。
 遥か遠くに雲一つ無い蒼空が広がっている。
 突然、この蒼空が広がる異世界に連れてこられ、知りもしない世界の退廃した社会に修羅の妄執を抱き、行動した自分が不思議だった。

 しかしそこに意味なんて無かった。
 子供達を助けたい。
 その一心が身体を動かしていた。

 きっと生きる意味も同じなんだ。
 意味なんて無い。
 ただ生きる為に生きる。ただそれだけ。
 それだけでいいんだ。
 
 しかし弱者には生を全うする事すら、自由に選択できない。
 強者による圧倒的な支配には抗う事も許されない。
 ここはそんな悲しい世界。
 力ある者が手を差し伸べない限り永遠に。
 
 俺は何の為にこの世界に連れて来られたのか分からない。
 何の為に天の声はこのスキルを授けたのかも分からない。
 いや、意味なんて無いのかもしれない。
 ただ死んで転生し、たまたま神の仔として生まれ変わった。それだけなのかもしれない。

 だが、このスキルにはこの世界を変える事が出来る力がある。

 
 もう一度朗報な笑顔を見たい。
 
 その為に生きる。

 『それでいい…』

 リョウガは考えることに疲れ、深く目を瞑むった。
 
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