13 / 53
第二章 知識チート
俺TUEEEE!!
しおりを挟む
バルスス族の若者達に稽古をつけて二週間ほどが経過した。
しかしこれがまあ酷いもんだ。やる気あんのか。十分ほども練習するとすぐに「キツイ」だの「こんなの無理だ」だの言いだして休憩に入る。
ホントはさあ……バルスス族に戦い方を教えて、魔王軍に……まあ「軍」っていうレベルのもんかどうか知らんけどさ、こいつらの程度を見れば相手の強さもお察しだろ。とにかく魔王軍と戦う力をつけさせようと思ったんだけど、根性が無さすぎる。
「やっぱこんなの無理だよ」
「勇者様はなんであんなに立っていられるんだ?」
「ずりいよな、女神さまにチートスキル貰ったんだぜ」
何がチートスキルだボケ。
とはいうもののだ。こいつらの成長するがままに任せていたら何万年かかるか分からない。俺は一本の長い棒を取り出した。
「なんですか、勇者様、それは?」
「そんなものを持って歩けるんですか?」
「いったいなにを?」
ガヤガヤと騒ぐ男たちの目の前で俺はその棒を地面について体の支えにする。
「こうやって、まだ未熟で自分の力で立てない者は、これを支えにして立つんだ。これを……」
俺は前をキッと見据え、力強く宣言する。
「『杖』というッ!!」
何を言ってるんだ俺は。
「凄い!!」
「確かにこれなら立てる!」
「TUEEEE!!」
相変わらず必要以上にいい反応を返す若者達。勘弁してくれ。
訓練は遅々として進まず。なかなかバルスス族の男たちは歩けるようにならなかった。そこで俺が考案したのがこの「杖」だった。
言ってて恥ずかしくなってくる。朝も昼も夜もず~ッと四本足の物な~んだ? 答えはこのボンクラども。
全員に杖がいきわたるとすぐに立つ練習を始めるが、しかしやはり若者たちは休憩を練習を繰り返しながらだらだらと進める。やる気が感じられない。
そんな中一人頑張っているのが首長の娘ファーララだ。
彼女だけは文句の一言も言わずに男たちに混ざって黙々と二足歩行の練習を続けている。彼女の綺麗だった膝は擦り傷だらけだ。本当に、なんていい子なんだ。
彼女の存在が発破になってくれればいいんだが、しかし流れに任せるにはいかない。男どもには「この先」がちゃんとあるんだ、とエサを見せてやらないとな。
俺は事前に用意していた打製石器を切れ込みを入れた杖の先に挟んで、茹でて柔らかくしてあった竹ひごできつく結んだ。
「勇者様……それはいったい?」
「なんだろう……分からない」
「分からない、分からないぞッ!」
ちょっとは頭を使えこのボンクラどもが。
俺は杖を水平に持って、少し足を開いて立ち、石器を前に突き出すように構える。
「これは……『槍』だ……ッ!!」
言ってて自分で恥ずかしい。
俺は槍を前方に突き、払い、叩き、架空の敵を攻撃する。
「これを使えば、自分は安全な場所にいながら、離れた敵を攻撃することができる」
「なんだって!」
「そんな卑怯な……いや、しかし合理的だ……」
「悪魔の力だ……」
槍が悪魔の兵器とかお前らぬるま湯に漬かりすぎだろ。俺は極めつけの技を見せる。
「そしてこれは手に持って戦うだけが能じゃない。こうやって……」
俺は槍を右手で逆手に持ち、左足を前に大きく出して勢いをつけ、そのまま槍を投げて土壁に突き刺した。投げ槍だ。
「お……恐ろしい……」
「嘘だろ……こんなことが、こんなことが許されていいのか」
「非人道的兵器だ……」
逆に聞きたいんだけど君らが認める人道的兵器ってなんなの?
こいつら四足歩行がデフォだから投擲も今までろくに使ってこなかったらしい。どうやって狩りとかしてたんだよ。ホントによく今まで生き延びてこれたな。
本当は弓矢を作りたかったんだけど、俺自身が作り方を知らないのであきらめた。自殺時までもかなり苦労して作ってたし。
二足歩行ができれば、その先にはこのステップがある。それを理解してもらえれば歩くことの重要性を分かってもらえるはずだ。
「それともう一つ、これは戦いとは別の事だが、やってほしいことがある。女の人も集まってきてくれ」
俺はそう言って練習場の地面に杖の先で「い」「ろ」「は」と文字を書く。
「これはそれぞれ『い』『ろ』『は』と読む」
「それは、いったい……?」
「意味が分からない」
「『読む』……とは?」
やはり理解できないか。俺は一旦目を閉じ、そして見開きながら力強く宣言する。
「これは、『文字』だ!!」
「Moji……?」
「絵じゃないんですか?」
「いったい何に使うもので……?」
ちょっと疲れてきたな。こいつらホント……わざとやってるんじゃないのかな。実は全部ドッキリだったりとか。というかむしろもうそうであってほしい。
とは言うものの、本人たちが「知らね」っつうんだから今はそれを信じるしかない。俺は仕方なく文字の説明を始める。もしこれがドッキリだったらこの光景、傍目に見てたら相当イタいだろうな。
とにかく文字があれば今俺が教えている技術をこの場にいない人にも伝えられるし後世にも残せる。上手くいけば別の集落にも伝えられるかもしれない。
……この恥ずかしいやり取りが永遠に残るのか。
いつか遠い未来でまた異世界から人が召喚された時、この記録を見て「プッ、こいつ二足歩行でマウント取ってやがるぜ」とか言われるんだろうなあ。仕方ないじゃん、他に方法ないんだから。
「なんと素晴らしい……」
「勇者様は溢れる知の泉だ」
「知識チートじゃん」
今まで俺、褒められるのってもっと嬉しいことだと思ってたんだけどなあ……
とにかく俺は文字の開発についてはオールムの奥さんのアルテットさんに任せることにした。俺は彼らの言葉がベアリスの力で自動翻訳されちゃってるのでこの作業は出来ない。
ああ、それにしても。
チェンジしたい。
『何でですか! こんなイージーな異世界、これを逃したらもう二度と来ませんよ! この世界を平和にして、末永くみんなと穏やかに暮らしたいと思わないんですか!?』
思わねえよ。
何が悲しゅうて新石器時代で二足歩行も覚束ない奴らと末永く暮らさにゃならんのだ。正直今すぐにでもチェンジしたいんだが。女神の言葉なんて無視だ。無視。
『そっ、そんなひどいこと言わないで下さいよぉ……可愛いファーララちゃんが泣いちゃいますよぉ? 私も泣きますし』
お前は別にいいけど……俺はちらりと首長の娘、ファーララの方を見る。どうやら文字の方は他の女衆に任せるつもりのようだ。杖を支えにして必死に二足歩行の練習をしている。
ああもう本当にかわいい。いじらしい。
男どもはもう休憩してるって言うのに、彼女は首長の娘という立場でありながら誰よりも努力している。真っすぐで真面目で、一生懸命で、本当にいい子なんだよな。
というか他の人達も俺を温かく迎えてくれたし、女神の使徒として厚遇してくれるし、何より人間がみんな親切で穏やかだ。理想の優しい世界なんだよなぁ……二足歩行さえできてれば。
『でしょ? いいところじゃないですか。それにほら、最近のラノベでも流行ってるでしょう。現代日本の知識をつかって現代無双! 知識チート!』
「違うだろう!!」
「えっ?」
俺が急に大きな声を出したのでみんなが振り向いた。
「あっ、すいません。今ちょっと女神の奴と話してて。気にしないで下さい」
「女神ベアリス様とお話を……」
「シャーマンでもないのに、凄い」
「さすが女神の使徒だ……」
箸が転がっても賞賛。
「もう嫌だ。たくさんだ」
俺は、もう限界だった。
「こんなの知識チートじゃねえわ!! 二足歩行とか杖のどこが現代日本の知識だっつうんだよ!!
知識チートって、こう……違うだろう! もっとさあ、マヨネーズ作ったり、シャンプーとコンディショナー作ったり……いや俺どっちも作り方知らないけどさあ!!」
『マヨネーズとシャンプーも現代日本の知識かって言われると微妙な気がしますが』
「うるせえ!!」
誰に向かって叫んでるのか。女神か、それともバルスス族の人達なのか。それが分からなくても俺はぶちまけずにはいられなかった。そうしなければ、俺の心が壊れてしまいそうだったから。
「どこの世界に異世界人に二足歩行教えてホルホルする知識チートがあんだよ! ここにあんだよバカヤロウ!!」
俺は地面に持っていた槍を叩きつけた。
辺りは静寂に包まれる。
バルスス族の青年の一人が、恐る恐る、俺をなだめようと声をかけてきた。
「勇者様……その、何があったか知りませんが、落ち着いてください。そんな大声を出して……それじゃサルと変わりませんよ」
お前らにだけは言われたくねーわ。
しかしこれがまあ酷いもんだ。やる気あんのか。十分ほども練習するとすぐに「キツイ」だの「こんなの無理だ」だの言いだして休憩に入る。
ホントはさあ……バルスス族に戦い方を教えて、魔王軍に……まあ「軍」っていうレベルのもんかどうか知らんけどさ、こいつらの程度を見れば相手の強さもお察しだろ。とにかく魔王軍と戦う力をつけさせようと思ったんだけど、根性が無さすぎる。
「やっぱこんなの無理だよ」
「勇者様はなんであんなに立っていられるんだ?」
「ずりいよな、女神さまにチートスキル貰ったんだぜ」
何がチートスキルだボケ。
とはいうもののだ。こいつらの成長するがままに任せていたら何万年かかるか分からない。俺は一本の長い棒を取り出した。
「なんですか、勇者様、それは?」
「そんなものを持って歩けるんですか?」
「いったいなにを?」
ガヤガヤと騒ぐ男たちの目の前で俺はその棒を地面について体の支えにする。
「こうやって、まだ未熟で自分の力で立てない者は、これを支えにして立つんだ。これを……」
俺は前をキッと見据え、力強く宣言する。
「『杖』というッ!!」
何を言ってるんだ俺は。
「凄い!!」
「確かにこれなら立てる!」
「TUEEEE!!」
相変わらず必要以上にいい反応を返す若者達。勘弁してくれ。
訓練は遅々として進まず。なかなかバルスス族の男たちは歩けるようにならなかった。そこで俺が考案したのがこの「杖」だった。
言ってて恥ずかしくなってくる。朝も昼も夜もず~ッと四本足の物な~んだ? 答えはこのボンクラども。
全員に杖がいきわたるとすぐに立つ練習を始めるが、しかしやはり若者たちは休憩を練習を繰り返しながらだらだらと進める。やる気が感じられない。
そんな中一人頑張っているのが首長の娘ファーララだ。
彼女だけは文句の一言も言わずに男たちに混ざって黙々と二足歩行の練習を続けている。彼女の綺麗だった膝は擦り傷だらけだ。本当に、なんていい子なんだ。
彼女の存在が発破になってくれればいいんだが、しかし流れに任せるにはいかない。男どもには「この先」がちゃんとあるんだ、とエサを見せてやらないとな。
俺は事前に用意していた打製石器を切れ込みを入れた杖の先に挟んで、茹でて柔らかくしてあった竹ひごできつく結んだ。
「勇者様……それはいったい?」
「なんだろう……分からない」
「分からない、分からないぞッ!」
ちょっとは頭を使えこのボンクラどもが。
俺は杖を水平に持って、少し足を開いて立ち、石器を前に突き出すように構える。
「これは……『槍』だ……ッ!!」
言ってて自分で恥ずかしい。
俺は槍を前方に突き、払い、叩き、架空の敵を攻撃する。
「これを使えば、自分は安全な場所にいながら、離れた敵を攻撃することができる」
「なんだって!」
「そんな卑怯な……いや、しかし合理的だ……」
「悪魔の力だ……」
槍が悪魔の兵器とかお前らぬるま湯に漬かりすぎだろ。俺は極めつけの技を見せる。
「そしてこれは手に持って戦うだけが能じゃない。こうやって……」
俺は槍を右手で逆手に持ち、左足を前に大きく出して勢いをつけ、そのまま槍を投げて土壁に突き刺した。投げ槍だ。
「お……恐ろしい……」
「嘘だろ……こんなことが、こんなことが許されていいのか」
「非人道的兵器だ……」
逆に聞きたいんだけど君らが認める人道的兵器ってなんなの?
こいつら四足歩行がデフォだから投擲も今までろくに使ってこなかったらしい。どうやって狩りとかしてたんだよ。ホントによく今まで生き延びてこれたな。
本当は弓矢を作りたかったんだけど、俺自身が作り方を知らないのであきらめた。自殺時までもかなり苦労して作ってたし。
二足歩行ができれば、その先にはこのステップがある。それを理解してもらえれば歩くことの重要性を分かってもらえるはずだ。
「それともう一つ、これは戦いとは別の事だが、やってほしいことがある。女の人も集まってきてくれ」
俺はそう言って練習場の地面に杖の先で「い」「ろ」「は」と文字を書く。
「これはそれぞれ『い』『ろ』『は』と読む」
「それは、いったい……?」
「意味が分からない」
「『読む』……とは?」
やはり理解できないか。俺は一旦目を閉じ、そして見開きながら力強く宣言する。
「これは、『文字』だ!!」
「Moji……?」
「絵じゃないんですか?」
「いったい何に使うもので……?」
ちょっと疲れてきたな。こいつらホント……わざとやってるんじゃないのかな。実は全部ドッキリだったりとか。というかむしろもうそうであってほしい。
とは言うものの、本人たちが「知らね」っつうんだから今はそれを信じるしかない。俺は仕方なく文字の説明を始める。もしこれがドッキリだったらこの光景、傍目に見てたら相当イタいだろうな。
とにかく文字があれば今俺が教えている技術をこの場にいない人にも伝えられるし後世にも残せる。上手くいけば別の集落にも伝えられるかもしれない。
……この恥ずかしいやり取りが永遠に残るのか。
いつか遠い未来でまた異世界から人が召喚された時、この記録を見て「プッ、こいつ二足歩行でマウント取ってやがるぜ」とか言われるんだろうなあ。仕方ないじゃん、他に方法ないんだから。
「なんと素晴らしい……」
「勇者様は溢れる知の泉だ」
「知識チートじゃん」
今まで俺、褒められるのってもっと嬉しいことだと思ってたんだけどなあ……
とにかく俺は文字の開発についてはオールムの奥さんのアルテットさんに任せることにした。俺は彼らの言葉がベアリスの力で自動翻訳されちゃってるのでこの作業は出来ない。
ああ、それにしても。
チェンジしたい。
『何でですか! こんなイージーな異世界、これを逃したらもう二度と来ませんよ! この世界を平和にして、末永くみんなと穏やかに暮らしたいと思わないんですか!?』
思わねえよ。
何が悲しゅうて新石器時代で二足歩行も覚束ない奴らと末永く暮らさにゃならんのだ。正直今すぐにでもチェンジしたいんだが。女神の言葉なんて無視だ。無視。
『そっ、そんなひどいこと言わないで下さいよぉ……可愛いファーララちゃんが泣いちゃいますよぉ? 私も泣きますし』
お前は別にいいけど……俺はちらりと首長の娘、ファーララの方を見る。どうやら文字の方は他の女衆に任せるつもりのようだ。杖を支えにして必死に二足歩行の練習をしている。
ああもう本当にかわいい。いじらしい。
男どもはもう休憩してるって言うのに、彼女は首長の娘という立場でありながら誰よりも努力している。真っすぐで真面目で、一生懸命で、本当にいい子なんだよな。
というか他の人達も俺を温かく迎えてくれたし、女神の使徒として厚遇してくれるし、何より人間がみんな親切で穏やかだ。理想の優しい世界なんだよなぁ……二足歩行さえできてれば。
『でしょ? いいところじゃないですか。それにほら、最近のラノベでも流行ってるでしょう。現代日本の知識をつかって現代無双! 知識チート!』
「違うだろう!!」
「えっ?」
俺が急に大きな声を出したのでみんなが振り向いた。
「あっ、すいません。今ちょっと女神の奴と話してて。気にしないで下さい」
「女神ベアリス様とお話を……」
「シャーマンでもないのに、凄い」
「さすが女神の使徒だ……」
箸が転がっても賞賛。
「もう嫌だ。たくさんだ」
俺は、もう限界だった。
「こんなの知識チートじゃねえわ!! 二足歩行とか杖のどこが現代日本の知識だっつうんだよ!!
知識チートって、こう……違うだろう! もっとさあ、マヨネーズ作ったり、シャンプーとコンディショナー作ったり……いや俺どっちも作り方知らないけどさあ!!」
『マヨネーズとシャンプーも現代日本の知識かって言われると微妙な気がしますが』
「うるせえ!!」
誰に向かって叫んでるのか。女神か、それともバルスス族の人達なのか。それが分からなくても俺はぶちまけずにはいられなかった。そうしなければ、俺の心が壊れてしまいそうだったから。
「どこの世界に異世界人に二足歩行教えてホルホルする知識チートがあんだよ! ここにあんだよバカヤロウ!!」
俺は地面に持っていた槍を叩きつけた。
辺りは静寂に包まれる。
バルスス族の青年の一人が、恐る恐る、俺をなだめようと声をかけてきた。
「勇者様……その、何があったか知りませんが、落ち着いてください。そんな大声を出して……それじゃサルと変わりませんよ」
お前らにだけは言われたくねーわ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる