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第2章 冒険者達
仲間
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「呼びました?」
「呼んでねえよ、帰れよお前!!」
冒険者ギルドのドアを開いて顔を覗かせてきたのは見事なブロンドヘアに巨乳の女性。外見だけなら素晴らしいあたおか女、この国の王女、ケツメド・イリユースだ。
なんなんこいつ!? 暇人か?
多分だけど俺が不用意に「チュートリアル」なんて発言したから登場しやがったんだろう。
「チュートリアルと言えば私ですよね」
ほらやっぱり。ホントに何なんだよ。まさかとは思うけどずっと後つけて来てて、チュートリアルが必要な場面にならないかと機を窺ってたのか? 王族って暇なのか。
……暇なんだよな。ホント馬鹿を暇にさせると碌なことしないよな。ケツの穴に聖剣埋め込んだり。
「それでは戦闘のチュートリアルを開始します。先ずは勇者様、剣を抜いてください」
「いやお前、ちょっと口論になっただけでいきなり剣抜くのかよ、もうちょっとこう、他に平和的な解決方法を探るべきだろ」
さっきまでヤル気になってた俺が言うのもなんだけど、血気盛ん過ぎるだろ。何でも暴力で解決すりゃいいと思ってやがる。
「勇者様」
ぐいっと近づいて鼻と鼻が触れそうなまでに近づいて俺の目を見つめてくる。やめてくれ。外見だけは可愛いんだから。
「武器や防具は持っているだけじゃだめですよ。ちゃんと装備しないと意味がないですからね」
うるせーバカ。
「お、おい。この方って、もしかして……」
俺と姫が揉めているとさっきだっていた冒険者二人組がざわつきだした。
「まさかとは思うけどケツメド家の王女じゃ……俺一度年賀の式典で見たことあるんだけど……」
「ああ、俺も見たことがある……相手が悪いな」
まあ、今回ばかりはこいつの奇行も大目に見てやるか。結果的に場を平和裏に収めてくれたことになるんだからな。
冒険者の二人組は状況をだいたい察したようで、もう完全に気持ちが萎えちゃって、やる気は無さそうだ。とはいえ、出てきた人間が出てきた人間なんで、そのまま無視して逃げるわけにもいかず所在なさげに棒立ちの状態なんだけど。
「それでは、目の前にあるカーソルを自分に合わせて『移動』を選んでください」
だからカーソルなんてねえって言ってんだろうが。
「相手の隣接する位置まで近づいたら『攻撃』を選択して相手に切りつけてください」
「ええ……」
二人組、ドン引き。
「あのさあイリユース」
ホント、なんなん? どういう育てられ方したらこんな風になるん? 先祖の顔が見てみたいわ。
「イリユース、ただ口論してただけなのね? 俺達。何でいきなり刃傷沙汰に及ぼうとするの。何でも暴力で解決しようとしないで」
「攻撃によって相手のヒットポイントがゼロになればそのユニットは死亡し、もう二度と動くことはありません。永遠に」
物騒。
「全てのユニットを撃破すれば勝利です。ではどうぞ、プレイヤーターンスタート」
どうぞじゃねえよ。なんなんだよお前。人の命を何だと思ってんだよ。
「あ、あの、王女様。俺達その、もうこいつらに文句付ける気もないんで、なんというか、勘弁してもらえねえですかね」
事態のヤバさを痛感したらしく、スキンヘッドの男の方がとうとう詫びを入れてきた。そりゃそうだ。こんなくだらないことで命を落としてちゃ笑い話にもならねえもんな。ここまでストレートに相手側から矛を収めるように話をすればいくら話の通じないこのアホ女でも理解してくれるだろう。
「そうは言われましても、もうチュートリアルを開始してますんで、途中で止めるわけにも……」
話通じねえなこの女!!
「いやあ! それにしてもイリユース姫は美人ですね! 俺一度年賀の式典で見たことあるんですが、間近で見ると一層綺麗だ!!」
すると突然短髪の男の方がイリユースを持ち上げだした。
「ホントホント、この世にこんな美人が存在するんだな、ってびっくりしてるわ。ただ美人なだけじゃなく、こう、なんというか、王族ならではの威厳もあるな!」
スキンヘッドの方もそれに続くように持ち上げる。まさかとは思うけどこいつら、ヨイショして見逃してもらおうと思ってんのか? いくら何でも仮にも国家の元首の娘たるものがそんなにチョロい分けないだろう。王族ナメすぎだ。
「勇者様」
イリユースが険しい顔でこちらをちらりと見る。ああ、こりゃ怒ってるな。
「この人達、いい人かもしれません」
チョロかったわ。
「戦闘中に味方になるユニットが存在することがあります。敵ユニットに隣接して『話す』コマンドを選択してください」
チュートリアルはまだ続けるのか。
とはいえ、こんな不本意な殺し合いをさせられるよりはよほどマシだ。俺はとりあえず二人組の隣に立って向かい合う。
向かい合うが……どうすりゃいいんだ。「話す」? 話すって、何を? 「こんな無益な争いはやめるんだ!」とか熱血風に話しかければいいのか? そもそも俺達は無益な争いやりたくない派なんだけど? イリユースが焚きつけてるだけなんですけど?
「あ、ドモ……」
「あ……うぃす……」
そんな親しくもない学校や職場の人と偶然町で出会っちゃって無視するわけにもいかずしょうがなく挨拶した感じになっちゃった。
「あの、冒険者やってるガロン・ムスペルっていいます」
「あ、同じく冒険者のヒュー・ストックっす」
「あ、今日から冒険者やることになったコバヤシ・ケンジっす」
「…………」
「…………」
どうすりゃいいんだこれ。急に「話せ」って言われてもなあ。何話せばいいんだよ。
「あの……へへ」
「あはは……」
「あの、今日、あったかいッスよね……」
「あ、もう……春ッスからね、ヘヘ」
天気の話すら盛り上がらねえよ。イリユースお前これどうするつもりなんだよ。
「これで、『仲間』です」
随分簡単だなオイ。
「呼んでねえよ、帰れよお前!!」
冒険者ギルドのドアを開いて顔を覗かせてきたのは見事なブロンドヘアに巨乳の女性。外見だけなら素晴らしいあたおか女、この国の王女、ケツメド・イリユースだ。
なんなんこいつ!? 暇人か?
多分だけど俺が不用意に「チュートリアル」なんて発言したから登場しやがったんだろう。
「チュートリアルと言えば私ですよね」
ほらやっぱり。ホントに何なんだよ。まさかとは思うけどずっと後つけて来てて、チュートリアルが必要な場面にならないかと機を窺ってたのか? 王族って暇なのか。
……暇なんだよな。ホント馬鹿を暇にさせると碌なことしないよな。ケツの穴に聖剣埋め込んだり。
「それでは戦闘のチュートリアルを開始します。先ずは勇者様、剣を抜いてください」
「いやお前、ちょっと口論になっただけでいきなり剣抜くのかよ、もうちょっとこう、他に平和的な解決方法を探るべきだろ」
さっきまでヤル気になってた俺が言うのもなんだけど、血気盛ん過ぎるだろ。何でも暴力で解決すりゃいいと思ってやがる。
「勇者様」
ぐいっと近づいて鼻と鼻が触れそうなまでに近づいて俺の目を見つめてくる。やめてくれ。外見だけは可愛いんだから。
「武器や防具は持っているだけじゃだめですよ。ちゃんと装備しないと意味がないですからね」
うるせーバカ。
「お、おい。この方って、もしかして……」
俺と姫が揉めているとさっきだっていた冒険者二人組がざわつきだした。
「まさかとは思うけどケツメド家の王女じゃ……俺一度年賀の式典で見たことあるんだけど……」
「ああ、俺も見たことがある……相手が悪いな」
まあ、今回ばかりはこいつの奇行も大目に見てやるか。結果的に場を平和裏に収めてくれたことになるんだからな。
冒険者の二人組は状況をだいたい察したようで、もう完全に気持ちが萎えちゃって、やる気は無さそうだ。とはいえ、出てきた人間が出てきた人間なんで、そのまま無視して逃げるわけにもいかず所在なさげに棒立ちの状態なんだけど。
「それでは、目の前にあるカーソルを自分に合わせて『移動』を選んでください」
だからカーソルなんてねえって言ってんだろうが。
「相手の隣接する位置まで近づいたら『攻撃』を選択して相手に切りつけてください」
「ええ……」
二人組、ドン引き。
「あのさあイリユース」
ホント、なんなん? どういう育てられ方したらこんな風になるん? 先祖の顔が見てみたいわ。
「イリユース、ただ口論してただけなのね? 俺達。何でいきなり刃傷沙汰に及ぼうとするの。何でも暴力で解決しようとしないで」
「攻撃によって相手のヒットポイントがゼロになればそのユニットは死亡し、もう二度と動くことはありません。永遠に」
物騒。
「全てのユニットを撃破すれば勝利です。ではどうぞ、プレイヤーターンスタート」
どうぞじゃねえよ。なんなんだよお前。人の命を何だと思ってんだよ。
「あ、あの、王女様。俺達その、もうこいつらに文句付ける気もないんで、なんというか、勘弁してもらえねえですかね」
事態のヤバさを痛感したらしく、スキンヘッドの男の方がとうとう詫びを入れてきた。そりゃそうだ。こんなくだらないことで命を落としてちゃ笑い話にもならねえもんな。ここまでストレートに相手側から矛を収めるように話をすればいくら話の通じないこのアホ女でも理解してくれるだろう。
「そうは言われましても、もうチュートリアルを開始してますんで、途中で止めるわけにも……」
話通じねえなこの女!!
「いやあ! それにしてもイリユース姫は美人ですね! 俺一度年賀の式典で見たことあるんですが、間近で見ると一層綺麗だ!!」
すると突然短髪の男の方がイリユースを持ち上げだした。
「ホントホント、この世にこんな美人が存在するんだな、ってびっくりしてるわ。ただ美人なだけじゃなく、こう、なんというか、王族ならではの威厳もあるな!」
スキンヘッドの方もそれに続くように持ち上げる。まさかとは思うけどこいつら、ヨイショして見逃してもらおうと思ってんのか? いくら何でも仮にも国家の元首の娘たるものがそんなにチョロい分けないだろう。王族ナメすぎだ。
「勇者様」
イリユースが険しい顔でこちらをちらりと見る。ああ、こりゃ怒ってるな。
「この人達、いい人かもしれません」
チョロかったわ。
「戦闘中に味方になるユニットが存在することがあります。敵ユニットに隣接して『話す』コマンドを選択してください」
チュートリアルはまだ続けるのか。
とはいえ、こんな不本意な殺し合いをさせられるよりはよほどマシだ。俺はとりあえず二人組の隣に立って向かい合う。
向かい合うが……どうすりゃいいんだ。「話す」? 話すって、何を? 「こんな無益な争いはやめるんだ!」とか熱血風に話しかければいいのか? そもそも俺達は無益な争いやりたくない派なんだけど? イリユースが焚きつけてるだけなんですけど?
「あ、ドモ……」
「あ……うぃす……」
そんな親しくもない学校や職場の人と偶然町で出会っちゃって無視するわけにもいかずしょうがなく挨拶した感じになっちゃった。
「あの、冒険者やってるガロン・ムスペルっていいます」
「あ、同じく冒険者のヒュー・ストックっす」
「あ、今日から冒険者やることになったコバヤシ・ケンジっす」
「…………」
「…………」
どうすりゃいいんだこれ。急に「話せ」って言われてもなあ。何話せばいいんだよ。
「あの……へへ」
「あはは……」
「あの、今日、あったかいッスよね……」
「あ、もう……春ッスからね、ヘヘ」
天気の話すら盛り上がらねえよ。イリユースお前これどうするつもりなんだよ。
「これで、『仲間』です」
随分簡単だなオイ。
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