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第2章 冒険者達
救助活動
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女神にしこたま怒られた。
めっちゃ人間性を否定されて少々凹んでいる。
まあ、過ぎてしまったことは仕方ないさ。切り替えていこう。あとさ、少し言い訳させてもらうなら別に「犯そう」とまでは思ってなかったのよ? ただちょっと、おしりに手が触れちゃったとしても事故かな? とかそういう……
『反省してますか』
あ、すいません。してます。
『まったく、人々を助ける勇者ともあろう者が……』
女神様結構ネチネチくるタイプだな。ともかく、当初の目的からは外れるものの、救助活動だ。地面の中にめり込んでいるわけではないので、きっとどこかの壁を突き抜けて向こう側に上半身があるはず。
ということで俺とアスタロウはダンジョンを回り込んで反対側の壁の向こうに移動し、事情を聴いて彼女を救助することにした。
マッピングした感じだともうそろそろ壁の反対側につくはずだけど……お、あれかな? なんか壁から上半身だけ見せてる間抜けの姿が見え……ん? あれ?
「あ……」
三人とも、似たような間抜けな反応をしてしまった。
「あ、ども……」
「うっす……」
なんとも微妙なリアクションになってしまったのには理由がある。壁に嵌っていたのは、見覚えのある人物であった。
「魔眼のイルウ……」
「いや、ハハ……」
なんなんだよ、何してんだよこんなところで。四天王がよお!
「実は……ハマっちゃって……」
「見りゃ分かるよ」
なんかすげえ気まずいわ。生まれて初めて本気の苦笑がこぼれたわ。
「…………」
「あの……」
なんだろなあ。宿敵だと思ってた奴とこんな形で再会するとか、普通あるか? 何を話したらいいんだろう。
「ああ、ハマると言えばさ、さっき通路の向こうで壁にハマってる無様なケツがあってさ」
「それ私のケツだよ」
というか別に無理に話を弾ませる必要はないな。よくよく考えたら。
だがこいつも魔王軍の幹部の一人なんだ。それが何の理由もなくこんな無様な醜態をさらすとは思えない。何かやむにやまれぬ理由があるはずだ。その理由如何によっては、俺達にも危険が迫ってくるかもしれない。とりあえずは情報収集だ。
「話してくれ……一体何があったんだ」
イルウは俺の言葉に逡巡したものの、素直に応え始めた。
「実は、ダンジョンの壁に穴が開いていて、向こう側の通路が見えていたんだ……だから『あ、行けるかな?』って思ったんだけど……このザマさ」
男子小学生かお前は。
え? なに? どういうこと? たいした理由もなく穴に嵌まったってこと?
要するにたまたまダンジョンの壁に穴が開いてて「もしかして近道できるかな?」と思って入ってみたら思った以上に狭くて身動き取れなくなっただけ? 本当に子供かお前は。ある意味お前こそが真の冒険者だよ。
「とりあえず引っ張り出すぞ。アスタロウ、左手引っ張って」
俺は右手を掴んで、アスタロウと一緒にイルウの上半身を引っ張る。世話の焼ける四天王だ。
「いたたたた、痛い痛い! 待って! おしりが! お尻が引っかかってる!!」
う~ん、無理か。となると、やっぱり下半身側から引っ張って抜いた方がいいかな?
元々そっち側から入ったんだからそこからきっと抜けるはずだよな。
「ま、待って、一人にしないで。怖い」
まあ、ダンジョンの中で身動きの取れない状態で一人にされる怖さは分からんでもない。しょうがない、上半身側にはアスタロウを置いていこう。
「ちょっと待て」
え? なんだよアスタロウ。
「お主を一人で下半身側に行かせるのに、凄く抵抗があるんじゃが?」
あ? どういう意味だコラ。
「その……」
一触即発。俺がアスタロウにブチ切れようかというところでイルウが間に入ってきた。
「さっきは、誰か分かんなかったから大声出したけど……ケンジなら、信用してるから……いいよ、大丈夫」
え? なんなん? このフラグは。というか自分で言うのもなんだけど、俺そんなに信用できるような行動取ってないぞ。俺がお前だったら絶対俺の事信用しないぞ。
とはいえここで問答していても話は進まないので俺は一人で下半身側に移動する。本当に下心もないしな。というかよくよく考えたら上半身側の方が危険じゃないか? ケツの穴に聖剣を突っ込んで快楽を得ようとする変態だぞ。
などと考えているうちに尻側に到着。
う~ん、なんというか、本当に……尻だな。割と小柄で細身のダークエルフ。その小さめな可愛いお尻が壁にハマっている。これが抜けないってんだから相当小さな穴だったのにくぐっていこうとしたんだな。冒険心が過ぎる。
しかしこれどうやって引っ張ったらいいものか……
「ひっ……」
軽く腰のところに手を添えるとビクッとお尻が震えて小さな悲鳴が漏れる。俺はそのまま両手で腰のくびれをがっちりとホールドした。両側から腰を掴んでいるので、俺の股間は自然とイルウのお尻のすぐ後ろに位置することになる。
これ……結構ヤバい体勢じゃないだろうか。
「ひ、引っ張るからな」
「は、はい……」
なんで今日のイルウはこんなにしおらしいんだ。まあ、壁穴にハマって心が弱っているからかもしれないけど。なんか……ちょっと可愛いじゃん。
しかし、引っ張ってみるけど、やっぱり抜けないな。これどうやって入ったんだ。イルウが痛がるので引っ張っては戻し、また引っ張っては戻し、を繰り返す。
自然と、俺の腰も何度も前後に動くことになる。
「どうしたの? ケンジ」
クーリングタイム。
いったん離れて俺は素数を数える。
落ち着け。
落ち着けマイサン。
なんてことはない。俺はただ壁にハマった哀れな魔族を救助しているだけだ。そこに情欲が挟み込む余地などない。それなのになんでお前はそんななんだいマイサン。そんな子に育てた覚えはないぞマイサン。
「ふう……もう一度行くぞ」
十分なクーリングタイムを経て、俺は救助活動を再開する。そう、これは救助活動だ。他意はない。たとえば俺のズボンのポケットに何か硬い物が入っていてぐりぐり君のお尻を押したとしてもそれは偶然が生み出した不幸な事故だ。何も気づかなかったフリをしてほしい。それが優しさってものだろう? 違うかい?
「ん?」
しかし、そんな作業を繰り返しているうちに、俺はあることに気付いた。
イルウのスカートの中に、何かある。
「なんだこれ? スカートの中に何か隠し持ってるのか?」
「あっ、そ、それは……」
なんだその態度、なんか怪しいぞ。暗器でも隠し持ってるのか。これだから魔族は油断がならないんだ。
スカートの上から形を確認してみると、何やら棒状のものがあるようだ。
「あっ、ダメ! そこ触っちゃ……触らないでぇ!!」
「だったら答えろ! いったい何を隠し持ってるんだ。なんか武器じゃないのか!?」
もしかしたらこれが引っかかって穴から抜けなかったんじゃないのか? 危ない危ない。救助が成功したらこの武器で始末されるところだったのかもしれない。
「そ、それは……」
「これは!?」
「それは、私のエクスカリバーだ!!」
めっちゃ人間性を否定されて少々凹んでいる。
まあ、過ぎてしまったことは仕方ないさ。切り替えていこう。あとさ、少し言い訳させてもらうなら別に「犯そう」とまでは思ってなかったのよ? ただちょっと、おしりに手が触れちゃったとしても事故かな? とかそういう……
『反省してますか』
あ、すいません。してます。
『まったく、人々を助ける勇者ともあろう者が……』
女神様結構ネチネチくるタイプだな。ともかく、当初の目的からは外れるものの、救助活動だ。地面の中にめり込んでいるわけではないので、きっとどこかの壁を突き抜けて向こう側に上半身があるはず。
ということで俺とアスタロウはダンジョンを回り込んで反対側の壁の向こうに移動し、事情を聴いて彼女を救助することにした。
マッピングした感じだともうそろそろ壁の反対側につくはずだけど……お、あれかな? なんか壁から上半身だけ見せてる間抜けの姿が見え……ん? あれ?
「あ……」
三人とも、似たような間抜けな反応をしてしまった。
「あ、ども……」
「うっす……」
なんとも微妙なリアクションになってしまったのには理由がある。壁に嵌っていたのは、見覚えのある人物であった。
「魔眼のイルウ……」
「いや、ハハ……」
なんなんだよ、何してんだよこんなところで。四天王がよお!
「実は……ハマっちゃって……」
「見りゃ分かるよ」
なんかすげえ気まずいわ。生まれて初めて本気の苦笑がこぼれたわ。
「…………」
「あの……」
なんだろなあ。宿敵だと思ってた奴とこんな形で再会するとか、普通あるか? 何を話したらいいんだろう。
「ああ、ハマると言えばさ、さっき通路の向こうで壁にハマってる無様なケツがあってさ」
「それ私のケツだよ」
というか別に無理に話を弾ませる必要はないな。よくよく考えたら。
だがこいつも魔王軍の幹部の一人なんだ。それが何の理由もなくこんな無様な醜態をさらすとは思えない。何かやむにやまれぬ理由があるはずだ。その理由如何によっては、俺達にも危険が迫ってくるかもしれない。とりあえずは情報収集だ。
「話してくれ……一体何があったんだ」
イルウは俺の言葉に逡巡したものの、素直に応え始めた。
「実は、ダンジョンの壁に穴が開いていて、向こう側の通路が見えていたんだ……だから『あ、行けるかな?』って思ったんだけど……このザマさ」
男子小学生かお前は。
え? なに? どういうこと? たいした理由もなく穴に嵌まったってこと?
要するにたまたまダンジョンの壁に穴が開いてて「もしかして近道できるかな?」と思って入ってみたら思った以上に狭くて身動き取れなくなっただけ? 本当に子供かお前は。ある意味お前こそが真の冒険者だよ。
「とりあえず引っ張り出すぞ。アスタロウ、左手引っ張って」
俺は右手を掴んで、アスタロウと一緒にイルウの上半身を引っ張る。世話の焼ける四天王だ。
「いたたたた、痛い痛い! 待って! おしりが! お尻が引っかかってる!!」
う~ん、無理か。となると、やっぱり下半身側から引っ張って抜いた方がいいかな?
元々そっち側から入ったんだからそこからきっと抜けるはずだよな。
「ま、待って、一人にしないで。怖い」
まあ、ダンジョンの中で身動きの取れない状態で一人にされる怖さは分からんでもない。しょうがない、上半身側にはアスタロウを置いていこう。
「ちょっと待て」
え? なんだよアスタロウ。
「お主を一人で下半身側に行かせるのに、凄く抵抗があるんじゃが?」
あ? どういう意味だコラ。
「その……」
一触即発。俺がアスタロウにブチ切れようかというところでイルウが間に入ってきた。
「さっきは、誰か分かんなかったから大声出したけど……ケンジなら、信用してるから……いいよ、大丈夫」
え? なんなん? このフラグは。というか自分で言うのもなんだけど、俺そんなに信用できるような行動取ってないぞ。俺がお前だったら絶対俺の事信用しないぞ。
とはいえここで問答していても話は進まないので俺は一人で下半身側に移動する。本当に下心もないしな。というかよくよく考えたら上半身側の方が危険じゃないか? ケツの穴に聖剣を突っ込んで快楽を得ようとする変態だぞ。
などと考えているうちに尻側に到着。
う~ん、なんというか、本当に……尻だな。割と小柄で細身のダークエルフ。その小さめな可愛いお尻が壁にハマっている。これが抜けないってんだから相当小さな穴だったのにくぐっていこうとしたんだな。冒険心が過ぎる。
しかしこれどうやって引っ張ったらいいものか……
「ひっ……」
軽く腰のところに手を添えるとビクッとお尻が震えて小さな悲鳴が漏れる。俺はそのまま両手で腰のくびれをがっちりとホールドした。両側から腰を掴んでいるので、俺の股間は自然とイルウのお尻のすぐ後ろに位置することになる。
これ……結構ヤバい体勢じゃないだろうか。
「ひ、引っ張るからな」
「は、はい……」
なんで今日のイルウはこんなにしおらしいんだ。まあ、壁穴にハマって心が弱っているからかもしれないけど。なんか……ちょっと可愛いじゃん。
しかし、引っ張ってみるけど、やっぱり抜けないな。これどうやって入ったんだ。イルウが痛がるので引っ張っては戻し、また引っ張っては戻し、を繰り返す。
自然と、俺の腰も何度も前後に動くことになる。
「どうしたの? ケンジ」
クーリングタイム。
いったん離れて俺は素数を数える。
落ち着け。
落ち着けマイサン。
なんてことはない。俺はただ壁にハマった哀れな魔族を救助しているだけだ。そこに情欲が挟み込む余地などない。それなのになんでお前はそんななんだいマイサン。そんな子に育てた覚えはないぞマイサン。
「ふう……もう一度行くぞ」
十分なクーリングタイムを経て、俺は救助活動を再開する。そう、これは救助活動だ。他意はない。たとえば俺のズボンのポケットに何か硬い物が入っていてぐりぐり君のお尻を押したとしてもそれは偶然が生み出した不幸な事故だ。何も気づかなかったフリをしてほしい。それが優しさってものだろう? 違うかい?
「ん?」
しかし、そんな作業を繰り返しているうちに、俺はあることに気付いた。
イルウのスカートの中に、何かある。
「なんだこれ? スカートの中に何か隠し持ってるのか?」
「あっ、そ、それは……」
なんだその態度、なんか怪しいぞ。暗器でも隠し持ってるのか。これだから魔族は油断がならないんだ。
スカートの上から形を確認してみると、何やら棒状のものがあるようだ。
「あっ、ダメ! そこ触っちゃ……触らないでぇ!!」
「だったら答えろ! いったい何を隠し持ってるんだ。なんか武器じゃないのか!?」
もしかしたらこれが引っかかって穴から抜けなかったんじゃないのか? 危ない危ない。救助が成功したらこの武器で始末されるところだったのかもしれない。
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