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第6章 スターウォーズ
虐待
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「師匠! ワタシ虫食べるところが見てみたいッス」
エイメの発言に場は静まり返った。
ちらりとヨルダ師匠が俺の方を見た。俺はこくりと頷く。
「俺も見てみたい」
「!?」
その一言にヨルダ師匠の額から汗が噴き出してきたように見えたが、きっと気のせいだろう。
まあ正直に言うと、俺もエルフが虫を食べるところを見てみたい。
だってさ。
エルフが虫食うんだぜ? 爆笑だろ。アスタロウも口元を押さえてぷるぷると震えている。きっとあいつも見てみたいんだろう。
それにしてもエイメが拾い上げた虫。甲虫みたいに背中がキラキラ光ってるんだが、なんなんだこれ、紫色してるぞ。ちょっと地球じゃ見たことのない虫だな。よく見つけたなこんなの。
「いやあ、虫を食べるって一度師匠から聞いてたスけど、実際に見たことはなかったんでずっと気になってたんスよ」
エイメは満面の笑顔でヨルダ師匠に虫を手渡す。なんか、段々話が見えてきたな。
「む……」
小さな唸り声をあげてヨルダ師匠はそれを受け取り、まだ食べてないのに苦虫を噛み潰したような顔でそれを見つめる。
「さあ師匠! ガブッといってくださいッス!!」
本当にいい性格してるなコイツ。ヨルダ師匠はしばらくの間呻き声を上げながら何やら思案していたものの、ようやく覚悟を決めたようで虫を口に放り込んで噛み締めた。
うわ、本当に虫食ってるよこのエルフ。
「むぐ……」
涙を目にためながら必死でヨ〇ダそっくりのエルフが虫を咀嚼する様は、不気味としか言いようがなかった。
「ウッ、あう……オエ」
「オエ?」
そりゃオエってなるだろ。
「うまいスか? ヒンナか?」
「ヒンナ……」
「ちょっと、ヨルダ師匠、いい?」
さすがに老人虐待みたいになってきて見てられないや。俺は一旦ヨルダ師匠をエイメから引き離した。
「あのさあ」
あの変態女から解放されたからか、心なしかホッとしているように見える。俺は核心に踏み込むことにした。
「本当は虫なんか食わないんでしょ」
「はい……」
なんでこんなことになっちゃったんだよ。
「元々は、偶然森に子供が迷い込んで……ちょっとした冗談のつもりで言ったんだけど。その時はまさか、子弟の関係になるとも、こんな長い付き合いになるとも思ってなかったから、適当な事言っちゃって」
まあそんなこったろうと思ったよ。それを無邪気に信じてるエイメもなんなんだって感じはするけどさ。まさかとは思うけどあいつ本当は分かっててわざとやってるんじゃないだろうな。
嘘をつくのは良くないよな。でも、ちょっとした冗談だったつもりがなかなか言い出せなくなって引っ込みがつかなくなることってのは、ある。
ましてや普通はそんな事言っても冗談って分かるだろ、って内容なのにそれがまるで通じない相手とかも存在する。挙句の果てにその少女が「腹を切る」とか言い出したらもう気軽に「嘘でした」とは言えないよな。
「師匠! もう一匹捕まえたッスよ!」
目の前で瞳をキラキラさせながら紫色の甲虫を掲げて喜んでるこいつとかな。
「まだお腹すいてるッスよね? ワタシは食べないからどうぞ!」
一転の曇りもない笑み。ドラゴンファックしようとした時とは違い、年相応の少女の笑顔だ。
「あ、いやあ……儂はもう、その……な?」
歯切れの悪い言葉をひねり出して、ヨルダ師匠は俺の方をちらりと見た。
「イケるってさ!」
「ちょっ!!」
ビシッとサムズアップして師匠の代わりにエイメに応えてやると、何か不満があるのか、ヨルダ師匠が俺の胸倉をつかんでエイメから離れた場所までぐいぐいと押していった。
「なに? なんなんスか? 乱暴はやめてくださいよ」
こんなに元気ならもう5、6匹食えそうだな。
「今の話の流れでどうしてそうなるんじゃ」
こんな怒ってる顔のヨ〇ダ初めて見たわ。
「そう言えば思い出したんですけど、修行をつけてくれるのか、ちゃんと答え聞いてなかったですね」
いやまあ、普通に修行つけてくれる流れだとは思うけどさ、確約が欲しいのよ。
「それとなんですけど、修行してる間の住居の貸し出しと食事とかの提供もお願いしたいですね。あ、もちろんアスタロウとエイメの分も」
「は? 調子に乗りおって……」
「あ、エイメ! 師匠一匹じゃ足りないと思うからもっとたくさん捕まえといて」
「ま、待て、分かった。分かったから!」
物わかりのいい師匠で助かる。
「しかしじゃなあ……それだけの食料を調達するとなると儂も一苦労じゃ。その分の対価は出してもらえるんじゃろうな……」
「エイメ、師匠お腹はいっぱいみたいだけど光合成する所見せてくれるってさ」
「ま、待て。分かった!」
「いやあ、助かるなあ。なんだか催促したみたいで悪いね」
「このクソガキめ」
「さっきからダブル師匠、遠くでこそこそと何話してるんスか? 本当に虫いらないんスか?」
「ああ、大丈夫。虫はなんか特別な時に食べるものでね、普段は人間とそんなに食生活変わらないらしいよ」
「へえ、特別な時。どんな時なんスかねえ」
頭の悪い弟子が腹を切ろうとした時とかだよ。
「それはともかく、師匠がお前にも技を伝授してくれるってさ。よかったな」
これで八方丸く収まる。主人公の力を見たか。
エイメの発言に場は静まり返った。
ちらりとヨルダ師匠が俺の方を見た。俺はこくりと頷く。
「俺も見てみたい」
「!?」
その一言にヨルダ師匠の額から汗が噴き出してきたように見えたが、きっと気のせいだろう。
まあ正直に言うと、俺もエルフが虫を食べるところを見てみたい。
だってさ。
エルフが虫食うんだぜ? 爆笑だろ。アスタロウも口元を押さえてぷるぷると震えている。きっとあいつも見てみたいんだろう。
それにしてもエイメが拾い上げた虫。甲虫みたいに背中がキラキラ光ってるんだが、なんなんだこれ、紫色してるぞ。ちょっと地球じゃ見たことのない虫だな。よく見つけたなこんなの。
「いやあ、虫を食べるって一度師匠から聞いてたスけど、実際に見たことはなかったんでずっと気になってたんスよ」
エイメは満面の笑顔でヨルダ師匠に虫を手渡す。なんか、段々話が見えてきたな。
「む……」
小さな唸り声をあげてヨルダ師匠はそれを受け取り、まだ食べてないのに苦虫を噛み潰したような顔でそれを見つめる。
「さあ師匠! ガブッといってくださいッス!!」
本当にいい性格してるなコイツ。ヨルダ師匠はしばらくの間呻き声を上げながら何やら思案していたものの、ようやく覚悟を決めたようで虫を口に放り込んで噛み締めた。
うわ、本当に虫食ってるよこのエルフ。
「むぐ……」
涙を目にためながら必死でヨ〇ダそっくりのエルフが虫を咀嚼する様は、不気味としか言いようがなかった。
「ウッ、あう……オエ」
「オエ?」
そりゃオエってなるだろ。
「うまいスか? ヒンナか?」
「ヒンナ……」
「ちょっと、ヨルダ師匠、いい?」
さすがに老人虐待みたいになってきて見てられないや。俺は一旦ヨルダ師匠をエイメから引き離した。
「あのさあ」
あの変態女から解放されたからか、心なしかホッとしているように見える。俺は核心に踏み込むことにした。
「本当は虫なんか食わないんでしょ」
「はい……」
なんでこんなことになっちゃったんだよ。
「元々は、偶然森に子供が迷い込んで……ちょっとした冗談のつもりで言ったんだけど。その時はまさか、子弟の関係になるとも、こんな長い付き合いになるとも思ってなかったから、適当な事言っちゃって」
まあそんなこったろうと思ったよ。それを無邪気に信じてるエイメもなんなんだって感じはするけどさ。まさかとは思うけどあいつ本当は分かっててわざとやってるんじゃないだろうな。
嘘をつくのは良くないよな。でも、ちょっとした冗談だったつもりがなかなか言い出せなくなって引っ込みがつかなくなることってのは、ある。
ましてや普通はそんな事言っても冗談って分かるだろ、って内容なのにそれがまるで通じない相手とかも存在する。挙句の果てにその少女が「腹を切る」とか言い出したらもう気軽に「嘘でした」とは言えないよな。
「師匠! もう一匹捕まえたッスよ!」
目の前で瞳をキラキラさせながら紫色の甲虫を掲げて喜んでるこいつとかな。
「まだお腹すいてるッスよね? ワタシは食べないからどうぞ!」
一転の曇りもない笑み。ドラゴンファックしようとした時とは違い、年相応の少女の笑顔だ。
「あ、いやあ……儂はもう、その……な?」
歯切れの悪い言葉をひねり出して、ヨルダ師匠は俺の方をちらりと見た。
「イケるってさ!」
「ちょっ!!」
ビシッとサムズアップして師匠の代わりにエイメに応えてやると、何か不満があるのか、ヨルダ師匠が俺の胸倉をつかんでエイメから離れた場所までぐいぐいと押していった。
「なに? なんなんスか? 乱暴はやめてくださいよ」
こんなに元気ならもう5、6匹食えそうだな。
「今の話の流れでどうしてそうなるんじゃ」
こんな怒ってる顔のヨ〇ダ初めて見たわ。
「そう言えば思い出したんですけど、修行をつけてくれるのか、ちゃんと答え聞いてなかったですね」
いやまあ、普通に修行つけてくれる流れだとは思うけどさ、確約が欲しいのよ。
「それとなんですけど、修行してる間の住居の貸し出しと食事とかの提供もお願いしたいですね。あ、もちろんアスタロウとエイメの分も」
「は? 調子に乗りおって……」
「あ、エイメ! 師匠一匹じゃ足りないと思うからもっとたくさん捕まえといて」
「ま、待て、分かった。分かったから!」
物わかりのいい師匠で助かる。
「しかしじゃなあ……それだけの食料を調達するとなると儂も一苦労じゃ。その分の対価は出してもらえるんじゃろうな……」
「エイメ、師匠お腹はいっぱいみたいだけど光合成する所見せてくれるってさ」
「ま、待て。分かった!」
「いやあ、助かるなあ。なんだか催促したみたいで悪いね」
「このクソガキめ」
「さっきからダブル師匠、遠くでこそこそと何話してるんスか? 本当に虫いらないんスか?」
「ああ、大丈夫。虫はなんか特別な時に食べるものでね、普段は人間とそんなに食生活変わらないらしいよ」
「へえ、特別な時。どんな時なんスかねえ」
頭の悪い弟子が腹を切ろうとした時とかだよ。
「それはともかく、師匠がお前にも技を伝授してくれるってさ。よかったな」
これで八方丸く収まる。主人公の力を見たか。
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